ゴエモンのつぶやき

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字幕が伝えた感動…聴覚障害者向け”通訳”登場/横浜 泉谷さんコンサート

2009年06月14日 01時01分18秒 | 障害者の自立
 「歌え、この野郎。おまえらに音楽的なものなんて求めてねえっての」。毒舌交じりのトークが、数秒遅れで文字となって映し出される。横浜で開かれた歌手泉谷しげるさん(61)のライブコンサートに、聴覚障害者向けの「パソコン文字通訳」が登場した。講演会などで活用されるが、ライブでは国内初の試み。「障害があろうと、分け隔てなく接したい」と挑んだ泉谷さんの思いは伝わり、会場は感動を分かち合った。

 横浜市西区のランドマークホール。ギターを手にした泉谷さんの言葉を、プロの文字通訳者がすぐさまキーボードで打ち込む。

 「いいか。障害かなんだか知らないが、心にまで障害があるわけじゃあ、あるめえ」

 文字はステージ後方の大型スクリーンに次々と投影されていく。聴覚障害がある中学1年の崎村詩音さん(12)は大きな拍手で応えた。「コンサートは初めて。泉谷さんの思いが伝わり、すごく楽しかった」

 トーク部分はまさに同時文字通訳だが、歌は事前に歌詞を用意している。ところが泉谷さんはステージで、文字通訳者を挑発し「無駄な努力。あえていじめてみたい」とニヤリ。予定していなかったアップテンポの曲を歌いだしたものの、ほどなく字幕に追いつかれるはめに。会場はどっと沸いた。

 いよいよライブは佳境に。泉谷さんは観客席になだれ込むと、歌いながら縦横に歩き回り周囲にペットボトルの水をまき散らした。全盲の斎藤勝利さん(39)は「触れた体は熱く、思っていた以上にたくましかった。体で感じろと泉谷さんが叫んだ意味が分かった」

 盛り上がるステージの袖で、映画館「横浜ニューテアトル」経営の長谷川喜行さん(47)が男泣きしていた。市内映画館が中心となった「横浜バリアフリー映画祭2009」の一環としてライブを企画した主催者だ。「さすがに耳が不自由な人はライブを楽しめないのではないか」との心配は杞憂(きゆう)に。「障害にかかわらず、話題のアーティストや最新作に触れることができる横浜にしたい。自信がつきました」

 アンコール曲を歌い終えた汗だくの泉谷さんが、絶叫した。「また来年やろうぜ。もっとバリバリにバリアーしてやるぞ」。すぐ字幕が追いついた。


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