経理・経理・経理マンの巣窟

大・中・小あらゆる企業で経理実務経験約40年の蔵研人が、本音で語る新感覚の読み物風の経理ノウハウブログです

OB会への会社負担金

2014-07-31 10:16:00 | サラリーマンは魔術師

 大企業を中心として、その企業を原則・定年退職した人々で構成されているOB会が盛んである。団塊の世代が定年を迎えて、今後ますます会員数が増加することだろう。
 かつて企業戦士として活躍していたが、会社以外にほとんど活動場所を持たない定年退職者にとって、このOB会こそは、ありし良き時代の懐古感に浸りながら、旧交を温める良い機会を提供してくれる嬉しいサークルいえるだろう。

 だがどうしても企業のOBたちは、昔の職制を持ち込んでしまう傾向があり、会長や理事などは現役時代に役員だった者が独占し、会席場所などの序列も、過去の役職順になってしまうのが実情のようだ。さらに酷い例としては、忙しく働いている現役の後輩たちの中に割り込んで、説教を垂れたり、過去の栄光を自慢したりして、仕事の邪魔をする大先輩もいるということである。このあたりが、同じOB会であっても、学生時代の同窓会などとは本質的に異なるところであろう。

 私自身は二社のOB会に加入しているが、前述したような現役時代の臭いを余り嗅ぎたくないので、形式的なOB会総会や飲み会にはほとんど参加しない。その代り全員が対等に振る舞える「囲碁将棋大会」とか「落語の会」や「ハイキングの会」などには積極的に参加することにしている。

 さてこのOB会の運営費用は、基本的にOB達からの年会費で賄われているのだが、年金生活者が中心のOB達から多額の会費を徴収することは難しい。それで会社が一定の金額をOB会に寄付する例が多いようである。さてではこの会社負担金の法人税法上の取り扱いを簡単にまとめておこう。

 この会社負担金の額と、OB会の活動内容が社会通念上常識的な範囲であれば、福利厚生費などとして全額が損金算入されることになる。但し会社の決算期末までにOB会の保有する現金預金等に残高(繰越金)があれば、下記計算式の金額については、別表四で加算留保して、当期の所得金額に加算しなくてはならない。

 もちろんこの加算金額は翌期には洗い替えで所得より減算出来るが、その時また繰越金が残っていれば、当期と同様の計算をして、再度新しい加算金額を算出して所得に加算することになる。
OB会の繰越金額×その年度に会社が負担した金額÷その年度のOB会の総収入

  下記の2つのバナーをクリックすると、このブログのランキングが分かりますよ! またこのブログ記事が役立った又は面白いと感じた方も、是非クリックお願い致します。

にほんブログ村 経営ブログ 財務・経理へにほんブログ村

 人気ブログランキングへ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

個室とケータイが若者の独立心を無くしてゆく

2014-07-21 15:14:40 | ひとりごと

 既婚の子供と親の別居率は年々上昇し、老人の介護問題が後を絶たない。だが逆に、いつまで経っても親と同居し続けている独身男性の割合が、年々増加しているようである。そしてそれが、未婚者増加の後押しをしているような気がするのだ。

 私たちが若い頃、少なくとも男性なら親との別居生活に憧れていたはずである。そして逆に結婚すると親と同居し、孫の世話は老人が担当し、そして老人の介護は子供が行うという循環の中で、家族の輪が広がっていったものだ。そうあの「サザエさん」一家がその典型であった。

 ところが前述したように、最近の家族は全く正反対の方向に動き出しているのは何故であろうか。既婚後に親との別居が増加傾向にあるのは、欧米の個人主義の影響など様々な原因が考えられるが、そのことについてはここでは論じないことにする。むしろもう一方の『親と同居する独身者の増加』のほうが不気味な問題だと考えられる。
 結果的にそれが親の介護などに繋がればよいのだが、彼らは介護のために親と同居しているのではなく、実は親に寄生している者が多いのではないだろうか。その中には、年老いた親の僅かな年金に食いついている者もいるという。

 こうした寄生虫のような独身者たちを創ってしまったのは、何といってもその親の責任である。だから寄生されても仕方ない、と言ってしまえばそれまでだが、独立心を持たない若者たちの増加が少子化を促進し、企業戦士としてのパワーを削がれ、経済の発展をも阻害することに繋がってしまうのだ。
 ではなぜこのような若者、いや独身男性が増加してしまったのだろうか。それはまさしく子供たちに与えられた「個室とケータイ」が最大原因と言い切ってもよいだろう。つまり個室とケータイがあれば、親に監視されずに何でも好きなことが出来るからである。

 昔なら恋人から電話がかかって来ると、すぐ親や兄弟に知られてしまう。また個室がないので、エッチなTVやビデオを観るわけにはゆかない。例えたったそれだけのことであっても、自由やプライバシーを得るために一人暮らしがしたくなったものである。
 だが現在は、個室があり、その中にTV、ステレオ、パソコン、ゲーム機、そしてケータイがある。つまり自分の部屋の中に必要なものが全て取り揃えられているため、自由もプライバシーも保たれるのである。結局こんな恵まれた状況だから、彼らは親の元、いや「自分の部屋」から離れないのであろう。

