風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

人の噂

2010-06-27 22:40:51 | 口は災いのもと
 人の噂は蜜の味……、という。
 このときの噂は、例え、上品にはじまったとしても、行きつくところ、悪口のことである。

 風子ばあさんの友だちに、人の悪口は一切言わないひとがいる。
悪口を言ったら、次回、その人の顔を見たとき、自分の気分が悪いから言わないのだそうである。
立派なものである。

 別の友だちは、「批判を恐れていては、分かりあえる友になりえません」
つまり、平たくいえば悪口大いに結構、と言っている。

 どちらも親しい友人である。どちらにも敬意を表してつきあっている。
風子ばあさんは、あっち行ったりこっち行ったり、あまり信念のない人間である。
人の尻馬にのって悪口も言う。

 風子ばあさんが関わるボランティアグループの男性リーダーが、仲間うちでひどく評判が悪い。
ケチで愚図で、依怙贔屓する、連絡が悪い、etc……である。
みんなで口に泡してリーダーの悪口を言い合ったあと、一人が、だけど、彼にも効用があるわ、と言った。

 今は、み~んなで、彼の悪口を言って、何事もうまくいかないことは、ぜ~んぶ、彼のせいにしていればいいけど、彼が辞めたら、今度は、誰かが、悪口を言われることになるわ。
 なるほどなあ。ひとにはそれぞれの役割があるものである。