経理・経理・経理マンの巣窟

大・中・小あらゆる企業で経理実務経験約40年の蔵研人が、本音で語る新感覚の読み物風の経理ノウハウブログです

白鵬と稀勢の里

2017-11-26 20:05:19 | ひとりごと

 日馬富士事件の影響と休場者続出のためか、かなり白けてしまった九州場所も、予想通り白鵬の優勝で幕を閉じた。これで白鵬の優勝は40回の大台に乗り、来場所も向かうところ敵なしの状況が続くことだろう。
 ただ11日目に嘉風に敗れた後も土俵に上がらないなど、大横綱にあるまじき態度や、優勝インタビューで観客に万歳三唱を要求するなど、大相撲史上に例のない奇行の数々には、かなり疑問を感じてしまうのである。だから国籍は関係なく、この大横綱を余り好きになれないのだ。
 また立ち合いの変化や乱暴なかちあげなどについて、横綱らしくないと批判する相撲ファンが多い。だが私自身は、それは白鵬の勝負に対する執着心と研究熱心さの表出なのだと前向きに評価したいし、怪我が少ないのも日頃の鍛錬の賜物なのだと褒めてやりたい。

 一方で私が応援している稀勢の里なのだが、無口で真面目で常にガチンコなところが、彼の最大の魅力と言えよう。ところが横綱になった途端に大怪我をしてしまい、その場所に奇跡的な優勝はしたものの、無理に出場したお蔭でその後4連続休場や、史上ワーストに並ぶ1場所5個目の金星を配給してしまったのである。
 ことに今場所の稀勢の里の相撲を観ていると、怪我の影響というより、稽古不足と心理的な脆弱さ、頑固一途で研究不足であることがプンプンと臭ってくるのだ。とにかく負けたくないとビビルだけの酷い相撲ぶりだ。負けてもいいから、立ち合いにもっと踏み込んで、積極的に攻めて行かねば今の彼には勝機はない。受けるだけの横綱相撲を取っている場合ではないのだ。
 さらにはいつも同じ相手に敗れているし、特に今場所は連敗ぐせも直せなかった。もし来場所もこのような状況が続けば、残念だが当然『引退』という二文字が押し寄せてくるはずだ。だから是非とも負けを恐れず、もっと反省と研究を重ねて、積極的に攻める相撲に徹してもらいたいのである。

 そんな訳で来年は、暴行事件を起こしてしまった日馬富士、稀勢の里と同様に休場常連組となった鶴竜も含めて三横綱が同時に引退する、という最悪の事態も考えられるではないか。いずれにせよ、横綱への昇進基準が甘いのではないだろうか・・・。もっともこれは現在の横綱に限ったことではなく、昔から横綱らしくない横綱は大勢いた。
 戦後横綱に昇進したのは34人だが、私が本物の横綱だと感じたのは、残念ながら栃錦・若乃花(初代)・大鵬・輪島・北の湖・千代の富士・曙・貴乃花・武蔵丸・朝青龍・白鵬の11人に過ぎない。(但し成績面だけで、品格面は考慮していない)

 大相撲の話に終始してしまったが、稽古(復習)・研究(予習)・積極的な前向き思考と行動力が必須なのは、決して力士だけではない。そう我々経理マンいやサラリーマンも学生も皆同様なのではないだろうか。

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日本の立ち位置

2017-11-06 11:48:25 | 経済ニュース編

 ここのところタカタ、三菱自動車、東芝等に続いて、神戸製鋼、日産自動車、商工中金、スバルと名だたる日本企業の不正が相次いでいる。さらにこれらは氷山の一角に過ぎない、と指摘する評論家さえ現れる始末だ。
 経済力では中国に追い抜かれ、技術力では欧米に追い付かず、軍事力でも米国頼みで怯え続けている日本。こんなひ弱になってしまった日本にも、唯一誇ることが出来たのが、製品の安全性と品質の高さだった。ところが最近になって、そのたったひとつ世界に誇れる長所にも、様々な綻びが見え始めたということである。

 これは一体どうしたことであろうか。先人たちが長年かけて血と汗を流して築いてきた『信頼』を、たった一夜でドブに投げ捨ててしまったようなものではないか。
 これらの不正雪崩現象は、団塊の世代が大量に退職したことにより、現場での経験豊富な人材が不足してしまったこと。また国際的な会計システムやコスト削減の要求が年々厳しくなる中で、会計水準や製品の品質を一定水準に保つことが難しくなってしまったからではないだろうか。
 つまり諸悪の根幹は、業績の向上だけに血眼になり、現場の悲惨な状況を無視し続けた経営者たちの経営能力の低下と言えよう。取締役たちが2年間という短期間の任期中に、画期的な業績向上など果たせる訳もなく、ただ目先の経費削減と非正規社員化だけに飛びついた結果なのである。

 今後これらの状況を打破するには、価格競争ばかりに血眼になるのではなく、多少値上げしても良いから『完璧な品質向上体制』を維持できるシステムづくりを行うと同時に、経営者たちの『経営発想の転換』を促し、長期的ビジョンによる経営手法を確立するしか道はないだろう。
 それにはまずドイツ製品を見習うことが肝要だ。ドイツ製品は決して安くはないし、製品の種類も多くはないが、こと品質に関しては文句なく世界一である。

 もちろん価格設定と目先の派手さや流行も必要ではあるが、何と言ってもそれらは『品質』の裏付けがあってこそなのだ。いずれにせよ今回の一連の不正事件は、ものごとの本質を忘れてしまい、目先の利益ばかりに拘り過ぎた経営者たちの失態であることは間違いのない事実である。
 これからの日本を支えてゆくために、経営者たちはもう一度企業原点に戻ってもらいたい。そして先人たちが残した財産を守りながら、地道にじっくりと世界に自慢できる良品づくりに邁進して欲しいものである。

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