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ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

ALS闘病のFC岐阜前社長、障害者支援の新会社設立へ

2016年05月28日 02時59分28秒 | 障害者の自立

 サッカーJ2のFC岐阜の前社長で、難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)と闘病している恩田聖敬(さとし)さん(38)がインターネットで創業資金を募り、新会社を設立する。自身の知識や経験を通じて「社会の役に立てる」と、医療環境の改善や障害者支援の情報を発信する。

 ALSは身体を動かす神経が徐々に失われ、全身の筋肉がまひする原因不明の難病。進行すると、呼吸困難になり、人工呼吸器が必要になる。2014年度時点で、全国に9950人の患者がいるという。

 岐阜県出身の恩田さんは妻(37)、長女(7)、長男(5)との4人家族。京都大学大学院で航空宇宙工学を研究し、「人を喜ばせたい」とアミューズメント施設会社を経て2014年4月にFC岐阜の社長に就任し、「岐阜を盛り上げるチャンス」と意気込んだ。

 だが、そのころから右手に違和感を覚えていた。当時は深く考えず、仕事に没頭した。病名が分かってからも周囲に隠したが、症状は左手、さらに足にも現れるようになった。

 思い通りに体を動かせず、「このままでは会社のためにならない」と昨年12月、社長の座を降りた。「私が初めて出会った天職だったので、悔しかった」と振り返る。

 社長を退任した後、自分のできることをひたすら考え続けた。今年1月、インターネットのブログで自身の症状を書き始めた。

 「家族で川の字で寝る事は、今は出来ません」

 「私は、現在は何をするにも全介助です」

 ありのままの姿を発信した。ブログやSNSを通じて、同じように病気で苦しむ人がいる一方、前向きに生きる人の存在を知った。人工呼吸器を付けて全国を回る人、同じALS患者で活動している人の話を聞き、生きる力を得た。

 社長業の経験を生かし、新会社では執筆、講演、コンサルティング活動で「患者・家族が不必要な我慢をしなくて良い社会」をめざす。医療や福祉の改善に向け、ブログでも発信を続ける。「健常者と障害者の両方の体験をした自分は社会のお役に立てるのでは」

 現在はタブレット端末でブログを更新している。指を動かせないため、腕全体の力で専用のマウスボタンを押す。

 「不安は9割、楽しみは1割。社長になった時も同じだった。でも、この不安を楽しみに変えるのも仕事なんです。社会に対して、いろんな提案をしたい」

 6月26日まで創業資金として700万円をインターネットで募る。寄付の受付はジャパンギビング(http://japangiving.jp/p/4071別ウインドウで開きます)。

 写真・図版

FC岐阜前社長の恩田聖敬さん。「寄付をしていただいた方がちゃんと納得していただける会社にして、恩返しをしたい」

2016年5月27日  朝日新聞


射精介助を受ける身体障がい者、性風俗で働く女性障がい者…

2016年05月28日 02時52分15秒 | 障害者の自立

彼らの「性」の現状とは? 【『セックスと障害者』後編】

 『セックスと障害者』(イースト・プレス)の著者・坂爪真吾さんが代表理事を務める、一般社団法人ホワイトハンズの活動のひとつに、デリヘルの待機部屋に弁護士とソーシャルワーカーを派遣して、在籍女性の生活・法律相談に無料で応じる「風テラス」というものがある。
借金返済のためにデリヘル嬢になる主婦など、「女性の性と貧困」が昨今話題になっているが、「激安風俗店」には軽度の障がいを持つ女性も多いというウワサも、まことしやかに流れている。坂爪さんに真偽を確認すると、精神障がいや発達障がい、軽度の知的障がいを抱えた女性たちが、少なからず在籍していると教えてくれた。彼女たちのなかにはお金や時間の使い方、そして感情の制御が難しいことから、さまざまな問題を起こす女性もいるそうだ。だが障がいを持っている女性を風俗で働かせることに、どうしても「搾取のにおい」をかぎとってしまうのだが……。
「搾取と支援ってある意味、紙一重の部分があると思うんです。しかし店側には決して搾取の意図はなく、女性にお客さんがついて稼いでほしいと思っています。そして障がいを抱えた女性は決まった時間に起きられなかったり、集中力が持続しなかったり、薬の副作用で思うように頭や身体が動かず、人間関係をうまく築けないところがあります。そういう人が一般企業の正規雇用者になるのは難しいのが現状ですし、福祉的就労の時給は最低賃金以下というところも多い。彼女たちが働く場所として風俗が機能しているという現実は、善悪の二元論では到底語れません。だったらお客さんなどによる性暴力やストーカー、盗撮などの犯罪に巻き込まれないように、安全に安心して働くことを支援する必要があると思います。

