経理・経理・経理マンの巣窟

大・中・小あらゆる企業で経理実務経験約40年の蔵研人が、本音で語る新感覚の読み物風の経理ノウハウブログです

中小企業に入社しようぜ

2012-11-29 15:24:11 | 崩壊する上場企業の経理

 すでに半世紀以上に亘って、日本の母親たちは大事な我が子を、良い大学に入学させて、大企業に入社させたいとの虚仮の一念で、我が子たちを育て教育してきた。また未婚女性が望む結婚相手も同様の思考を辿り続けている。お陰で若い男性たちも、同様の価値観に被われてしまい、日本中が金太郎飴人間で蔓延してしまったのである。
 これだけならまだ良いのだが、最近では不況や高学歴化により、すでに大企業では人手過剰に陥り、どこの企業でも新学卒の雇用を極力抑制する傾向が続き、巷では就職出来ない若者たちが溢れ返っている。ところが中小企業では、募集してもなかなか良い人材が集まらないという、矛盾の循環のような状況が続いていたのである。

 ところが最近になって、中小企業を希望する学生たちが急激に増加し始めたという。やっと若い人たちもわかってくれたか。と思うと同時に少し明るくなり始めた就職展望にほっと胸を撫で下ろすという心境に浸っている。もちろん中小企業ならどこでも良いと言う訳ではない。やはり将来に希望と夢が持てる会社でなくてはいけないのは言うまでもないことである。
 もはや最近では、上場会社が簡単に倒産する時代に突入してしまった。大企業だからといって定年まで無事に勤務出来る保障はなくなってしまった。そのうえ仕事はつまらないし、つきあいや残業ばかりで、自分の自由時間を持てないし、独自の個性も価値観も持てず、金太郎飴的価値観の中で埋もれてしまうのが関の山。つまらない出世競争に明け暮れて、挙句の果は壊れた人形のようになり、ポイ捨てされておしまいという人生を辿ることもある。

 一方中小企業では、若くとも重要な仕事を任せてもらえるし、自分の個性や実力を思う存分に発揮できることが多い。またつまらない法令等に縛られることも少ないので、自分流のやり方で仕事の効率アップを図り、残業ゼロを達成することも可能である。
 そして余った時間を自分の好きなことに使うことも出来るようになるかもしれない。さらに実力さえあれば、若くともどんどん出世し、将来自分で起業することも可能となる。ただしやる気のない人には、中小企業は向かない、いやもちろんそんな人間は大企業でも通用しないし、仕事以外でも大成することはないだろう。

 とにかく、まずは良い中小企業に入社して、真剣に勉強し実務をしっかりと覚えることである。また勉強と言っても、本を読んだりセミナーに参加するだけではなく、尊敬出来る先輩や上司を見つけて、暫くはその人の行動を真似するということも必要である。
 最後に良い中小企業の見分け方だが、その中小企業が行っている事業内容や技術に将来性があるということがひとつ。もうひとつは、そこの社長の人格や価値観が素晴らしいかどうかである。だから一方的に面接を受けるだけではなく、自分もその会社の社長を面接する位の気持ちを持って面接に挑もうではないか。

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日本と米国の移転価格税制比較

2012-11-24 10:10:56 | 達人経理マンへの道

 もはや全世界の主要国で導入された移転価格税制だが、世界に先駆けてこの税制を導入した米国と日本の税制の比較をするのが一番手っ取り早いと考え、以下に比較一覧表として掲示することにした。

 

注1)移転価格の対象取引とは
 棚卸資産の販売・購入、ライセンス等の譲渡又は使用、利息の受取・支払、有形資産のリース、役務の提供、費用の分担契約など

注2)延滞利子について
日本 7.3%と前年の11月30日の公定歩合+4%のいずれか低い方 
米国 連邦短期利率+α=概ね9% ・・・更に日歩複利で計算し、APAと関係なく課される