 だからと言って、今後個室とケータイを絶滅させるわけには行かない。もはや過去への後戻りは出来ないのだ。それどころか益々こんな状況に拍車がかかるだけであろう。ではどうすれば良いのかと嘆いてみても、悲しいかな・・・私にはそれを解決する論理を全く持っていないのである。

  下記の2つのバナーをクリックすると、このブログのランキングが分かりますよ! またこのブログ記事が役立った又は面白いと感じた方も、是非クリックお願い致します。

にほんブログ村 経営ブログ 財務・経理へにほんブログ村

 人気ブログランキングへ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

残業と転勤のない会社は実現できるのか

2014-07-08 09:08:58 | サラリーマンは魔術師

 

 1985年に「男女雇用機会均等法」が成立し、その後女性の社会進出に対する取組みが積極的に行われるようになった。だがまだまだ欧米に比べると、日本の女性労働力率は低いと言わざるを得ないだろう。
 その原因は最近大問題となった都議会の野次に代表されるように、相変わらず「夫が外で働き、妻は子供を産んで家庭を守る」という伝統的な男女の役割分担が長い間「当たり前のこと」と認知されてきた日本の社会構造や価値観にあることは否めない。
 もちろん政府も大企業も、ただ手をこまねいていただけではないことは承知している。本気か見せかけだけなのかは別として、一応保育所の増設、産前産後休暇の充実、女性管理職や女性役員の増員などに手を染めていることも事実である。

 ところがそれらを更に充実させ、それに加えて女性の中途雇用などに力を入れたとしても、それだけでは絶対にダメなのだ。何といっても家庭内では一番重要な子育てに、「夫の協力」が得られない妻が多いからである。会社側も子育て中の女性にはそれなりの休暇や時短を与えているものの、その夫に対しては相変わらず過酷な残業や余り意味のない転勤を繰り返している。

 日本では欧米のように住み込み家政婦やベビーシッター制度が根付いていないし、今後もなかなか馴染まないだろう。従って祖父母と一緒に住んでいない限り、夫が毎日残業ばかりしている家庭では、子育て負担の全てが妻の細腕に襲いかかってくるのだ。それに加えて家事の大部分もこなさなくてはならないのである。
 また例え妻が必死になって、それらを全て乗り越えたとしても、今度は思い付きのように夫に転勤命令が発せられるのだ。そうなれば、妻は会社を辞めて夫について行くのか・・・。または夫の単身赴任を要望し、家族がバラバラになって、更なる負担を覚悟するかの選択を余儀なくされることだろう。

 残業についていえば、決算時など通常と異なる業務体制を敷いているときは、ある程度やむを得ないとしても、営業など対外的な業務については、相手の都合に巻き込まれてしまうことが日常茶飯事である。だがいつまでもそれを容認していては、永遠に残業というより居残り制度はなくならないだろう。そろそろ法的にもっと厳しい残業規制を敷き、企業側も担当制オンリーではなく、交代制などの導入による顧客対応などを決断する時期が訪れているのかもしれない。
 また転勤の大部分は本人や企業のためではなく、上司の都合や好き嫌いで実施されることが多い。これはある意味公私混同であり、厳密に言えば犯罪に該当するかもしれない。今後は上司の保身と思い付きではなく、長期的な人事ローテーションのための転勤以外は認めない、というような企業モラルの構築が必須ではないだろうか。

  下記の2つのバナーをクリックすると、このブログのランキングが分かりますよ! またこのブログ記事が役立った又は面白いと感じた方も、是非クリックお願い致します。

にほんブログ村 経営ブログ 財務・経理へにほんブログ村

 人気ブログランキングへ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ほころびが目立つ自民党

2014-07-02 10:17:07 | 経済ニュース編

 最近の安倍政権の行動には、かなりの恐怖感を感じるようになった。つまり、集団的自衛権の解釈変更や法人税減税など、じっくりと検討しなければならない政策を無理やり忙しく決めてしまうこと。そして逆に急がなくてはならないはずの、被災地の復興や原発に代わる発電方式の検討などが遅々として進まないからである。

 国民無視、大企業優先、ナショナリズムの扇動など、安倍内閣の行動にはキナ臭さが充満している。もしかするとボンボン首相は、祖父の亡霊に操られて、太平洋戦争に突入したあの悲惨な時代に逆戻りしようとしているのだろうか。

 それにしてもこの時代錯誤な状況を、全ての自民党議員が容認しているとはとても考えられない。一説によると安倍政権に反対している自民党議員はかなりいるらしいのだが、次回の選挙資金が貰えなくなる事を心配して沈黙していると言うのだ。

 まとまりがなく何も決められなかった民主党に失望し、自民党に鞍替えした人は多いはずである。だが逆にこんな情けない自民党の体制を、まとまりのある政党と呼ぶことが出来るのであろうか。そしてまた国民は政治不信を抱き、政治に対する興味を喪失してしまうかもしれない。実はそれが一番恐ろしいことなのである。

  下記の2つのバナーをクリックすると、このブログのランキングが分かりますよ! またこのブログ記事が役立った又は面白いと感じた方も、是非クリックお願い致します。

にほんブログ村 経営ブログ 財務・経理へにほんブログ村

 人気ブログランキングへ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする