合唱や楽器演奏など音楽が持つリハビリ効果などに着目し、兵庫県が2001年度から独自に認定している県音楽療法士が本年度、350人を超えた。15回目となる認定式が9日、中央区の県こころのケアセンターであり、男女20人が新たに認定証を受け取った。
音楽療法は心身障害の回復や高齢者の機能改善などに効果があるとされ、県内約900の病院や高齢者施設などで導入されている。阪神・淡路大震災で必要性が高まった心のケアをきっかけに、01年度に県の認定が始まった。
基礎、専門講座を約2年間受けた上で、高齢者施設などでの約6カ月間の実践活動が認定審査の対象となる。毎年、14~45人が認定されてきた。今回は24人が申請し、ピアノ講師や介護福祉士などの資格を持つ男女20人が合格。計352人となった。
認定式では、井戸敏三知事が「皆さんの心と技能と音楽で、よき療法の確立に努めていただきたい」と激励。認定者の代表が認定証を受け取った。
また、日本音楽療法学会認定の音楽療法士が講演。新たに認定された2人が、知的障害者施設などでの実践活動を発表した。デイサービスで音楽を使ったボランティアに取り組む窪田真紀さん(60)=神戸市西区伊川谷町=は「本格的な音楽療法を使って、さらにできることを広げていきたい」と話した。
県音楽療法士の認定証を代表で受け取る窪田真紀さん=神戸市中央区脇浜海岸通
2016/3/10 神戸新聞NEXT