注3)米国の移転価格ペナルティー
A.20%ペナルティー(追徴税額の20%)
①移転価格純調整額が1課税事業年度につき500万ドル、或いは売上の10%のどちらか少ない額を超えた場合
②移転価格が200%以上又は50%以下変動する調整を受けた場合
B.40%ペナルテイー(追徴税額の40%)  
①移転価格純調整額が1課税事業年度につき2000万ドル、或いは売上の20%のどちらか少ない額を超えた場合
②移転価格が400%以上又は25%以下変動する調整を受けた場合
但し上記ペナルティーは、同時文書(スタディー)の提出があれば、免除される

注4)同時文書とは
 通称移転価格スタディー(ドキュメンテーション)と呼ばれ、2~3年ごとにまとめて提出している日系企業が多いようである。
 この書類の目的は、移転価格の経済分析をして、対象の関連者間の取引価格が適正であることを検証するもので、比較企業の平均的な営業利益率の幅に納まっていれば適格であると判定される。またこれらの文書は、移転価格に精通した専門家によって作成され、必要に応じ提出する必要がある。 
『主要文書の内容』 
事業概要、組織図、規則で定められている全ての文書、算定方法及び選択理由、他の方法を選択しなかった理由の説明、関連者取引の説明、比較企業と比較性の判断及び調整を行ったかの説明、価格設定において用いた経済分析及び予測値の説明、価格算定に影響を与えた後発事象の説明、同時文書の項目一覧。

注5)移転価格の算定方法・・・棚卸資産の販売の場合
①基本三法   
A.独立価格比準法(CUP法) ・・・ 第三者に対して同種・同条件で売買する価格を適正価格とする
B.再販売価格基準法(RP法) ・・・ 買い手が、第三者に再販する場合の価格から通常の利潤(売上利益)を控除した価格を適正価格とする
C.原価基準法(CP法) ・・・ 売り手が原価の額に通常の利潤を加算した価格を適正価格とする
②利益分割法(PSM法) ・・・ 国外関連者との間の利益貢献度に応じて利益を分配する方法
③取引単位営業利益法(TNMM法) ・・・ 1つの関連者間取引から生ずる営業利益を、適切な基準で測定し、関連者が第三者間取引で得るであろう営業利益と比較する方法
④利益比準法(CPM法) ・・・ 同業他社の営業利益率を参照して適正価格を決める方法

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租税条約上の移転価格税制に関する定め

2012-11-23 18:35:23 | 達人経理マンへの道

1.米国での時効について

 原則3年(調査により、所得が25%以上増加した場合は6年)ということになっているのだが、実務上IRSが時効を適用しない形での運用を行う場合があり(繰越欠損金の控除が20年間適用などを楯にとり・・・)、過去に日米相互協議がやり辛い経緯があった。
 そこで2004年7月施行の新日米租税条約において、7年間という更正期間制限が設けられた。これにより延滞税も7年間以上は遡れないことになる。但しIRSが調査を7年間出来なかったことが、その企業の作為又は不作為に帰せられる場合や不正に租税免れた場合には、この期間制限は適用されないことになる。 

2.両国がOECDのガイドラインに従って調査を行い、事前確認申請の内容を審査する

3.日本の親会社は、IRSに資料提供する義務がある

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喫煙者から見た嫌な喫煙者

2012-11-22 18:34:31 | ひとりごと

 2002年10月1日に、東京都千代田区が、路上喫煙禁止条例を施行したのを皮切りに、その輪はどんどん日本全土の自治体に広まり、最近では今まで全く禁煙とは無関係だった田舎でさえ、堂々と煙草を吸える場所が少なくなってしまった。お陰で、喫煙者はいつの間にか、煙草嫌いの人々に、犯罪者のような目で見られるようになり、高額納税者でありながらも、誠に肩身の狭い思いを強いられている。ただ禁止禁止も結構であるが、せめてところどころに分かりやすい喫煙場所を設けてくれればいいのだが、銀座などはほとんど喫煙場所がないし、あってもどこにあるのかが全く分からない。

