経理・経理・経理マンの巣窟

大・中・小あらゆる企業で経理実務経験約40年の蔵研人が、本音で語る新感覚の読み物風の経理ノウハウブログです

大相撲、遠藤の貢献度

2015-09-30 11:35:58 | ひとりごと

 大相撲秋場所は珍しく白鵬が休場し、どんぐりの背比べ状況だったが、逆に日本人力士にも優勝する可能性が湧いて面白かった。とは言っても結局は14日目に稀勢の里と勢が共に敗れて4敗となり、モンゴル出身力士同士の優勝決定戦となってしまいちょっと白けてしまった。どうして日本人は最後の踏ん張りが利かないのだろうか、またまたいつも通り裏切られて悲しくなる。
 白鵬をはじめ二横綱が不在で、優勝ラインが三敗と言う低いハードルにもかかわらず、誰も優勝できる日本人力士がいないのだから、話にもならない。もう昭和生まれの日本人力士には、全く期待できないことがはっきりと分かった。
 それでは平成2年生まれで人気ナンバーワンの『遠藤』くんはどうだろうか。秋場所は前頭七枚目で、前半は好調を感じさせてくれたのだが、惜しいかなギリギリ勝ち越しの8勝で終わってしまった。どうも人気ばかり先行していて、なかなか突出することがない。結局彼の落ち着きどころは、前頭の真ん中あたりなのだろうか。

 やはり巨大化傾向にある現代力士の中では、さほど大きくない遠藤くんに過度の期待を抱いてはいけないのかもしれない。・・・だがそれは考え違いと言うもの。既に彼は大相撲界に大貢献しているのである。
 それは彼自身の活躍ではなく、いままでプロの力士になることを躊躇っていたアマ力士たちが、最近になってどんどん大相撲の力士に転身しているからである。つまり今まで大相撲界を毛嫌いしていたアマ力士のママたちが、遠藤の知名度と人気に驚き、遠藤とそれほど変わらない自分の息子なら、遠藤のように超人気者になるはずだと信じて、息子のプロ入りを許すようになったからではあるまいか。
 
 今、十両の大道改め御嶽海や正代直也をはじめとして、幕下以下にも将来有望な若手力士がひしめいている。彼等のほとんどが学生横綱またはアマ横綱などの経験者である。すでにほとんどの人が大学へ進学している日本人。だから子供の頃から厳しい相撲部屋に入門するというパターンは難しくなってしまったし非現実的である。これからは遠藤のような大学卒またはそれに準ずる力士が活躍する時代なのかもしれない。そしてその先陣を切って、日本のママたちの既成概念を洗脳してくれたのが、『遠藤』さまさまだったのである。

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本社移転で嫌気がさす

2015-09-23 17:20:37 | たそがれ経理マン編

 私が30代に中途入社した上場会社は、戦前から千代田区に自前の本社社屋を保有していた。それまで零細・中小企業を渡り歩き、純粋な経理だけではなく、あらゆる事務作業に精通していた私だったが、二人の子供が成長しもう今までのように簡単に転職する訳にはゆかない。それにこの歳で上場企業に入社できたこと自体が奇跡である。とにかくこの会社に骨を埋める覚悟で、死に物狂いでがんばろうと決心した。

 それから14年後、私が本社経理課長に昇進して数年が経過していた頃のことである。バブル崩壊の対抗策として、「本社を地方都市にある工場敷地内に移転しよう」という話が再浮上した。そして千代田区にある本社跡地は他社に賃貸し、少しでも利益に貢献させようとする計画であった。以前から何度も議論されていた話で新鮮味はなかったが、まあそれはそれで筋の通った話なので仕方がないと覚悟していたのだが、途中で話が急に歪曲し始めたのである。

 つまり本社から移動するのは、人事部、総務部、経理部の中の経理課だけだと言うのだ。そして営業部、海外部、経営企画部、社長・会長をはじめとするトップ役員と、経理部の中の資金課は移動しないと言う中途半端な話になっていたのである。
 冗談じゃない。人事部、総務部、経理課だけのわずか10名程度が移動して、何が本社移転だ!!。これでは本社跡地は他社に賃貸など出来ないし、移動する部署も残る部署も不便になるだけで、何もメリットがないではないか。

 私は激高し、総務課長と二人でこのバカバカしい移転計画に反対を表明し、デメリットを書き連ねた文書を、専務常務や直属の役員に提出した。
 そもそも、経理課としては東京を離れることにより、会計監査、国税調査などに支障をきたすほか、セミナー参加や専門書の入手さえ困難になり不便この上ないが、全部署が移動になるのなら仕方がないと考えていた。しかしこんな形の移動では納得でき兼ねる。ことに同じ経理部の資金課とはお互いに協力し合っており、それぞれが作成している手書き伝票がなければ仕事にならないではないか。まだ電子化の進んでいない時代である。手書き作業がかなり残っており、これらを一朝一夕に電子化することは不可能だった。つまり伝票を宅配便で行ったり来たりさせるより手はなかったのである。

 結局は私が役員たちに提出した「移転デメリット文書」は黙殺されてしまった。役員たちはトップの社長・会長にこの文書を見せたがノーと言われたのか、自分自身の保身のため握り潰してしまったのかは不明のままだ。
 そして「会社が決めたことだから従ってもらうしかない」と、従わなければ処分するぞと言外に漂わせた解答にならない回答が戻ってきたのである。

 こうしてまず人事部が先行して工場へ移動していった。私は最後の抵抗として、決算が終了するまでは絶対動かなかった。そして決算も終わり、すでに総務部も移動していた。経理課は6人だったが、総合職ではない女性たちは移動しないため、たった3名の移動である。
 荷造りが完了し、本社に残る部署への挨拶回りを終えたとき、急に虚しさが私の心を襲ってきた。そしてこのときに、この会社に対する愛情と信頼感が消失してしまったのかもしれない。それから数年後に募集された「希望退職」に手を上げてしまったのである。

