机の上

我、机の上に散らかった日々雑多な趣味(イラスト・劇画・CG・模型・HP・生活)の更新記録です。

時代の色

2010-11-30 12:21:00 | デザインの世界
ビートルズファンの方々には申し訳ないが当時(ビートルズがデビューした頃)からあまり感心がなかった。

それでも楽曲の何曲かは耳に残り、メロディーを口ずさんだりする事はある。

当時から今日まで、いとまもなくいろいろな媒体から楽曲が流れてきたからだろうか。

1960年代初頭から1970年代中頃まで日本の高度成長期絶頂の頃この四人の若者はいろいろな媒体の色付けしてきた。

確かに彼等は色だった。
ファッション界で言う流行色のようなものだったのだろうか。

いや、それ以上の牽引力があったかもしれない。

初期の頃まだ無名だった彼等のスティール写真を見るとモノクロだった。

ロックンローラー全開の出で立ちでギターをかまえたその姿はモノクロでこそ冴えわたっていた。

少ししてからの彼等は例のマッシュルームカットに細身のネクタイに黒のスーツ姿だった。

レコードジャケットにもモノクロームな四人を配したものがあったように記憶する。

なによりも彼等の主演した映画もモノクロであった。カラーが当たり前であった時代に人気も充分にあった彼等に予算削減はなかったと思う。

映画はまるでチャップリンに代表される無声映画時代を偲ばせる仕上がりだったと記憶する。

1960年代初頭アメリカのロックンロールが衰退の兆しをみせはじめた頃入れ替わる様にして彼等は登場した。

彼等にとってロックンロールは懐かしい昔の白黒写真だったのだろうが、同時に憧れでもあったはずだ。。
あまりに緻密に計算された白と黒はその後彼等が使うおびただしい原色の伏線だったのだろう。

当時の世界情勢や広告媒体などを振り返ってみても彼等がふりまいてきた色と合致し、報道写真一枚を見ても化粧品の広告写真一枚にしても彼等四人が透かして見えてくる。

確かにベトナム戦争は憂鬱な白黒だし、その後登場する戦争反対を象徴するヒッピーなどはカラフルな原色だった。

彼等四人も彼等を取り巻く音楽シーンもカラフルになって行き、時代は豊潤になっている様に思われたがほどなく失墜する。

彼等が解散すると同時に先進諸国の経済も衰退してゆく、我が日本も同様の道を歩む。

初期から中期、後期といろんな時代の背景色を紡いできた彼等だが受けとる側人それぞれによっては見える色が違うだろう。

だが、白黒から出発しその後カラフルになり灰色の無彩色で幕を閉じた、という印象に賛成はしてもらえないだろうか。

ビートルズのそれほどのファンでもない者が語るのもおこがましいが彼等がふりまいてきたその時々の色は今もよみがえってくる。

ミュージシャン以上にデザイナーでもあった彼等。

彼等の音楽はもとよりステージ、ファッション、レコードジャケット、etc。

いろいろな意見もあるのだろうが、彼等の色使いを今、改めて勉強をするという事には賛成願えるのではないだろうか。

だが、全体を通しての印象は白と黒だ、矛盾している様だが、あの原色達はやはり夢まぼろしだったのだろう。

あの時代がそうであった様に。


なんだか、とりとめない文章だがつづきとする。