 喫煙者いじめもここまで徹底していると、もう煙草を吸うのをやめたくなるのだが、それが自治体の狙いなのだろうか。それならいっそのこと煙草の販売を禁止すればいいと思うのだが、税金収入という美味しい汁だけは手放したくないのだろう。そもそも路上禁煙運動が始ったのは、銀座の路上で歩き煙草をしている人がいて、その煙草の火が子供の目を直撃して、失明させてしまったということが原因だと言う。確かに歩き煙草や混雑している場所での喫煙などには私も大反対なのだが、もうすでに嫌煙家たちは、どこで吸おうが煙草そのものが憎くて憎くて仕様がないというレベルに達してしまっているので、喫煙者が何を言おうと無駄な状況になってしまった。

 私はここ10年間で少しずつ喫煙量を減らし、現在煙草は1日に2~3本しか吸わない。それでも一応喫煙者であることには変りない。だから自治体をはじめとする行き過ぎた嫌煙運動と、喫煙インフラの未整備・・・というより撤去しているような現状は苦々しいと感じている。だが喫煙者から見ても嫌になるような喫煙者を時々見かけるにつれ、こんな人たちがいる限りは、喫煙者全員が嫌われ者になってしまうのだなと失望するようになった。敵は嫌煙者なのではなく、マナーの悪い喫煙者なのかもしれないと考えるようになった。私が感じたマナーの悪い喫煙者とは、次に挙げるような喫煙者である。

車の中で煙草を吸う人、ましてや火のついた吸殻を、車窓から投げ捨てる人は最悪。
混雑していようがいまいが、路上で歩き煙草をしている人。
携帯用の灰皿を持たずに、灰や吸殻を地面にポイ捨てしている人。
喫煙所で煙草を吸っているのに、灰皿から離れた場所で吸い、散々灰を撒き散らしている人。これはなぜか若い人に多いようである。
喫煙所に子供を連れて来て煙草を吸っている人。少なくとも子供と一緒のときは、煙草なんて吸うべきではないと思うのだが・・・。
風が強い日に、マンションのベランダで煙草を吸っている人。火事になったらとは、考えないのだろうか。

 とにかくこうした人たちがいる限りは、喫煙者は永遠に犯罪者扱いされてしまうのだろうな・・・。そう思いながらも、僅か1日2~3本の煙草がやめられないんだね。

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日米間APAの具体例

2012-11-19 14:30:13 | 達人経理マンへの道

1.APA(事前確認)の申請について

 APA(Advance Pricing Arrangement)とは、移転価格税制で課税される前に、相手国の税務当局と国税庁に対して相互協議で独立企業間価格の調整を行ってもらうための事前申請手続きである。
 その効果として・・・対象期間中に相互協議で決定された価額(利益率)レンジの中で取引がなされれば、移転価格税制に抵触しないこととなり、どちらの国からも課税されないこととなる。またAPA申請期間中は国税局の税務調査による寄付金課税も緩和または凍結されることになる。       
『具体例』
 2003年3月期より米国子会社が赤字化し、米国税務当局からの移転価格課税防御のため 2008年6月、日米同時にAPA申請を行った。その後当局への書類提出・審査、関係者間の打合せ等を経て、ほぼ予定通り日米相互協議が終了した。

2.日米相互協議の主な合意内容

①対象期間 6年+ロールバック1年=7年間が対象となる(主な租税条約上の時効が7年) その決算期の申告期限が申請初年度となる
     
②対象取引 米国子会社へ販売する製品及び商品、予備部品等の有形資産取引

③独立企業間価格の算定方法(TPM Transfer Pricing Method )
 ●米国側 CPM法(comparable profit method利益比準法)
  CPM法は、対象会社全体の営業利益率で独立企業間価格が適正なのかを判定する
 ●日本側 TNMM法(Transactional Net Margin Method取引単位営業利益法)
  TNMM法は、対象となった取引部分を集約したPLの営業利益率を使用する。 どちらも営業利益率を目安とするなど基本構造が似ているため、双方余りこだわりがない

④営業利益率
 米国子会社の対象期間中の累計営業利益率が、2%~6%のレンジ内であること(商社の場合)。 孫会社を含まない、米国子会社単体PLより、営業外取引とみなされるもの(リストラ費用、訴訟費用等の一部等)を除外して計算する。

