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ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

「障害者が働き、競技できる道筋を」

2016年05月27日 12時21分24秒 | 障害者の自立

 車いす陸上のアスリートが、一つの思いを実現させた。堺市出身でパラリンピックに2大会連続で出場している松永仁志(43)。その松永が選手兼監督を務める車いす陸上の実業団チームが3月、岡山市に誕生した。障害者スポーツの実業団チームは全国的にもあまり例がない。チーム誕生に動いた松永にその思いを聞いた。

 今夏のリオデジャネイロ・パラリンピック代表権を獲得するための欧州遠征を直前に控えた5月中旬、松永はインタビューに応じてくれた。最初に目を引いたのが、太く、筋肉が浮かび上がった両腕。車いす陸上の選手に特徴的な腕だ。腕の太さを聞くと、こう返ってきた。

 「腕は体の一部でしかない。体の使い方がうまい人が速いんです」。車いす陸上は全身を使った競技。そういう思いが伝わってきた。

 チームは松永が勤める岡山市人材派遣関連会社「グロップサンセリテ」にできた。名は「WORLD―AC」(ワールドアスリートクラブ)。松永が中学2年から住み続け、競技の拠点としている岡山から世界へ、という思いを込めた。メンバーは松永、リオに内定している佐藤友祈(ともき)(26)ら、計3人。日本障がい者スポーツ協会によると、車いす陸上の実業団チームは全国で2例目ではないかという。

 2020年の東京パラリンピックが決まり、企業側にパラ選手への理解は進んでいる。日本オリンピック委員会が選手の就職支援をする「アスナビ」ではパラ選手約15人が企業に採用された。ほかにも、仕事より競技を優先する形で就職できる選手が増えているという。追い風は吹いている。

 松永は、そんな風は歓迎しつつも、危惧も覚えている。「この流れがいつまで続くのかなって。仕事より競技優先でいいのかなとも思う。まずは仕事。選手が終わってからの人生の方が長いじゃないですか」

 チーム創設にあたり、こだわったのは仕事と競技の両立だ。「WORLD―AC」の場合、アスリート契約をしている松永以外の20代の選手2人は、夕方まではほかの社員とともに働き、その後に練習する。会社は競技活動を業務とみなし、用具の購入などをサポートしてくれる。日本の昔ながらの実業団に近いスタイルだ。

 松永の考え方は、彼の人生に起因する。16歳の時、交通事故で車いすの生活になった。21歳で就職。競技への思いを駆り立てられたのが、00年シドニー・パラリンピックの映像だった。「それまで、しょせん障害者のスポーツと思っていたが、スポーツとしてのポテンシャルの高さを実感した」

 04年アテネの代表を逃した。もっと競技を極めたい。プロになろうと、約10年勤めた会社を辞めた。スポンサー探しのため、約100社に連絡した。小口のスポンサーをいくつか見つけたが、会ってくれない企業も多かった。食いつなぐために、貯金も取り崩し、非常勤の仕事もした。パラ選手を取り巻く厳しさはよく分かっている。だから、働く場も必要だと思っている。

 グロップサンセリテに就職したのは14年。障害者雇用を推進する同社に松永自身が働きかけ、チームの誕生につなげた。「障害者が働き、競技もできる。その道筋をつけたかった」

 もっと選手を増やしたいと思っている。チームの目標を聞くと、4年後の東京パラではなく、こう答えた。

 「岡山の障害のある人が憧れるチームにしていきたい」

 そのスタート地点に立ったばかりだ。

 まつなが・ひとし 1972年生まれ。高校2年の時、バイク事故で脊椎(せきつい)を損傷し、車いす生活になる。2008年北京、12年ロンドン・パラリンピックで、800メートルなど複数種目に出場した。障害クラスは「正常な上肢機能を持ち、腹筋または下部の背筋は機能しない」T53。松永自身は腹筋、背筋とも機能しない。

写真・図版 

車いす陸上で3大会連続のパラリンピック出場を目指す松永仁志=グロップサンセリテ提供

2016年5月25日   朝日新聞

 

