風子ばあさんの友だちに、よく弟の自慢をするばあさんがいる。
一人暮らしの彼女の近くに住んでいて、なにくれとなく面倒をみてくれるのだという。
電球の取り換え、植木の剪定、買い物時や病院通いのときの車の運転……。
スポーツが得意で、今も登山や水泳を続けているという。
弟がね……、というときの彼女の顔は、どこかうっとりとして見える。
いいわねえ、と風子ばあさんは羨ましい。
彼らの姪の結婚式があり、このときも、弟が迎えに来て式場まで連れていってくれたという。
写真が出来たのよ、ほら。
花の飾られたテーブルには数人のジジババが並んでいた。
えっ? どれ、弟さんは?
これよ、これ、弟。
健康で中肉中背と聞かされていた弟は、風子ばあさんの連れ合いとあまり変わらず、口元にも首筋にもたっぷりと皺のあるただのじいさんだった。
考えてみれば、友だちは、風子ばあさんと同じ年、弟は三つ下というのだから、何も不思議な話ではなかった。
一人暮らしの彼女の近くに住んでいて、なにくれとなく面倒をみてくれるのだという。
電球の取り換え、植木の剪定、買い物時や病院通いのときの車の運転……。
スポーツが得意で、今も登山や水泳を続けているという。
弟がね……、というときの彼女の顔は、どこかうっとりとして見える。
いいわねえ、と風子ばあさんは羨ましい。
彼らの姪の結婚式があり、このときも、弟が迎えに来て式場まで連れていってくれたという。
写真が出来たのよ、ほら。
花の飾られたテーブルには数人のジジババが並んでいた。
えっ? どれ、弟さんは?
これよ、これ、弟。
健康で中肉中背と聞かされていた弟は、風子ばあさんの連れ合いとあまり変わらず、口元にも首筋にもたっぷりと皺のあるただのじいさんだった。
考えてみれば、友だちは、風子ばあさんと同じ年、弟は三つ下というのだから、何も不思議な話ではなかった。