机の上

我、机の上に散らかった日々雑多な趣味(イラスト・劇画・CG・模型・HP・生活)の更新記録です。

伊藤彦造画集の事

2007-12-30 22:47:37 | 楽描き
 この頃、書店のコミックコーナーに昔の漫画作品の再版がでています。白土三平のこがらし剣士や桑田次郎のまぼろし探偵そして武内つなよしの赤胴鈴之助などいろいろでています。残念乍ら金銭的理由で購入出来ません。今の書店の漫画本には薄いセロハンカバーがかかっているので立ち読みもできないので手にとって表紙絵を見るだけです。 

 子供の頃の私の家庭はそれほど裕福ではなく月々の雑誌の購読もままならぬ状態でした。ですから漫画作品の多くは最後まで最終回まで見ることはなく大人になってしまいました。友人の家で見たり借りたりで連載作品も断片的です。書店でのリバイバル再版、完全復刻版などを見る度に大人になった今でも金銭的理由で手が出ない現実に苦笑してしまいます。 

 前述のまぼろし探偵も赤胴鈴之助も少年画報という雑誌に連載になっていました。当時よく模倣し
て買えぬうっぷんを晴らしていたのでしょうか見ないで書いていました。近所の子供達や同級生に書いてあげて評判にもなっていました。 

 伊藤彦造のイラストはその少年画報に載っていました。当時は挿し絵画家という肩書きでしたが、今私が手にしている三冊目の画集のタイトルは伊藤彦造イラストレーションです。確かにイラストには違いがないのですが挿し絵画集の方が良かったのではと思います。ちなみに一冊目のタイトルは憂国の画家伊藤彦造とあります。私的にはこれでも良いと思うのですが今風ではないのでイラストレーションにしたのでしょう。

 四十数年たっても金銭的にやりくりして買うのには訳があります。子供の頃、伊藤彦造の絵に憧れ乍ら模倣できない悔しさが今もあるからなのです。大人になれば書けるようになるかもしれないと思っていたあの頃、大人になった今でも伊藤彦造は私の前に立ちはだかります。ペンという剣を持って彼は試合場で待っています。私は返り討ち覚悟で試合場に向かいます。風が雲を呼び雲が雨を降らし嵐を起こします。と、書いてしまうほど伊藤彦造の絵はカッコいいのです。