ゴエモンのつぶやき

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「身体障害者補助犬法」10年

2013年04月24日 02時10分37秒 | 障害者の自立
 手足が不自由な人の日常をサポートする介助犬。自立を目指す障害者には心強い存在だが、社会への浸透は十分とはいえない。公共施設などでの同伴受け入れを義務付けた身体障害者補助犬法の施行から10年、認知度は当初より低下しているという調査結果もあり、課題は多い。

介助犬 周知・普及進まず
 「エル君、テイク電話」

 兵庫県宝塚市の会社員、木村佳友さん(52)が声をかけると、ラブラドルレトリバーの「エルモ」(雄、10歳)が受話器をくわえて駆け寄った。落とした物を拾ったり、冷蔵庫から飲み物を取ってきたり。そのたびに木村さんは「グッド!」と頭をなでる。

 木村さんは27歳の時に交通事故で、下半身や手が不自由になった。愛犬「シンシア」が訓練を受けて介助犬になったのを機に、「私たちが一緒に街を歩く姿が、自然な光景として受け入れられる社会になれば」と啓発に取り組んだ。そうした行動が共感を呼び、補助犬法の成立に結びついた。

 補助犬法は超党派の議員立法で2002年10月に施行された。公共施設や交通機関、飲食店などは、介助犬、盲導犬、聴導犬の同伴を拒んではならないと定めている。07年の改正では、都道府県などに苦情や相談を受け付ける窓口も設置された。国は近く、他の外来患者らへの配慮などを記した医療機関向けの補助犬受け入れマニュアルを作成する予定だ。

店や施設で同伴拒否
 支援を進める事業所もある。京王プラザホテル(東京)は07年、敷地内に補助犬専用のトイレを設け、一緒に宿泊する際は餌を入れるボウルやマットも無料で貸し出している。JA共済は小学生向けの啓発イベントを実施。講師を招いて補助犬法の勉強会を開く企業もある。

 ただ、こうした取り組みは一部にすぎない。木村さんが会長を務める「日本介助犬使用者の会」が昨年秋、会員7人から聞き取ったところ、過去2年間で飲食店や医療機関で同伴を拒否された事例は32件あり、その3分の1が、法律のことを説明しても受け入れてくれなかった。

 関西福祉科学大の松中久美子准教授(福祉心理学)らが11年、全国の20~60歳代の男女3000人を対象に行った調査では、補助犬法について「名称も内容も知らない」と答えた人が64%に上り、04年の調査時より9ポイントも増えていた。松中准教授は「このままでは介助犬の同伴を拒否するケースが増えかねない。国や自治体はもっと啓発に力を入れるべきだ」と指摘する。


木村さんに受話器を渡す「エルモ」(兵庫県宝塚市の木村さん宅で)

育成資金は寄付頼み
 認知度を上げるには、介助犬の活躍を多くの人が目にする機会が必要だ。しかし、国内で活動する介助犬は67頭(4月1日現在)で、1頭もいない県が半数近くある。介助犬が必要な人は全国に1万5000人いるとされるが、そうした人でさえ存在を知らないこともある。

 要因の一つに、資金面の問題がある。介助犬1頭を育成するには300万~500万円が必要だ。だが、NPO法人「日本介助犬アカデミー」(神奈川)によると、11年度に介助犬の育成に助成金を支出した都道府県は全体の2割ほどで、金額も1頭あたり150万~198万円だった。介助犬を育成・貸与する団体は、不足分を寄付などに頼っているのが現状だ。

 国内の介助犬育成の3割強を手がけている社会福祉法人「日本介助犬協会」(同)は09年、介助犬や訓練士を育成する全国初の専門施設を愛知県長久手市に開設した。年間を通じて15頭前後が訓練を受けるが、認定基準が厳しいこともあり、実際に介助犬になれるのは5頭ほど。訓練部長の水上言(こと)さんは「多くの介助犬や訓練士を世に送り出すためにも、公的な支援の拡充が必要」と訴えている。

【介助犬に関する問い合わせ先】
◆社会福祉法人「日本介助犬協会」
 (http://www.s-dog.jp/)、0561・64・1277
◆NPO法人「日本介助犬アカデミー」
 (http://www.jsdra.jp/、連絡はメール info@jsdra.jp


(2013年4月23日 読売新聞)


