◇おいしい水餃子完成--小規模作業所「来夢」所長・堀川まり子さん(58)
四日市市大井手の障害者小規模作業所「来夢(らいむ)」が新商品「もっちり来夢水餃子(すいぎょうざ)」の販売を始めた。地産地消を追求して商品を開発した所長の堀川まり子さん(58)=同市三滝台=は「障害のある人が作っているからではなく『おいしいから』買っていただける商品にしたい」と語る。【高木香奈】
作業所に通うのは10~30歳代の7人。障害の程度はさまざまで、スナック菓子の袋を店でつるすための穴開けやひも通しのほか、地域のアルミ缶を回収してつぶす作業や自主製品の押し花のしおり付きカード作りをしている。
堀川さんが冷凍水餃子を作業所の新商品にしようと考えたのは08年1月。作業所工賃を上げるため食べ物を扱いたいと考えた時、中国在住経験のある母親が作る水餃子を思い出したという。「小さいころから食べて育った大好きな水餃子を多くの人に楽しんでもらいたいと思いました」と言う。
間もなく中国製冷凍餃子の中毒事件が起き、全国的に餃子の売れ行きが悪くなった。準備を続けるべきか迷った。だが「安全な商品が求められている今、チャンスかもしれない」と決意した。
商品化までに堀川さんと賛助会員の栄養士3人は1年かけて準備した。より良い食材を求めて走り回り、地元の経営コンサルタントや料理専門家を招き月1回、「餃子会議」を開いて試作品に意見を求めた。
08年末にできた商品は野菜や豚肉は四日市産で調味料も地元の会社などの製品を用いた。皮もすべて県産の小麦粉を使いたかったが、県産8割、外国産2割に落ち着いたという。
近所の人向けの試食会を開く一方で、作業時間の短縮を図り、1日に500個作れるようになった。現在は作業所の賛助会員や近所の人向けに販売しており、今後販路の拡大を検討している。「冷凍水餃子は便利で時間のない人の味方。おいしさ、安全さ、お値打ち感には自信があります」と話す。
作業所は、ダウン症の長女、ゆうきさん(31)の親として「みんながのびのびと力を発揮できる場をつくりたい」と仲間と05年9月に設立した。08年11月に現在地に移転し、今年4月に障害者自立支援法に沿った施設に移行する準備をしている。「利用者からの『楽しくて休みの日も作業をしたい』という声が支えになっています」
地域の人たちとの交流の機会を作ろうと年に3回ほどフリーマーケットを開く。「利用者が気楽に声をかけてもらえるように地域に溶け込みたい。ハンディキャップのある人もない人も共に助け合いながら存在を認め合う地域になってほしい」と願う。
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冷凍水餃子は作業所で販売しており、10個入り400円、27個入り1000円。餃子作りや材料を育てる畑作業を手伝うボランティアも募集中で、問い合わせは来夢(059・355・1515)へ。開所時間は月~金曜日の午前9時~午後4時。作業所名「来夢」は、設立時に「この作業所で夢を持ち、実現していきたい」という思いで名付けた。
四日市市大井手の障害者小規模作業所「来夢(らいむ)」が新商品「もっちり来夢水餃子(すいぎょうざ)」の販売を始めた。地産地消を追求して商品を開発した所長の堀川まり子さん(58)=同市三滝台=は「障害のある人が作っているからではなく『おいしいから』買っていただける商品にしたい」と語る。【高木香奈】
作業所に通うのは10~30歳代の7人。障害の程度はさまざまで、スナック菓子の袋を店でつるすための穴開けやひも通しのほか、地域のアルミ缶を回収してつぶす作業や自主製品の押し花のしおり付きカード作りをしている。
堀川さんが冷凍水餃子を作業所の新商品にしようと考えたのは08年1月。作業所工賃を上げるため食べ物を扱いたいと考えた時、中国在住経験のある母親が作る水餃子を思い出したという。「小さいころから食べて育った大好きな水餃子を多くの人に楽しんでもらいたいと思いました」と言う。
間もなく中国製冷凍餃子の中毒事件が起き、全国的に餃子の売れ行きが悪くなった。準備を続けるべきか迷った。だが「安全な商品が求められている今、チャンスかもしれない」と決意した。
商品化までに堀川さんと賛助会員の栄養士3人は1年かけて準備した。より良い食材を求めて走り回り、地元の経営コンサルタントや料理専門家を招き月1回、「餃子会議」を開いて試作品に意見を求めた。
08年末にできた商品は野菜や豚肉は四日市産で調味料も地元の会社などの製品を用いた。皮もすべて県産の小麦粉を使いたかったが、県産8割、外国産2割に落ち着いたという。
近所の人向けの試食会を開く一方で、作業時間の短縮を図り、1日に500個作れるようになった。現在は作業所の賛助会員や近所の人向けに販売しており、今後販路の拡大を検討している。「冷凍水餃子は便利で時間のない人の味方。おいしさ、安全さ、お値打ち感には自信があります」と話す。
作業所は、ダウン症の長女、ゆうきさん(31)の親として「みんながのびのびと力を発揮できる場をつくりたい」と仲間と05年9月に設立した。08年11月に現在地に移転し、今年4月に障害者自立支援法に沿った施設に移行する準備をしている。「利用者からの『楽しくて休みの日も作業をしたい』という声が支えになっています」
地域の人たちとの交流の機会を作ろうと年に3回ほどフリーマーケットを開く。「利用者が気楽に声をかけてもらえるように地域に溶け込みたい。ハンディキャップのある人もない人も共に助け合いながら存在を認め合う地域になってほしい」と願う。
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冷凍水餃子は作業所で販売しており、10個入り400円、27個入り1000円。餃子作りや材料を育てる畑作業を手伝うボランティアも募集中で、問い合わせは来夢(059・355・1515)へ。開所時間は月~金曜日の午前9時~午後4時。作業所名「来夢」は、設立時に「この作業所で夢を持ち、実現していきたい」という思いで名付けた。