机の上

我、机の上に散らかった日々雑多な趣味(イラスト・劇画・CG・模型・HP・生活)の更新記録です。

墨にはおけない。

2017-06-30 14:43:00 | デザインの世界
 某漫画家がネットTVで、話しの流れの中で言っていた。
「開明墨汁とGペンは凄い」
確かにその意見は認めるけど、もう何十年も墨汁は使っていない。製図用黒インクを長いこと愛用している。
理由は簡単だ墨汁はペン先が錆びるからだ。ついでに言えばカラス口も知らない間に錆びて使い物にならなくなる。

 昔、煙草の「しんせい」が三十円の頃に一枚二十円のケント紙を使っていた。
ついでに言えばペン先も十円位はしていたと思う。
下描き用の西洋紙でさえ一円していた時代にあって漫画を描くというのは、今にして思えばけっこう贅沢な趣味であった。

 今は一枚七~八円の漫画専用紙を使っている。金銭的には昔に比べ楽になった。
しかしこの紙は以前使っていたケント紙にくらべ使い勝手が悪い。
製図用黒インクとの相性が悪いのだ。どうもインクが紙に対してスムーズにしみこんでくれない。
フリーハンドで描く網線や動線などのすばやい描線が紙に落ちてはくれない。

 劇画を本格的に描き始めて、この六年気にはしながらもやってきたわけだが、この漫画家の一言にどれひとつと机の上の開明墨汁に手をかけた。

 もっと早くに墨汁を使えばよかった。ペン先からの墨の離れが早いのだ。
これはいい。実にいい。
 

可愛い死神

2017-06-24 05:55:00 | 本の読味
 可愛い死神 谷口ジロー著 廣済堂出版 KOSAIDO COMICS

  好きな漫画家の一人である。
実はあまり漫画読みではないのだがこの方の作品は時々読み返す。
読み返すとあるが実は老眼で小さいコミックス判を読む根気はなく絵を眺めるだけである。


GaロHen集長 Naga井勝一 ボクのマンガ戦後史 

2017-06-21 16:01:00 | 本の読味
二十代の半ばに仕事の関係で東京に立ち寄った事がある。目的は御殿場での研修で東京は通過地点であった。
それでも時間があったのでガRo編集部のある青林堂を訪ねてみようと、捜したが辿り着けなかった。
あきらめて神田の古本屋街をうろついて、珍しい本を十数冊買って帰ってきた。

 この本の奥付をみると1982年とある。その頃に発売を待って、買った記憶がある。
本屋のレジの男子が「ボク青林堂に行ってきたんですよ」と嬉しそうに話しかけてきた。
「そうですか僕は東京で捜したんですけど、行けなかった」
「材木屋の二階にあるんですよ」と、うれしそうに語る男子。
そうか平田先生も池上先生も歩いたであろう、あの薄暗い階段を僕は登れなかったわけだ。

 本のサブタイトルがしめす通り戦後の漫画史が語られている。
最初の項は長井編集長のガロ創刊時の苦労話や世間話で始まり、少しづつ話は煮詰まっていくのだが、ここで読むのをやめた。本の内容の全部がよみがえってきたからだ。

 そうか、もう青林堂は無いのだ。
この本買っていたことも忘れていた。
いったことはないけど、なつかしいなぁ。