 かつてはそういった女性たちを施設に入れて、保護する動きもありました。しかし自分にとって何が幸福かはそれぞれ違いますし、障がい者にも自分で幸せを追求する権利はあります。辞めたくて仕方がない人を無理やり働かせるのは論外ですが、性産業で働く女性を無理に辞めさせるのではなく、第三者が支援の手を差し伸べられるような仕組みを整備することで、間接的に見守ることができるはず。またそれと並行して、性産業以外の仕事場や居場所を増やすための、ソーシャル・アクションも必要なのではないでしょうか」

「障がいのある人の性を尊重することによってはじめて、障がいのある人もない人も共に生きることのできる、真の共生社会を実現するための一歩を踏み出せる」と、坂爪さんは力説する。そして同時に、日本は1970年代から40年以上も、知的障がい児の性教育に取り組んできた歴史があることから「日本は決して、障がい者の性の後進国ではない」とも語る。

 もはや乙武さんにギョッとしている場合ではないのかもしれない。その行為自体は褒められたものではないが、障がい者だって不倫もすれば浮気もする人がいて当たり前。だから何か変えるものがあるとすれば、それは健常者の意識の方かも。そういう意味でも、身近に障がい者がいる人はもちろん、いない人にとっては尚更必要な一冊と言えるだろう。

ダ・ヴィンチニュース  5月27日


発達障害 結婚「憧れと諦め」

2016年05月28日 02時40分54秒 | 障害者の自立

 独身、一人暮らしについてあれこれ考えている当欄宛てに、大阪の直美さん(37)から便りが届きました。(編集委員 森川暁子) 

 〈私も独身で、今年で37歳。きょうだいと一緒に親と同居して、なんとか助け合いながら暮らしております。29歳の時に発達障害だということがわかり、結婚するかしないか、今でも迷っています。

 現在、アルバイトの身で、経済的に苦しい事もありますが、発達障害特有の「顔の表情が読み取れない」ことや、「気がつくと相手を怒らせてしまう」ということがあったりして、「やっぱり無理かなあ」と思ったりします〉

 直美さんを訪ねました。 

いつか家庭を築くものだと……

 幼いころから友達の輪に入らない子だったそうです。本が好きで、友達の家に行けば、その子のことより、その家の本棚にある本のことで頭がいっぱいになりました。活字に親しんできたせいか、直美さんの文章はわかりやすく書かれています。

 高校を卒業して工場に就職しましたが、製造ラインでぼんやりしてしまい、9か月で退職。その後は祖母の介護などをしていました。

 発達障害(アスペルガー症候群)の診断を受けた後は、事情を理解してくれるスーパーで、カートを片づける仕事に就きました。体調を考慮した短時間のアルバイトで、障害年金を合わせて、収入は月に10万円ぐらいです。

 いつか結婚して家庭を築くものだと思っていたし、親にも早く結婚をと言われていたそうですが、障害がわかってからは、どうしたらよいかわからなくなりました。

心に決めていること

 〈かかりつけの精神科の先生にも相談しないといけません。(結婚するなら)同じ障害を持つ方との方がいいかなあと思ったりしますが、発達障害者専用の婚活はなかなかないもので、出会いもありません。

 ただ、心に決めている事があります。気がつくと相手を放っておいて自分勝手な行動ばかりしていたり、自分一人でいる方が楽しかったり、世間の体裁をとりつくろうことや、肩書にとらわれていることがあったら、結婚はやめておこうという事です〉

 直美さんは、話をしながらノートに大きな円を描き、縦線で半分に区切りました。結婚へのあこがれと、無理だと思う気持ちは半々です。

 手紙には、こんな文面もありました。

「赤毛のアン」マリラおばさんって、いいな

 〈人口の減少はどうしても気になりますけれど、自分の障害が原因で相手を苦しめてしまうのは、本当につらいし、いけない事です。

 でなければ、このまま、同じ障害を持つきょうだいと力を合わせて「赤毛のアン」に出てくるマリラとマシューのように暮らしてゆくのもいいかもしれません。アンのような子が、うちにも来てくれるかどうかはわかりませんが〉