<熊本地震>障害者助ける 障害者ら募金活動

2016年05月27日 12時13分34秒 | 障害者の自立

街頭で募金活動する杉山代表(右から2人目)ら

 熊本地震で被災した障害者を支援しようと、仙台市の障害者支援団体「CILたすけっと」(杉山裕信代表)は25日、市中心部で街頭募金活動を行った。
 募金は阪神大震災直後に発足し、全国53の障害者団体とネットワークを築くNPO法人「ゆめ風基金」(大阪市)を通じて送る。杉山代表は「同じく被災した障害者として手助けしたい」と語る。
 たすけっとは、東日本大震災時に物資配布や情報提供を実施した「被災地障がい者センターみやぎ」の事務局を担った。熊本地震後に地元で発足した同様の組織「被災地障害者センターくまもと」に運営の資料を届けるなど支援している。
 街頭募金活動は今後も月2回ほど実施する。

2016年05月26日     河北新報


精神障害者との接し方を紹介

2016年05月27日 12時07分32秒 | 障害者の自立

29日、桜楽館で

 佐賀県小城市のNPO法人「佐賀げんき会」(松田孝代表)は29日午後1時から、小城市の桜楽館で精神障害者とのコミュニケーションの取り方を学ぶ講演会と講習会を開く。

 精神障害者の自立を家族の力で目指す「家族SST」を提唱する高森信子さんを講師に迎える。高森さんは年間300日全国各地に出向き、精神障害者の家族が当事者と良好な関係を築く方法を伝えている。

 当日は、講演に加え会話訓練を行う講習会も開き、当事者との接し方に関する質問も受け付ける。

 当事者の家族や医療関係者らが対象。参加費500円(資料代含む)。要事前連絡。申し込み、問い合わせは同NPOの野田さん、電話090(5282)3429。

2016年05月26日   佐賀新聞


習志野市に解雇撤回を要求 障害者の男性、市議らと意見交換

2016年05月27日 12時02分09秒 | 障害者の自立
  習志野市の正規職員に採用され、試用期間が終了した二月末に解雇された障害者の男性(28)が二十四日夜、市議や市民らとの意見交換会を同市内で開き、不当な解雇として処分撤回をあらためて訴えた。

 経過説明と質問の場を兼ねて、男性を支援するユニオン習志野が主催した。出席した市民ら約二十人の前で、男性は生い立ちと仕事ぶりを説明した。

 男性は昨年六月から九カ月間、介護保険課と総務課で働いた。「入力ミスや、仕事に不慣れで事務作業に二時間かかったが、市民第一の気持ちでやり続けた」と話した。

 男性は「数々のパワハラで帯状疱疹(ほうしん)ができた」と訴えた。市は取材に対し「パワハラに至る内容ではなかった」と否定している。

 男性が二月二十二日に解雇を言い渡された時、市の要請で男性の母親も同席させられた。出席者は「母親が来て一人前という発想。障害者を子ども扱いしている」と批判した。

 同市には二十五日までに電話やメール、ファクス、はがきなど四十一件の意見・要望が寄せられた。「障害者への配慮不足」や「解雇は法律違反」など九割超が抗議だった。一方で「障害者といって優遇するのは逆差別」などの意見もあったという。

 全国の障害者団体や支援者らが賛同者に名を連ねる「『骨格提言』の完全実現を求める大フォーラム実行委員会」も「差別的不当解雇」として、撤回を求める申し入れ書を市に提出している。

2016年5月26日   東京新聞


障がい者が性的に自立したら…乙武さん不倫騒動は

2016年05月27日 11時50分51秒 | 障害者の自立

乙武さん不倫騒動は、障がい者の「性」を考える上で、大きな気づきを与えてくれた

 3月下旬、かねてより参院選への出馬がウワサされていた作家の乙武洋匡さんが、「女性と不倫関係にあった」と週刊誌で報道された。先天性四肢切断のハンディキャップを抱えるも、さわやかなルックスとスポーツライターや東京都教育委員をつとめるなどの経歴から、まさに「国民的障がい者」として知られていた。その彼が不倫相手とヨーロッパを旅行したのみならず、複数の女性と性をおう歌していたことに、ド肝を抜かれた人は少なくないだろう。というのも彼は、誰もが知るとおりの「五体不満足」だからだ。
「障がい者の性を考える上で、大きな気づきを与えてくれる出来事だったのではないでしょうか。乙武さんはルックスもよく知的で、社会的にも成功して妻にも子供にも恵まれていました。まさに誰からも愛される『自立した障がい者』だと思いますが、障がい者が性的に自立した先には当然、浮気や不倫や失恋や複数恋愛などが起こり得ます」