⑤補償調整
 対象期間中の米国子会社の累計営業利益率が、2%~6%のレンジ内で納まった場合は調整しない(国税庁はなるべく最低レンジ前後での着地を望んでいる) 米国子会社累計営業利益率が2%未満の場合は、2%に達するまでの金額を日本で費用・米国で収入処理する。
 米国子会社累計営業利益率が6%超の場合は、6%を超える金額を、米国で費用・日本で収入処理する。
 原則としてこの処理は、対象期間の終了事業年度に行う。
 最終年度の2013年3月に会計伝票を1枚入れて送金(相殺)処理する方法と、税務申告調整する方法があるが、税務申告調整は日米での手続きが煩雑なため、伝票処理が望ましいと国税庁の担当官が話していた。

⑥重要な前提条件
 対象取引に関して、日本国親会社と米国子会社の事業活動や機能、負担しているリスク、使用資産、財務・税務処理方法が申請時と大きく変わらないこと。
 具体的には、商社である海外子会社で、研究開発や製造を行うなどの大幅な事業変更等があった場合は、再度レンジの見直しや取り消しが行われるということである。

3.APA締結後の実務処理

①米国子会社の累計営業利益率が、最低レンジ2%に到達するための方策を検討する    
 米国子会社独自の収益改善
 対象期間に限定した、日本からの輸出価格の値下げ(対象期間後、元に戻しても国税庁は了解とのこと)

②毎年「年次報告書」を提出し、国税庁から質問や資料の追加提出を求められる。また当然のことながら、最終年度まで重大な事業変更等や仮装隠蔽等を行わないことが求められる。 

③さらに2013年3月以降も継続してAPA申請をする場合は、再度税理士法人から見積もり(今回の6~7割の費用)が提出され、それから3ヶ月以内をめどに再契約するという流れとなる。

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移転価格税制上の「無形の取引」の考え方

2012-11-16 17:01:09 | 達人経理マンへの道

 移転価格税制では、有形の製品・商品の販売価格や購入価格だけが対象になるだけではなく、次のような無形の取引等も対象になるので要注意である。

1.ロイヤルティー
1) 特許権・工業所有権及びこれらに順ずる製造ノウハウ等の使用許諾による使用料        
 原則として関連者間あるいは業務提携者間においてのみ存在する取引のため、公平な独立価格比準法の採用は困難であり、再販売価格基準法にもなじまない。   
 どちらかといえば、原価基準法の適用が望ましいのだが、工業所有権等は、長期間に亘る研究開発の成果であり、そこには成功もあり、失敗もあり、間接費用もあり、さらに主々の成果物に係るコスト配分等もあり、その原価算定には技術的に非常な困難を伴うことになる。 

 ロイヤルティーの計算については、実務的には当該工業所有権を含む製品を子会社等で販売したときに、その売上高等に一定の料率を乗じる方法が多く。その料率は統計的に同種の権利使用の場合の平均値を用いるのが安全である。また料率変更時の更正例が多いので、確実に立証できない限り変更は非常に困難である。     
 国によっては、ロイヤルティー部分が子会社等の利益に貢献していると考える場合がある。従ってロイヤルティーの支払によって通常より売上増・利益増に繋がっている根拠を示す必要もあるだろう。

2)  ロイヤルティーの料率に実質的な上限がある場合        
  国によっては、規制があって一定料率以上のロイヤルティーが認められない場合がある。その場合は、その規制料率を超える部分は製品輸出価格等に上乗せしておく方法をとっている会社もある。 

3) 工業所有権等以外のロイヤルティー
 ブランドロイヤルティー、独占販売権ロイヤルティーなどがある。

2.人的役務の対価        
 親会社が子会社に対して行う「経営指導」、「管理」、「助言」、「情報提供」、「リサーチ」、「代行業務」        
 原価基準法によりにより、人的役務に係る総コストに5%程度のマージンを上乗せしている例が多い。        
  これらについては、契約書(覚書)だけではなく、実際の工数計算表・経費の領収書等、成果物(レポート等)の保管も必要となるので、安易に行わないこと。また前期以前は対価を得ておらず、当期に急に対価を得るようになった場合などは、なぜ急に変ったのかなどの理由を明確にしておくこと。        