 モンゴメリ作の「赤毛のアン」で、施設から来た少女アンを引き取って育てるマシューとマリラは、未婚の兄妹です。直美さんは子供のころ、この本をアンの視点で読みましたが、今は、結婚しないで子供を育てるマリラたちに、とても興味を引かれるそうです。実は、私も同じ事を考えたことがありました。(現実的には難しそうですが)

 〈もしも、子供ができなかったら、何か一つ、「世の中の役に立つもの」を作っていきたいと思っています。それが何なのかは、自分でもまだよくわかりませんが、これからじっくり考えていくつもりです〉

 ごきょうだいにも障害があり、心配事は尽きませんが、仲はとてもよいそうです。直美さんはこんな風におっしゃいました。

 「乗り合わせた宇宙船みたいなもので、この乗組員でやっていくしかないのかもしれない。でも、ステップアップができるように、これまでの生活から、少しずつはみだしてみようと思います」

 「お互いに、ぼちぼちいきましょうよ」。別れ際、直美さんはそう言って、私をはげましてくださいました。

◆アスペルガー症候群 人との意思疎通が苦手で、特定のことに強くこだわるなどの特徴がある。先天的な脳機能障害が原因とされる。

別文化と理解し、つきあう

 早稲田大の梅永雄二教授(発達障害臨床心理)の話「定型発達(健常)の人と、あるいは障害がある人同士で結婚をして仲良くやっているケースはありますが、不安になる気持ちもよくわかります。アスペルガー症候群への理解がもっと広がることが重要です。治療すべきものではなく、いわば別の文化を持った人たちだ、という見方ができます。違って当たり前と考え、求め過ぎず、その人自身をよく観察してつきあう。実はアスペルガー症候群の人に限らず、これはあらゆる人との関係にいえることです」

何か一つ世の中の役に立つことを

  前回の「パンダおばさん」へのご感想をいただいています。大阪市淀川区の住職、服部隆志さんは〈「どこの誰だか知らないけれど、誰もがみーんな知っている」は、月光仮面の主題歌です。普通のおっさん、おばちゃんが変身して誰かを救う、そんな変身願望って、あると思います〉と書いてくださいました。ありがとうございました。

 本日は、お便りをもとに、発達障害がある直美さんの思いを聞きました。〈子供ができなかったら、何か一つ世の中の役に立つことを〉という言葉が胸に響きます。そんなことを考えたことがある人は、少なくないと思います。

 克服すべき課題とされる「少子化」も「高い生涯未婚率」も、つぶさにみてみれば、直美さんを含めた大勢の、迷いや葛藤が積み重なった結果なのかも、と思いました。

 直美さんが今後、どんな出会いをされ、どう決断なさるのかは、まだわかりません。でも、そうです、ぼちぼちまいりましょう、お互いに。 

◆お便りはこちら 〒530・8551(住所不要)読売新聞大阪本社編集委員室「シングルスタイル」係、ファクス06・6366・1894、

メールはsingle@yomiuri.com

障害者カップルが理解を深めあう日々を描いた「ボクの彼女は発達障害」。直美さんは、「この作者みたいに優しい人がいたらいいな」と(大阪市北区の「ムートンオット」で)=近藤誠撮影

障害者カップルが理解を深めあう日々を描いた「ボクの彼女は発達障害」。直美さんは、「この作者みたいに優しい人がいたらいいな」と(大阪市北区の「ムートンオット」で)

2016年05月26日 Copyright © The Yomiuri Shimbun

視覚障がい者に読書の楽しみを 大日本印刷電子図書館システムを開発

2016年05月28日 02時36分59秒 | 障害者の自立

大日本印刷<7912>と日本ユニシスなどは共同で、視覚障がい者が電子図書館を利用する際に、音声読み上げとキーボード操作で読みたい本を探し、借り、読む(聞く)ことを独力でできる閲覧用ウェブブラウザを搭載した電子図書館システムを開発した。

2016年4月に「障害者差別解消法」が施行され、全国の公共・大学図書館で情報へのアクセスのしやすさを確保することが求められており、このシステムによって、視覚障がい者が読書を自立的に楽しむことができる環境を提供するとしている。