南房総の障害者施設入所者虐待:元理事長に有罪判決 被告「活動継続したい」 元職員「反省を」 /千葉

2013年04月24日 01時57分18秒 | 障害者の自立
 ◇ホーム白浜の改善報告なし

 「絶対的地位を背景に、弱い立場の職員や利用者に加えた暴行の常習性は明らかで、酌むべき点はない」−−。南房総市の精神障害者施設「ふるさとホーム白浜」の入所者虐待事件で、傷害罪などに問われた社会福祉法人「愛と光の会」(東京都荒川区)元理事長、山下洋子(ひろこ)被告(71)に対する22日の有罪判決。地裁木更津支部の下嶋崇裁判官は、福祉の名の下に障害者を虐げた行為を厳しく非難し、懲役1年、執行猶予3年を宣告した。被告は少し下を向きながら、判決の朗読に耳を傾けた。

 この日、白髪交じりの山下被告は灰色のジャンパーを着て出廷。冒頭に有罪の主文が言い渡されたが、表情は変わらない。裁判官に促されて被告人席に座ったが、身動きをほとんどしなかった。

 閉廷後、被告は傍聴席に向かって「社会をお騒がせして申し訳ありません」と謝罪。だが、今後について「これまでのような活動を全うしていきたい」と涙声で述べ、障害者に関わる活動を続けていく意向も示唆した。被告の弁護人は「控訴するか否かを検討する」と述べるにとどまった。

 一方、昨年10月の障害者虐待防止法の施行に伴い、虐待を南房総市障害者虐待防止センターに通報した元職員の女性(51)は「県や市の関係者と施設職員の協力で有罪を立証することができて胸をなで下ろしている」と話した。

 女性は現在、館山市内で福祉関係とは別の企業に再就職。勤務のためこの日の法廷を傍聴することはできなかったが、ニュースで有罪を知った。「(被告には)許されないことをしたと真剣に反省してもらいたい」と感想を語った。

 昨年10月26日付で山下被告が関与しない運営態勢の整備などを勧告した県によると、ふるさとホーム白浜側から改善報告書はいまだ提出されていない。今月17日からは入所者数はゼロになり、今後施設が廃止された場合、施設整備の補助金1050万円の返還請求を検討するという。

 また、県によると、障害者虐待防止法施行から昨年12月末まで、同法で義務づけられた通報がふるさとホーム白浜の問題以外に、124件寄せられた。今年3月19日には1件の虐待行為が実際に確認されたとして、施設側に改善勧告を出したという。

 県障害福祉課は「今後も通報があった施設には必要に応じて立ち入り調査し、適切な指導につなげていきたい」と話している。

 ◇病院、行政との連携奏功

 障害者施設での虐待行為は入所者が声を上げにくいことから、通常発覚しにくいといわれるが、今回のケースは通報した元職員と施設関係者、県と市の福祉担当者らが綿密な連携を取りながら、問題を浮き彫りにしていった。

 通報した元職員は11年3月の開所に合わせて白浜の施設で採用された。山下被告の虐待行為を直接目にしたことは少なかったが、同僚職員から何度も話を聞かされたという。12年6月に解雇されたのを機に、市の福祉担当者や地元病院長らと対応を協議した。

 職員や入所者には、虐待を疑われる言動を逐一メモに残すよう依頼。定期健康診断の際、入所者の体に「異常」が発見されたら病院長に診断書を作成してもらい、警察に被害届を提出する一方、入所者を隔離入院させるという筋書きも作った。

 12年9月初めの定期検診で女性入所者の両腕などに「あざ」があるのを病院長が見逃さず、計画通り職員が県警館山署に被害届を提出した。山下被告は病院長に再三、女性入所者を引き渡すよう求めたが、病院長は応じなかった。

 元職員は「最初は虐待防止法については知らなかった」と振り返るが、12年10月1日にタイミング良く同法が施行されると知り、直ちに市に通報した。市から連絡を受けた県は施設の立ち入り調査と職員への聞き取りをスタート。厚生労働省も山下被告から事情を聴くなど問題解明が一気に進んだ。館山署も11月、山下被告を傷害容疑で逮捕し、異例の刑事事件に発展した。

毎日新聞 2013年04月23日 地方版


【陸上】チャレンジ大会 障害者70競技で熱戦 全国から160人

2013年04月24日 01時48分49秒 | 障害者の自立
 身体・知的障害者による「チャレンジ陸上大会2013」が21日、熊本市中央区の水前寺競技場であり、全国から集まった約160人が約70競技で競った。九州身体障害者陸上競技協会(同市)など主催。

 大会は昨年まで身体障害者を対象に「九州チャレンジ陸上大会」として開催。今回から衣替えし、知的障害者にも門戸を広げた。

 国際パラリンピック委員会の公認大会。記録は、7月にフランスで開かれる世界選手権と、10月にマレーシアで開かれるアジアユース大会に出場する選手を選考する際の参考となる。

