最近の日課は、目覚めと共に「夏櫨(なつはぜ)」に向かう。 「夏櫨」は、今、房状風鈴花をブラ提げている!!!
小さな「鈴蘭」状の花だが、想像だにしなかった流蜜が豊富に存在する事が判る。
「ハナバチ」のような吻(ふん)を持たない「スズメバチ」族でも流蜜をサックする事が出来る見え、近所に住む多くの狩蜂がやって来る!!! これに「ハナバチ」や「アシナガバチ」まで加わるから差し詰め昆虫酒場と化す!!!
実は、「夏櫨」を知ったのは、近くの植木店だった。 可愛い花を房状に咲かせていた。 実に、地味で、華々しさは微塵も感じられないが、楚々として「庭木にするといいなァ~~~」と、惚れ込み、「スガレ追ひ」時、気を付けて見て来た。 植木屋さんで買うまでもなく、山に幾らでも生えていて、根回しさえすれば何とか移植できそうだった。
2年掛りで、この植栽を計画した。
植え替え時、牛蒡根を切断した所為か?元気が無かったが、昨今では、立派な庭木として我家の庭の一角を飾っている。
植え替えして間もなく、この「夏櫨」に多くの蜂族や蟻族が、吸蜜に来ている事を発見!
それから、コマメに観察すると、これ等の昆虫にとって宝の植物なる事を見出した。
美味しい良質な蜜が出ているらしい!!!
そうでなければ、こんなに昆虫族が集まって来る筈がない!
この観察は、年々、その追求度を深めて行く!
そして、昨今では、多くの昆虫はもとより、「スズメバチ」族総てが、この流蜜を頼りに子蜂を育てている事が判明した。
我家の周辺は、住宅街だが、比較的緑が多く、色々な昆虫が生息している。 取り分け、我家は、緑が多く、「小鳥」や「スズメバチ」族の餌場となっているらしい?
今年も、「アカンバチ」「コガタスズメバチ」「ヘボ」ちゃんが毎日のようにやって来る・・・
もう、着巣は終わったと見え、専ら餌運び!吸蜜に専念している!!!
住宅街故、大型「スズメバチ」の営巣は、多くの家に不幸を齎す故、老い耄れ爺が、毎日のように女王蜂の捕獲に努めている。 こういう作業をしても、毎年、何処かで女王蜂が剝けると見え、絶滅する事はない!
今年、早くから色々なシーンが見られた!
暇さえあれば、「夏櫨」にタモを持って張り付き、女王蜂を捕獲している・・・
こういう作業が、もう、1週間近く続いている・・・
今日は、「アカンバチ」3匹、「コガタスズメバチ」6匹を捕獲した。 勿論、「ヘボ」ちゃんは捕まえない! これは、晩秋になってもそれ程悪さをしないからだ!
毎日のようにこの作業が続いている。
ここで見えて来た事は、奴さん達、子蜂を育てる最大の餌は、どうやら「花蜜」らしい事が判って来た。 「夏櫨」に5~10分おきに遣って来ている! 流蜜が多いと見え、鈴蘭花を2~3回渡り歩くともう来巣する!!! この回数が頻繁だからこういう結論が出せるのだ!
ついつい5~6年目までは、子蜂育ては、弱小昆虫のハンティングとばかり思い込んでいたが、こいう想定は外れていた!!! 子育ては、専ら、花の蜜らしい!!!
この方が効率も高いし、決められた場所から大量の餌が確保出来るという利点がある!!!
多分、山でもそうだろう・・・
これは、毎日、観察していて掴んだ情報である。
「スズメバチ」族と「夏櫨」!!!
これまで思っても見なかった組み合わせである!!!
自然界では、「夏櫨」同等の植物が、沢山、存在しているんだろう?
早春の「ジシャ」や「万作」も想像の対象だ。 放蜂時、「キイジス」が、「ジシャ」の蜜に縋り付いているのを見た。 「万作」もいい匂いを発している!!!
「ドウダン」や「赤ドウダン」も同様、「ヘボ」ちゃんを良く誘っている。が、「夏櫨」には敵わない!!!
即ち、昆虫達を誘っている証だ!
一方、「チャイロスズメバチ」や「オオスズメバチ」は、樹液に群がる!!! そして、樹液を主食にしている事も、段々、に判って来た。
こうして、自然界の摂理が徐々にではあるが、解き明かされて行く・・・