日本国内の視覚障がい者は、弱視も含めて約31万人(国民の約0.2%)で、高齢によって視力の低下を感じている人を合わせると、その総数は約164万人(同約1.3%)になる。視覚障がい者が出版物を読む(聞く)ときに多く利用する図書館ボランティア等による朗読サービスは、挿絵のイメージ紹介など文字以外の情報も伝えており、視覚障がい者にとって不可欠なものだ。

電子書籍には、文字サイズの変更や音声による自動読み上げなどの機能が充実してきており、視覚障がい者が自立的に出版物を読む(聞く)ことができる電子図書館システムの環境整備に期待が寄せられている。人の手による録音図書や点字図書の作成には時間がかかるが、パソコンやスマートフォン経由で電子図書館システムを活用すれば、視覚障がい者も他の利用者と同じタイミングで、自力で本を選んで読むことができる。

現在、大日本印刷、日本ユニシスなどがボイジャーの協力のもと提供している「電子図書館サービス TRC-DL」の電子図書館システムは、ウェブアクセシビリティ規格のJIS-X8341ガイドラインに配慮し、健常者には分かりやすい画面構成となっているが、視覚障がい者の多くが利用するパソコンやスマートフォンの画面読み上げソフトに適合していないことが課題となっていた。

今回、社会福祉法人三田市社会福祉協議会(兵庫県三田市)と「公共図書館で働く視覚障害職員の会」の協力を得て、視覚障がい者が独力で読みたい本を探し、借り、読む(聞く)読書環境を実現するための要件と課題を抽出し、従来の「電子図書館サービス TRC-DL」の機能を拡張し、その要件と課題に対応した電子図書館システムを開発した。

今後は、電子図書館サービスを利用する生活者や図書館からの要望を取り入れ、機能を拡充しながら、3年間で200図書館以上への導入を行うとしている。

2016年05月27日   エコノミックニュース 


高次脳機能障害(5・情報編)対処法を身につけ社会生活

2016年05月28日 02時29分51秒 | 障害者の自立

 高次脳機能障害は脳が損傷を受けたことで、忘れやすくなったり、集中できなかったり、怒りっぽくなったりするなど、脳の情報処理がうまくできなくなる。損傷を受ける原因は脳卒中が最も多く、交通事故やスポーツなどによる脳の外傷、低酸素脳症などが続く。東京都では毎年約3千人が新たになるとの推計がある。

 2001年度から国立障害者リハビリテーションセンターが中心となってリハビリや福祉サービスに関する厚生労働省のモデル事業を実施し、診断基準を作った。診断を受けると、精神障害者福祉手帳を取得できる。

 症状や障害の程度は人によって様々だ。東京慈恵会医科大付属第三病院リハビリテーション科の渡邉(わたなべ)修(しゅう)教授(56)によると、外傷の場合、脳の前頭葉と呼ばれる部分が損傷を受けることが多く、注意障害や遂行機能障害、社会的行動障害などが起こりやすいという。

 興奮して大声を出したり、暴力を振るったりする社会的行動障害は、周囲にも大きな問題になる。たとえば、赤信号で交差点を渡ろうとする人に「赤だぞ」と大声で怒鳴るなど、自分の行動が人からどう思われるか考えるのが難しくなる。渡邉さんは「社会から疎外するのでなく、地域で適応できる環境を作ることが大切」という。

 ログイン前の続き損傷を受けた直後は記憶力の回復などを目指して医学的なリハビリをしつつ、障害の程度に応じた対処法を身につけ、社会生活を送る上での訓練が必要になる。

 連載で紹介した長谷川優(ゆう)さん(30)はイライラしてくると、その場からいったん離れる「タイムアウト法」によって、気分を抑えられるようになった。はじめは周囲の人に「水を飲んで来いよ」などと声をかけてもらっていたが、次第に自分でその場を離れることができるようになったという。

 外見ではわかりづらく、周囲の理解が得られにくい。本人も障害を負う以前の記憶があることが多く、かつてできた仕事などができなくなる現実を突きつけられる。

 精神科医で東京福祉大の先崎章(せんざきあきら)教授(55)は「無理に元の学習や仕事をさせると、逆に症状を悪化させかねない。本人に加え、支える家族の障害への理解が欠かせない」という。

 

写真・図版

2016年5月27日   朝日新聞デジタル