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きりのない軽減税率論争

2015-09-08 11:19:43 | 経済ニュース編

 やっと動き出したかなと思ったら、余りにもいい加減な消費税軽減税率の代替案が飛び出してきた。そして軽減税率を見送り代替案を創った経緯が非常に酷い。なんと麻生財務相に言わせると、「面倒くさいから」というふざけた理由なのである。

 その『面倒くさい代替案』の中味を簡単にまとめると次のようになる。
増税差額相当額を所得に応じて消費額を推計し、増税相当額を計算して還付するというもので、この方法は前回増税の際に提案された低所得者に対する一律還付と全く同じ手法である。(その後所得の把握が難しいということで一律還付に変わった)
 それにしても、増税を18月繰り延べ軽減税率の検討期間も延長したのに、その間政府や官僚は一体何をしていたのか。税金泥棒!と大声で叫びたくなってしまうではないか。

さらに推計で還付額を計算するのは不公平だと批判されると、それをかわすように、今度は将来予定されているマイナンバー制を利用して、実際の買い物額を計算するのだと言うのだ。
 冗談じゃない。バカも休み休みにして欲しい。まだ本当に実施出来るかどうかも分からんマイナンバー制に、そんな重大な期待をしてもはじまらないぞ。また百歩譲って万一実施されたとしても、インフラ等の整備が追い付かないし、買い物のたびにマイナンバーカードの提示なんていうのも非現実的である。(住基ネットさえ、導入から12年以上が経過し、導入費用に約400億円も費やしたにも関わらず、住基カードの普及率はいまだに約5%程度に留まっているのだ)

 結局は代替案のほうが遥かに面倒くさいし、後付け還付では値ごろ感が悪く消費に結びつかない。さらには企業や地方自治体等の人件費が大幅増加することも目に見えているではないか・・・。
 さてさて文句だけなら誰でも言える、じゃあお前ならどうするのだ?と問われるかもしれない。もちろん批判する以上は、それなりの解決案は持っているに決まっている。

 そもそも欧州のVATが多段階税率で構成されているのに、なぜ日本では実施できないのだろうか。それは欧州では買い物の都度、インボイスを発行してVATを個別管理するシステムを構築しているからである。
 ところが当初我が国は強引に消費税を導入したため、欧州のようなきめ細かな仕組みをとらず、第二法人税的とも言えるやっつけな仕組みでこの税制を構築してしまったのだ。

 だがあくまでもこの仕組みは一時しのぎであり、いずれは多段階税率にするためにインボイス方式を採用するつもりだったはずである。ところがいつの間にか、1989年の消費税法施行から26年も経過してしまい、その間政府が何もしないまま放置していたため、一時しのぎだった現行システムが企業や国民に完全に根付いてしまったのだ。
 そしてもう、いまさらインボイス方式はとれなくなってしまった。しかしだからと言って増税しないわけにもいかない、と言うジレンマに陥ってしまったのである。たぶん麻生財務省の面倒くさいとは、このあたりの経緯を理解し、分かり易くかつ誤解のなきよう、国民に説明することが出来ないと言うことなのであろう。

 それではそろそろ結論を急ごう。私に言わせれば、多段階税率もインボイス方式も必要とせず、現行のシステムもほとんど変更することもなく、消費税率をアップさせ、かつ生活必要品等には税負担をさせない方法があるのだ。
 まず以下の現行の非課税取引をざっと見て欲しい。
(1) 土地の譲渡及び貸付け
(2) 有価証券等の譲渡
(3) 支払手段の譲渡
(4) 預貯金の利子及び保険料を対価とする役務の提供等
(5) 日本郵便株式会社などが行う郵便切手類の譲渡、印紙の売渡し場所における印紙の譲渡及び地方公共団体などが行う証紙の譲渡
(6) 商品券、プリペイドカードなどの物品切手等の譲渡
(7) 国等が行う一定の事務に係る役務の提供
(8) 外国為替業務に係る役務の提供
(9) 社会保険医療の給付等
(10) 介護保険サービスの提供
(11) 社会福祉事業等によるサービスの提供
(12) 助産
(13) 火葬料や埋葬料を対価とする役務の提供
(14) 一定の身体障害者用物品の譲渡や貸付け
(15) 学校教育
(16) 教科用図書の譲渡
(17) 住宅の貸付け

 現在でもこれだけの非課税取引があり、この非課税取引に対する処理方法は既にシステム化されている。従ってこれに今後以下のような生活必需品等を新しい非課税取引として認知・追加すればそれで良いのだ。
 以前にも本ブログにて同様の提案をしたことがあるが、実に簡単ではないか。政治家や官僚の皆さん!是非ご一読あれ。
新・非課税取引案
1.電車、バス、飛行機などの運賃
2.電話、電気、ガス、水道、郵便料金などの公共料金
3.住居用建物の譲渡
4.医薬品、美容整形以外の自費診療
5.新聞、書籍、雑誌
6.食料品全般とすると、その区分が煩雑となり実務的ではないので、ほとんど加工をしていない生鮮食料品の譲渡に限定する(米・野菜・肉・魚・果物など限定列挙する)
 ほかにもまだあるかもしれないが、少なくともこれらの品目は、欧州でも非課税あるいは軽減税率としているところが多い。また国民感情的にも納得出来るし、システムなども混乱させないシンプルな取引品目ではないだろうか。とにかくやたら複雑で、判断の難しい軽減品目範囲の設定や、多段階率は誰も望んでいない。ここは政府の柔軟な対応を期待したいものである。

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