 選手は障害の種類や程度ごとにクラス分けされ、100メートルや800メートルなどのトラック競技、やり投げや砲丸投げなどのフィールド競技で熱戦を展開。円盤投げや走り幅跳びなど9種目で日本新記録が出た。

 100メートル走に出場した山鹿市の栗山晶さん(19)は目標タイムを上回ってゴール。「陸上シーズンが始まってすぐだが、いいタイムが出た。来月にも大会があるので練習を重ねたい」と話していた


チャレンジ陸上大会の100メートル走で、全力で走る選手たち=熊本市

熊本日日新聞- 2013年04月23日

障害者支援 300人駆ける

2013年04月24日 01時44分28秒 | 障害者の自立
 「第1回きのかわチャリティーラン」(和歌山YMCAなど主催、読売新聞和歌山支局など後援)が21日、和歌山市の紀の川河川敷であり、約300人のランナーが健脚を競った。

 障害を抱える子どもたちを支援する取り組みとして初めて開催。参加費の一部は、県内の障害者イベントの経費などに充てる。

 この日は、個人で参加するクオーターマラソン(10・5キロ)や4人で1キロずつを走るタイムレース(4キロ)など3種目を実施。前日の雨でコースの一部はぬかるんでいたが、参加者は沿道からの声援を受けながらゴールを目指して力走した。

 タイム以外にコスチュームを競う特別賞もあり、楽しいコスプレで沿道の家族連れらを笑わせる参加者も。虎の着ぐるみ姿で走った大阪市北区の税理士遠藤通寛さん(57)は「障害者支援に少しでも役立てたいと思って参加した。走りにくかったけど、コスプレも楽しめた」と笑顔だった。


健脚を競う参加者たち(和歌山市で)

(2013年4月22日 読売新聞)

障害者 働きやすい職場に

2013年04月24日 01時41分15秒 | 障害者の自立
 障害を持つ人の就労機会の拡大が社会的な課題となっている中、民間企業の法定雇用率が今月から1・8%から2%に引き上げられた。県内は、2012年度に雇用率を満たした企業の割合が全国5番目の約60%に達しているが、職場になじめない障害者へのケアなど課題も山積する。相談体制や手話通訳を充実させて、離職者を大幅に減らすなど先進的な取り組みを行い、全国的にも高く評価された企業もあり、和歌山労働局は「働きやすい環境づくりにも努めてほしい」と呼びかけている。

 県の第3セクターで、機械部品製造を手がける「ウインナック」(和歌山市)。工場内では、作業服姿の障害者らが金型から鋳造されたばかりの自動車部品に丁寧にヤスリがけしていた。「エンジンの周囲の重要なパーツだけに、根気と熟練が欠かせない作業です」と西芳男社長(65)は説明する。

 併設する事業所を含めた従業員85人のうち、障害者が半数近い40人。多様な人材の活用に先進的に取り組んでいるとして、経済産業省が2012年度、全国で43社を選んだ「ダイバーシティ経営企業100選」に名を連ねた。

 評価の理由の一つが、障害者を巡る職場環境の改善だ。聴覚障害に対応しようと、5年前から社内に手話通訳者を配置。さらに体調や人間関係などの悩みに応じて、担当作業を見直すなど相談体制を充実させた。

 その結果、以前は年10人以上が様々な自己都合で離職していたが、ここ5年間はほぼゼロになった。西社長は「会社への信頼感が感じられるようになり、仕事の能率も上がった」と言う。

 足が不自由な坂田達彦さん(37)も「健常者と障害者が互いに助け合う空気があり、気持ちよく仕事ができている」と満足している。

 同労働局によると、12年度、障害者雇用を義務付けられた従業員56人以上の県内企業472社のうち、法定雇用率の1・8%を満たしたのは286社。60・6%を占め、全国平均の46・8%を大きく上回る。12年度は過去最高の延べ551人がハローワークを通じて採用されるなど、企業側の採用に向けた動きは活発だ。

 ただ、就労後、意思を十分伝えられなかったり、悩みを抱え込みがちだったりし、職場トラブルが起きるケースも後を絶たないという。同労働局の担当者は「職場定着のための第一歩として、障害者とのコミュニケーションを密にしてほしい」と話している。

 法定雇用率とは

 障害者雇用促進法で企業や公的機関に義務付けられた、従業員に占める知的・身体障害者の雇用割合。4月から、国や自治体も2.1%から2.3%に引き上げられた。また、雇用を義務付けられる民間企業の対象が、従業員56人以上から50人以上に拡大された。


(2013年4月23日 読売新聞)