描きかけの劇画を横手に置いて、動画サイトにてジョン・ウェインの「赤い河」を観ている。というより聞いているという方が正しいか。目は小説「挽歌」の字を追っている。
劇画の方は人物は描き終えて、あとは背景部分となっていて、完成までにはさほど時間は掛からないのだが、連日の暑さで意欲を失くしている。小説「挽歌」は映画化されていて何度も見ている。
下の絵はそういう事とは何の関係もない昔に描いたものだ。整理をしていたら出て来た。ジョン・ウェインの似顔絵などを鉛筆でササっと描けば良いのだが劇画を何とかしなきゃと思うばかりである。
あとでジョン・ウェインでも描いてみようか。此処の所デジタル描画とはご無沙汰である。上の絵であるが2006年とある。先に上げたパソコン少年と同時期である。どういう了見で描いたのかは今は思い出せない。
この絵と「赤い河」そして「挽歌」と、共通するのは古いという事だけか。この頃は昨日の事も昔の事も忘れてしまう。描いている劇画は、映画「眼の壁」である。これもまた古い。
手元に戦争文化史なる本がある。全十八巻のうち七冊を所有している。劇画を描く時の資料になるとコンプリートではないが、四十年前くらいに百円で古本屋で入手した。昭和三十三年のもので定価二百五十円とある。
第五巻の主題は「十字軍と中世ヨーロッパ」とある。十字軍については随分と残酷な歴史であるという認識はあった。図版は実際の資料写真以外は日本人画家によるイラストが掲載されていて、これが何とも趣きがあって良いのだ。
それで、少し十字軍について興味を示そうと思う。絵はそういうわけで描いてみたのだが、ゴチャゴチャしていてまとまりがないしデッサンも狂っている。時間ばかりが掛かってしまった。ここで覚えた言葉はテンプル騎士団。
そして、ジャック・ド・モレ―。明日には忘れる猫頭だ。
古い物を整理していたら出て来た絵だ。
この2006年頃というのは、作り始めたホームページ、中年マンガジンが、ようやく体裁を整え始めた頃だ。2001年頃から始めて五年も掛かってしまった。ブログを始めたのもこの頃である。
絵の方であるが、パースが若干狂っているが丁寧に描かれている。今はもう、このような根気はない。
数年前に読んだ。下絵の日付けを見ると2020年とあるから、その頃か。図書館から借りてきた。我が町には渡辺淳一文学館なるものがあって、そこでこの小説のモデルにもなった実在のヒロインの回顧展があったので読んでみようと思った。
映画化もあった。当時に観たのだが忘れてしまった。本の感想をとも思うが面倒なので絵にしてみた。多分に映画の影響がある。下絵は当時、あまり気に入らなかったので没にした。整理していたら出て来たので、ひとつ気晴らしにと思ってペン入れしてみた。
小説の方は、恋愛小説でもなく官能小説でもなく、探偵小説であった。
パイロットの製図用黒インクを何十年も愛用している。最初は開明墨汁を使っていたのだが、ペン先が時間が経つと錆びてくるので止めた。当時はペン先は高価であったのでペン先が開くまで使っていた。
手元に四種類ほどの黒インクや墨汁等があるが、それぞれ書き味が違うのは勿論だが線質も違うから驚きである。描き安さでは墨汁が良いのだが、色の黒さではパイロットの黒インクが一番に濃い。
ために何十年も愛用している。絵は四章の二枚目である。デジタル作業の方は止まっている。やはり絵を描く方が楽しい。連日雨である。自分の所は被害が出ていないが、他の所は大変な事になっている。
自分の住んでいる家も何十年か前に床下浸水をくらっている。先の地震でガタもきている。妻は引っ越したがっているのだが、自分はここで劇画を描いていたい。潰れた時は潰れた時だと腹をくくっている。