『 終戦記念日 』

　　　　　　　　　　　　　


今日は終戦記念日だ。　66回にもなると言う・・・　そして、日本各地で色々な催し物が執り行われた。
老い耄れ爺、終戦の年は、国民学校3年生だった。
真夏の暑い日で、近くの堤で水泳をしていた。
この堤は、八ヶ岳山麓から湧き出る冷たい水を溜めて居て入り込むとドヒャァ～～～ッとする位冷たかった。　悪餓鬼共は、堤に飛び込んでは這い上がり焼き焦がれていた石碑に体を押し付け暖を採ると言った一寸変わった振舞いをしていた・・・
冷たさで縮上がったチンボコを石碑に押し付けるとみるみる膨れ上がる！！！　戦時中の子供達の遊びといえばこの位の遊びしかなかった。
誰が聞いて来たか忘れてしまったが、堤での水遊びと石碑での暖を取る繰り返しの遊び中上級生から敗戦を聞いた！！！　
敗戦といっても国民学校3年生ではその意味合いが汲み取れる筈もなかった。　ただただ、石碑に体を押し付け冷え切った体を温めながら敗戦を知った事を覚えて居る・・・
もうもう、半世紀も前の話である。　　　

昨今のTV特集番組等に依ると無能なる指導者達が戦争へと突き進んで行ったと、報道しているがそんなに簡単な話でもなかっただろう・・・指導層と軍部との葛藤が何となく理解出来る・・・
今年、3/11、大震災に見舞われたが、第2次大戦の悲劇は大震災の比ではなかった。　大方の大都会は焼け野原！！！　田舎でさえ食うや食わずの毎日だった。
寒村に住んでいたが、食い物がなく御飯といえばジャガイモや大根の混ぜ飯で、ジャガイモや大根の中に僅かの米：玄米が泳いでいた！！！
それでもこの水団が食べれればいい方で、田舎でさえコソ泥が横行していた・・・
親友の親父が芋泥棒をして夜警に掴まったという噂話が流れると、その子は皆から袋叩きにされた！　ツルシンボウ（干し柿）泥棒は、実に、よく聞いた話だった。
学校では、確か、小学校（途中で国民学校から小学校に変わった）6年までは教科書すらなかった。　先生が謄写版で刷った教材を教科書としていた。　だからガリ版や謄写版は懐かしい！！！
こんな貧相な国が、年を追う毎に経済力を付け今日の基礎を築いて行った。
高校3年生までいや大学時代もそれ程裕福ではなかった。　どこの家でもそうだったから大変な時代が長く続いた事になる・・・
高校時代、食パンにバターやジャムを塗った2切れのパンが袋詰めされ売っていたが、怱々、買って食べられなかった記憶がある。　或る時、「おい、お前、20円貸してくれ！」と、友人から言われ、貸したが、この友人、卒業するまで20円を返してくれなかった！　20円？今でこそ屁のようなお金だが、当時、大変なお金だった。　今でもこの幻の20円を覚えて居るから十分に値打ちがあった！
某社に入社したが、職人の集まりのような会社で、技術資料らしきものは何一つなかった。
作業の標準化！、職人の頭の中にある知識を技術資料として公のモノにする等入社当時からやりたい事は山積していた！！！
察するにどこの会社も似たり寄ったり大同小異だったと聞いて居る！！！
こんな時代、QC思想が流行り出し、日科技連が幅を利かしていた。　デミング賞なるものが流行り出し、この頃を期して、日本の技術は飛躍的に向上！上向いて行く・・・そして、世界のトップ・クラスとも引けを取らないまでの力を付けて行く・・・
この当時の先輩達のパワーは、奴凄いモノだった。　何せ、敗戦素っ裸の日本を今日まで育て上げて来たパワーは計り知れないものだった。

最近、ツラツラ思うに、このような先人達が存在したにも拘らず、今の日本は、実に、ダラシナイ！！！と、思う！　
政治を見ても、官僚・行政を見ても、民間を見ても余り光るものを感じない！！！　先陣の築いた遺産の上で胡坐を描き、「難しい、大変だ！」等と泣き言を並べ後塵に負け戦を挑みつけられて居る・・・　
実に、情け無い。　　　

近年、敗戦：終戦記念日を迎える度に思うモノが出て来てしまう！

そして、先日、孫娘を連れ子供漫画映画：ポケモンを見て来たが、この世界の進化は留まる所を知らない！！！
このテクノロジー、老い耄れ等古びた知識では湧いて来ない！！！　シナリオ構成もチビッ子を引き寄せて居るのだから凄いものだ！と、思った・・・
こういう世界もある！！！　
生き続けなければならない人間様！知恵を出す時ではあるまいか？　知恵を出さなければ後塵を拝するだけになるだろう・・・　大震災を受け、厳しい国が、今、円高や株安に振り回されている。　実に変な話であるが、事実はそうだ！　欧米先進国諸国、お粗末過ぎないか？
先人達の遺産の上で胡坐を掻いて居るとこのような異常事態に陥る・・・　悲しいかな、人間の知恵、歯車が違うギヤーで噛み合い出している・・・