3.研究開発費の負担の正当性
 通常子会社等が親会社等から受ける技術やノウハウ等を用いることによる利便性については、ロイヤルティーとしての対価に含まれていると解釈されるため、重複して請求することは非常に難しい。
 もし子会社等が、親会社に対して委託研究開発を依頼した場合には、ロイヤルティーとは別に上記2に準じた役務の対価とされ、親会社が「委託された研究開発の役務提供料」を収受しても問題はない。但し当然その成果物は対価を支払う子会社等に属することになる。

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移転価格ポリシーの策定方法

2012-11-12 11:37:15 | 達人経理マンへの道

 では経理部で行う移転価格ポリシーの策定とは、一体どのようなことをすればよいのかを、以下に簡単にまとめておこう。

1.基本情報の収集

1)移転価格税制の適用対象となる取引相手と取引内容等の把握
 国外にある親会社、子会社、孫会社、兄弟会社、実質支配会社
  「グループ企業全体の資本相関図」(貸付・保証等も加える)を作成する
  「グループ企業全体の取引相関図」を作成する 
  「グループ企業間の商流図」を作成する

2)移転価格税制の対象取引   
 原則として国外関連者との全ての取引   
 第三者経由の取引でも、国外関連者との間で価格の決定等がなされている場合などは対象となる
  親会社→貿易商社→海外子会社   
  三国間取引など

3)書類の整備   
  海外子会社別の業績推移表(過去10年程度)と直近BS主項目の金額など
  海外子会社別の売掛金・買掛金・在庫回転率
  海外子会社との契約書等(体系的に整理・保管)
  海外子会社の組織図
  海外子会社別の出向者人件費負担割合

2.機能とリスクの洗い出し
  各子会社のグループ内での位置付け(機能)と潜在的リスク
  対価の授受のない取引内訳とその理由
  売掛金・買掛金・在庫回転率が極めて悪い場合は、無利息融資とみなされる

3.対価決定のプロセスなど
  輸出価格の決定方法など(いつ誰がどのような基準で)
  ロイヤリティーの内容とその算出基準
  設備売却の内容と売却価額の算出基準
  役務対価の負担元を整理

4.経済分析など
  国別・産業別の平均的な経営指標の収集・分析・当社との乖離の理由など
  不採算機種を廃止しない理由、間接価値の分析
  親会社単体で、仕向け先別PLなどの作成をしておく

5.同時文書
  海外子会社で作成している同時文書(ドキュメンテーション、スタディー)を収集する
  日本版同時文書の検討(子会社との整合性、とりあえず出来る部分に絞ってもよい)

 

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移転価格税制への実務対応

2012-11-09 20:20:14 | 達人経理マンへの道

 移転価格税制では、独立企業間価格が基準となると述べたが、頭のよい人ならすぐに、では実際にその独立企業間価格をどうやって算定するのだという疑問を持つだろう。実に良い疑問である。現実的には全ての仕様において完璧に同一の製品が存在することはあり得ないし、製品ごとの個別取引について、それが適正か否かなどの判定をすることは実務上不可能である。従って運用上は「会社全体」又は「企業が管理会計上分類しているPL区分」ごとの営業利益またはその利益率などで判断することが通例になっている。そして自社の利益率が適正だと主張するためには、国際的な企業の経済データーベースで標準的な利益率を算定して比較検討しておく必要があるのだ。

 結局は移転価格調査に入られる前に、日本と相手国の税務当局にAPA(事前申請)を同時に行い、税務リスクを回避する方法が有力となるのだが、国際的経済データーベースを持たない一般企業独自では困難であり、結局KPMG等の大手会計事務所に依頼することになる。だが上場会社なら最低でも約1億円程度の手数料を会計事務所から請求され、そのうえかなりの資料集めや当局とのやりとりは、申請会社自身が行うことになるため膨大な工数を必要とする。場合によっては税金として支払ったほうが得な場合もあるので、APAを申請する場合は事前に社内で十分な検討が必要となる。
 先に述べたとおり、移転価格の対象取引と対象者がからむ国際的な税務なので、「税」という名は付くものの経理部だけで対処できるものではなく、経営者・企画部・海外子会社・営業部・海外事業部・会計事務所などが一体となって戦わなくてはならない。従ってその役割分担を定めておく必要がある。

