民主党は10日、社会保障と税の一体改革の焦点となる消費税率引き上げの際の低所得者対策として、税額控除の恩恵が少ない層に手当を支給する「給付付き税額控除制度」を採用する方針を固めた。年末をめどに取りまとめる素案に盛り込むよう党内調整を進める。一方、自民党は消費税率を10%に引き上げる際には、食料品など生活必需品の税率を下げる軽減税率(複数税率)の導入を求めており、与野党協議が行われる際の大きな障害となりそうだ。
欧州などでは消費税への低所得者対策として軽減税率が広く使われているが、民主党が軽減税率に否定的なのは、「生活必需品」の範囲を決める際に「政治の恣(し)意(い)的なものが入り、利権も生まれる可能性がある」(藤井裕久党税調会長)ためとしている。財務省も軽減税率は「対象品目の線引きが難しい」(幹部)と導入に慎重な立場だ。
ただ、給付付き税額控除は申請手続きが煩雑になり、行政コストが増す問題がある。政府・民主党は手続きを省略できる方策として、納税や社会保障の記録を管理する共通番号制度「マイナンバー」の導入を目指しているが、利用開始は早くても平成27年1月になる見込みだ。
一方、自民党は22年参院選の選挙公約に、消費税率を10%にする際に「軽減税率導入を検討」と盛り込んでいるほか、一体改革については民主党との協議に応じない姿勢をみせている。民主党内でも消費税増税に反対する声は日増しに強まっており、野田佳彦首相が目指す年内めどの素案取りまとめができるかどうかは不透明な状況だ。
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給付付き税額控除制度
給付付き税額控除制度税額控除と手当給付を組み合わせたもので、控除額が所得税額を上回る場合、控除しきれない額を給付する制度。例えば、10万円の控除を行う場合、所得税が20万円の人は10万円が控除され10万円を納付。一方、所得税が5万円の人は税負担がなくなり5万円、ゼロの人には10万円が支給される。
MSN産経ニュース 2011.12.11 01:37
欧州などでは消費税への低所得者対策として軽減税率が広く使われているが、民主党が軽減税率に否定的なのは、「生活必需品」の範囲を決める際に「政治の恣(し)意(い)的なものが入り、利権も生まれる可能性がある」(藤井裕久党税調会長)ためとしている。財務省も軽減税率は「対象品目の線引きが難しい」(幹部)と導入に慎重な立場だ。
ただ、給付付き税額控除は申請手続きが煩雑になり、行政コストが増す問題がある。政府・民主党は手続きを省略できる方策として、納税や社会保障の記録を管理する共通番号制度「マイナンバー」の導入を目指しているが、利用開始は早くても平成27年1月になる見込みだ。
一方、自民党は22年参院選の選挙公約に、消費税率を10%にする際に「軽減税率導入を検討」と盛り込んでいるほか、一体改革については民主党との協議に応じない姿勢をみせている。民主党内でも消費税増税に反対する声は日増しに強まっており、野田佳彦首相が目指す年内めどの素案取りまとめができるかどうかは不透明な状況だ。
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給付付き税額控除制度
給付付き税額控除制度税額控除と手当給付を組み合わせたもので、控除額が所得税額を上回る場合、控除しきれない額を給付する制度。例えば、10万円の控除を行う場合、所得税が20万円の人は10万円が控除され10万円を納付。一方、所得税が5万円の人は税負担がなくなり5万円、ゼロの人には10万円が支給される。
MSN産経ニュース 2011.12.11 01:37