 そう語るのは一般社団法人ホワイトハンズの代表理事で、『セックスと障害者』(イースト・プレス)の著者、坂爪真吾さんだ。

 坂爪さんは東京大学を卒業後、新しい「性の公共」を作るという理念のもと、重度身体障がい者に対する射精介助サービスや、風俗産業の社会化を目指す「セックスワーク・サミット」の開催などに取り組んできた。そんな彼は乙武さんの騒動に、「障がい者の性の近未来を見た思い」だという。

 ハンディキャップを抱える人たちは、日常生活においては健常者の助けを必要とする場面も多い。もちろんそれが理由ではないものの、「純粋で清らかな心の持ち主」「かわいそうな弱者」という目で見られることも多かった。また身近に障がい者がいないという理由で、意識そのものすらしたこともないという健常者も存在する。

 実際のところ障がい者は多いのか、それとも少ないのか。坂爪さんによると、身体・知的・精神になんらかの障がいがある人は約741万人で、愛知県の人口約744万人に匹敵する数になっている(出典・平成25年度版『障害者白書』内閣府)。日本の人口の約6%にあたり、身体障がい児・者の98%と知的障がい児・者の77%、精神障がい者の90%は、自宅で暮らしている。そんな彼ら彼女らも当たり前に成長し、当たり前に1人の大人になっていく。もちろん、人間なのだから性的な欲求があるのも当たり前なのに、介護福祉の現場で性については除外されてきたことが、この本を書くきっかけになったそうだ。

「2012年に『セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱』(小学館)という本を出版したのですが、これは起業に至るまでのプロセスをまとめたものなので、今回の新書は、障がい者と性についての現状をアップデートする意味を込めて書きました。

 社会福祉の枠内で性的サービスを提供できないかと考えて、起業前の準備として、ヘルパー2級を取得して介護現場で働いたことがあります。その際、脳性まひの方やALS(神経細胞が侵されることで、筋肉を動かそうとする信号が伝わらなくなって筋肉が動かしにくくなる「筋萎縮性側索硬化症」のこと)の方を介護していて、性的介助のニーズがあるのではないかと気づきました。でも介護職ができる領域の中には、この分野は除外されていました。介護には『本人の尊厳の自立を守る』という理念があるのですが、大事な性についての部分が除外されていることの矛盾について、ずっと考えていました。そこで事業として何かできないかと思い、自慰行為が自分でできない障がい者をサポートするために、ホワイトハンズを立ち上げました。その活動を通して知りえた障がい者の性の歴史と現状を、改めてまとめたいと思ったんです」

 確かに障がい者にも性的欲求があり、それを満たすことは当たり前の権利と言える。しかし一方で、たとえば知的障がいを持つ男性からのセクハラが、トラウマになっている女性もいる。私自身も小学校に入学する直前、近所に住む知的障がい児の同級生に突然抱きつかれ、以来「彼らは何をするかわからず怖い」と思い続けてきた。しかしこういったことも「性をなきものにする」のではなく、性を教えることで克服できると坂爪さんは言う。

「それこそ『皆から愛される障がい者になるために、性は封印しろ』といった風潮は昔からありますが、適切な時期に適切な性教育を行うことで、障がい者によるセクハラを防ぐことができると思います。とくに知的障がい者は、他人との距離感がわからない人が多いので、イラストなどを使って『いきなり抱きついてはダメ』『握手をするといい』と教えることで、距離感を意識できるようになります。なかにはフォークダンスを通して『ルールのあるふれあい』を教えているところもあります。また性器の洗い方や自慰の仕方、妊娠と出産についてなどを多角的に教えていくことで、能動的な『愛される障がい者』ではなく、主体的に生きる『愛する障がい者』を育てることができるのではないでしょうか。それによりこの社会の、真のノーマライゼーションも実現するのではないかと思います」

ダ・ヴィンチニュース  5月26日