「役割分担例」
経理部:各国税制概略の把握、日本での移転価格税制研究、移転価格ポリシー・日本版同時文書等の骨子作成、関連部署へ税務情報のアナウンス、移転価格税制の総合事務局
経営者:移転価格税制の理解とグループ会社の役割・利益方針決定、社内外で発生する会計・税務リスク等の掌握
企画部:経営計画、子会社業績管理などの運用面にて、移転価格税制を考慮する
営業部、海外事業部:子会社との輸出(ロイヤリティー含む)・輸入品の価格の決め方をルール化し文書化しておくこと
海外子会社:各国の税務事情の情報収集・研究と、子会社側の提出資料の作成・海外税務当局との折衝など

「注意事項」
子会社からの配当 
 たとえ子会社から十分な配当を得ているとしても、それは通常の取引ではなく、投資に対するリターンに過ぎないため、移転価格税制の適用にはなんら影響を及ぼすものではない。従って、子会社側が経営成績を上げようと過度な利益を毎年計上し、それを「配当で支払えば良いだろう」といった考え方は廃止すべきである。(子会社が強い場合) 

寄付金課税との関連性 
 寄付金課税という制度は、日本にしか存在しない制度である。また国外関連者への寄付金は、交際費同様100%損金不算入となり、取引した子会社では関与しないため二重課税となる。一方、移転価格税制では、日本で損金不算入となれば、海外子会社等で損金算入となり、税率差はあるものの二重課税とはならない。(税金がどちらの国に所属するかということ)   ただ日本の税務調査現場では、国際間の調整がからむ面倒な移転価格税制としては扱わず、確実に税金を回収出来る寄付金課税に持っていく風潮がある。     従って、簡単に寄付金課税を受けず、場合によっては「移転価格税制」として扱ってもらい海外当局との相互協議を目指すという手段もある。そのためには、寄付金と移転価格の違いをしっかりと見定めておかねばならないだろう。 
「法人税法の寄付金の定義」
 「寄附金、きょ出金、見舞金その他いずれの名義をもってするかを問わず、内国法人が金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与をした場合の金銭若しくは金銭以外の資産又は経済的な利益の額(その供与の時の価額による。)をいう。ただし、広告宣伝費、交際費及び福利厚生費とされるべきものを除く」と定義されている

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移転価格税制って何なの?

2012-11-06 18:43:08 | 達人経理マンへの道

 なるべく難しい話はしたくなかったのだが、だんだんネタ切れになってきたこともあり、時折こうした話を挿入しなくてはならなくなってしまったのが悲しいな。ただ興味のある人には決して無駄な話ではないので、辛抱強く読み続けてくれれば嬉しいね。またなるべく平易な文章で綴って行きたいと考えているので、退屈な話かもしれないが、何度かに分けて掲載することをお許し願いたい。

 さて海外に子会社を持っている会社の経理マンなら、移転価格税制という言葉を聞いたことがあると思うが、移転価格税制という気難しい名称の税制とは一体何なのだろうか。その定義としては、一般的には次のように堅苦しく記載されているはずである。

 企業が海外の関連企業との取引価格(移転価格)を通常の価格と異なる金額に設定すれば、一方の利益を他方に移転することが可能となる。 移転価格税制とは、このような海外の関連企業との間の取引を通じる所得の海外移転を防止するため、その移転価格を通常の取引価格(「独立企業間価格」)に引き直して課税する制度である。

 ぶっちゃけて言えば、通常100円で売っている商品を、海外子会社には80円で売ったとしよう。そうすると日本の親会社では、通常より20円だけ利益が少なくなり、その結果として日本で課税される税金も少なくなってしまう。逆に言えば、その商品を安く仕入れた海外子会社のほうは、20円分利益が増加することになり、その結果として外国の税収が増加することに繋がってしまう。それでは親会社側の国は損をしてしまうので、独立企業間価格と呼ばれる通常の取引価格との差額に対して課税してしまおうという変な制度なのである。

