フランス鴨(がも)(バルバリー種)の飼育・販売により、障害者が収入を得る仕組み作りを目指している「信州フランス鴨の会」(松本市、笹井俊一会長)は今年春、障害者の団体などへの飼育委託を始めた。障害者の自立支援と地域ブランドの確立という“一石二鳥”を狙っている。
飼育が容易で、国内流通量が少ないフランス鴨に目をつけたのは、松本市の知的障害者授産施設「共立学舎」。障害者の自立に役立てようと、2006年度に試験飼育や試食会を行った。本格的に事業展開するために、共立学舎を含む障害者団体の関係者らが07年2月に「信州フランス鴨の会」を結成。「信州フランス鴨」の商標登録を申請しており、ブランド化による地域おこしも同時に狙う。
フランス鴨は鳴き声が静かで、においもあまりなく、育てやすい。使わなくなったビニールハウスやプレハブ小屋などの既存施設で、1平方メートル当たり5~6羽飼育できる。低脂肪、高タンパクの肉は、くせがなく、柔らかい。孵化(ふか)後80日前後で出荷でき、50~100羽を年2回飼育すると、計約30万円の収入になるという。
同会は昨年、松本大近くに借りたビニールハウスでフランス鴨を飼育し、ノウハウを蓄積。昨年11月には、松本市などのレストラン13店に約200羽を初出荷した。「珍しい」「ふつうの鴨肉とは違ったおいしさがある」と、評判は上々だったという。
今年4月下旬には、山形村社会福祉協議会、松本市内の知的障害者施設、安曇野市在住の障害者の男性にフランス鴨のヒナ計約200羽の飼育を委託。ヒナの仕入れ、餌の提供、餌やり方法のアドバイス、成鳥の買い取り、出荷などはフランス鴨の会が行っている。
山形村社協は、村内に障害者の就労先が少なく、親の間から「子供たちが働ける作業所を作りたい」という声が上がっていたことから、飼育に挑戦することになった。村内の宅老所の敷地内にあったプレハブの物置小屋を改修。平日は社協職員が世話をし、週末は5人前後の当番が朝と夕に餌やりや掃除をしている。
参加者の一人、県松本養護学校中学部3年の中村暉(ひかる)君(14)の母、恵美子さんは「『鴨当番だよ』と言うと、嫌がらずついてくるので、自分の仕事だと思っているようです」と手応えを感じている。社協では当面、春と秋、年2回の飼育を目指すという。
フランス鴨の会の中心人物の一人、松本大の尻無浜(しりなしはま)博幸准教授は「不況で、障害者を取り巻く環境はますます厳しくなっている。彼らにとって働きやすい環境や、就労支援のモデルを作っていきたい」と話している。
飼育が容易で、国内流通量が少ないフランス鴨に目をつけたのは、松本市の知的障害者授産施設「共立学舎」。障害者の自立に役立てようと、2006年度に試験飼育や試食会を行った。本格的に事業展開するために、共立学舎を含む障害者団体の関係者らが07年2月に「信州フランス鴨の会」を結成。「信州フランス鴨」の商標登録を申請しており、ブランド化による地域おこしも同時に狙う。
フランス鴨は鳴き声が静かで、においもあまりなく、育てやすい。使わなくなったビニールハウスやプレハブ小屋などの既存施設で、1平方メートル当たり5~6羽飼育できる。低脂肪、高タンパクの肉は、くせがなく、柔らかい。孵化(ふか)後80日前後で出荷でき、50~100羽を年2回飼育すると、計約30万円の収入になるという。
同会は昨年、松本大近くに借りたビニールハウスでフランス鴨を飼育し、ノウハウを蓄積。昨年11月には、松本市などのレストラン13店に約200羽を初出荷した。「珍しい」「ふつうの鴨肉とは違ったおいしさがある」と、評判は上々だったという。
今年4月下旬には、山形村社会福祉協議会、松本市内の知的障害者施設、安曇野市在住の障害者の男性にフランス鴨のヒナ計約200羽の飼育を委託。ヒナの仕入れ、餌の提供、餌やり方法のアドバイス、成鳥の買い取り、出荷などはフランス鴨の会が行っている。
山形村社協は、村内に障害者の就労先が少なく、親の間から「子供たちが働ける作業所を作りたい」という声が上がっていたことから、飼育に挑戦することになった。村内の宅老所の敷地内にあったプレハブの物置小屋を改修。平日は社協職員が世話をし、週末は5人前後の当番が朝と夕に餌やりや掃除をしている。
参加者の一人、県松本養護学校中学部3年の中村暉(ひかる)君(14)の母、恵美子さんは「『鴨当番だよ』と言うと、嫌がらずついてくるので、自分の仕事だと思っているようです」と手応えを感じている。社協では当面、春と秋、年2回の飼育を目指すという。
フランス鴨の会の中心人物の一人、松本大の尻無浜(しりなしはま)博幸准教授は「不況で、障害者を取り巻く環境はますます厳しくなっている。彼らにとって働きやすい環境や、就労支援のモデルを作っていきたい」と話している。