 つまり本音は国同士の税金(ショバ代)争奪戦であり、始末の悪いことに、国によって運用面でかなり異なるのが、この税制を複雑にしている原因でもある。だから税制と言うよりは、国際外交戦略と言い変えたほうがよいかもしれない。
 まあそんな訳だから、とてもじゃないが経理マン一人だけでは手に負えない制度なのである。では経理マンはいつ何をすればよいのか、そして独立企業間価格とは具体的にどのように算定されるのか等については、おいおい書いてゆきたいと思っているので、次回以降を是非ご期待あれ。

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マンガが大好きだったあの頃

2012-11-04 13:03:50 | たそがれ経理マン編

 小学生の頃から勉強は大嫌いだったのに、マンガが好きで好きでたまらなかった。私たちの親世代は、マンガは子供の読むもので、くだらないものなので、なるべく読ませないほうが良い、という様な偏見に凝り固まっていた。従って私の家でも、少年』というマンガ雑誌一冊だけしか購読することが許されていなかった。

 だが現代のような週刊マンガ雑誌はなく、月刊雑誌だけだったため、たとえ付録が沢山付いていても、とてもじゃないが1ヶ月に一冊だけの雑誌だけを待ってはいられない。当時月間マンガ誌は『少年』のほかにも、『少年画報』、『冒険王』、『ぼくら』、『少年ブック』などが発行されていた。それでこれらの全てを、近くの貸本屋で借りて読むことを決意したのだが、親はたとえ貸本であっても、『少年』以外は読むことを許してくれない。

 そこでまず考えたのが、服の下に借りたマンガ本を隠し持って家に入り、急いで二階にある自分の部屋に駆け上って行くことだった。だがこの方法は薄着の季節には出来ないし、マンガ雑誌数冊と付録本数冊をまとめて運ぶのは困難なので、すぐに諦めて別の方法を考えるしかなかった。
 そこで自宅の屋根を登って、二階の物干し台まで借りたマンガ雑誌を運び、そ知らぬ顔で帰宅して、二階の物干し台からその雑誌を回収するという方法に切り替えたのである。ところがある日、古い屋根に登っているときにメリメリと音がし始め足場を失いかけた時、もしや泥棒かと勘違いした母がいきなり飛び出してきたのだ。私は必死になって屋根にへばりついたままじっと身を伏せていた。母はしばらく表の様子をみていたが、「ネズミかもしれないね」とブツブツ言いながら、やっと家の中に引き返した。だが、私は九死に一生を得た気分で、額は汗でびっしょりになっていた。

 それ以来、屋根を登って本を運ぶ方法もやめ、今度は妹に頼んで「紐で結んだダンボール箱に雑誌を入れ、それを二階の窓から引っ張ってもらう方法」に切り替えることにした。これが一番簡単で安全な方法だったのだが、口止め料として少女雑誌も一緒に借りてこなければならなかったのが悔しかった。ただ読んでいるうちに、一部の少女マンガがだんだん面白くなってきたことも否めない。そのマンガは『リボンの騎士』と『ペスよ尾をふれ』だったことは今でも記憶の中で生きているから面白いよね。

 そんな状況で、狂ったようにマンガを読み漁っていたわけだが、読むだけでは飽き足らず、自分自身でもマンガを描いていた。それらのほとんどは、横山光輝や白土三平の真似をしたロボットマンガや忍者マンガだったのだが、クラスメイトたちの中で回し読みされていたのは嬉しかった。だから将来はマンガ家になりたいとも考えていたのだが、その頃のマンガ家は、現在のように確立された市民権を得て居らず、高校へ進学する頃には、次第に現実的な選択肢から外れてしまった。そしていつの間にか、マンガ家志望から一転、経理マンへの転身。自分でも信じられない方向転換であるが、そこに行き着くまでには、いろいろなことがあったのである。まあそのことについては、おいおい話す機会もあるかもしれないけれどね・・・。

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