「ブランカ」
谷口ジロー著
スペイン語で白いという意味らしい。
(いつもながら手元に資料も無く記憶で書いているので間違っているかもしれない、その辺のところ御容赦願いたい。)
ブランカは英語のブランク(空白)に通ずるから、凄い白に違いない。
そう思わせるほど本編に登場する白い犬は凄いシロ、ブランカなのである。
先に谷口ジロー氏は上村一夫氏のアシスタントをしていたと記したが、実は石川球太氏のアシスタントもしていたと著書の略歴にあった。
石川球太氏は古くは創刊当時の少年サンデーに「少年ケニヤ」を連載されていた方だ。
今も印象に残っているのは少年マガジン(多分)に連載されていた「犬丸」である。
多数の犬を操る、忍者マンガと記憶している。
石川球太氏はその世界では四つ足、とくに犬が素晴らしいと評判の方だ。
宮谷一彦氏という漫画家がいる。
この方の作品に「東京屠民エレジー」というシリーズがある。1970年代半ば頃と記憶する。
このどれかの短篇に二コマにわたって野犬が登場する。
これを見た時、実に石川球太氏の絵に似ているなと感じた。
それは当たっていて実際に石川球太氏が書いていたと後から分かった。
石川球太氏と宮谷一彦氏と知り合いになり意気投合して将来、合作して戦闘犬の話しを書こうと意気込んでいる様を雑誌で読んだ記憶がある。
1970年代も終盤頃に宮谷一彦氏の作品の後書か、なにかに記されていたと思う。
宮谷一彦氏の事は後述するとして。
ともかく居酒屋かあるいは両氏のいずれかのお住まいか定かではないが話しはかなり具体的だった、と記憶する。
月日は流れども両氏共々あるいは別々でもその後そういう作品を見る事は無かった。
それどころか両氏はそれ以後雑誌にあまり登場しなくなった。
石川球太氏は御高齢と察すれど宮谷一彦氏は油ののりきっていた時期だった。
ともあれ第三の劇画家、谷口ジロー氏は登場した。
そして両氏の語らいから10年の後に「ブランカ」は世に出た。
谷口ジロー氏は両氏が話していた傍らに居たのだろうか?
勝手な推論だが、そう思えてしまうほどこの作品「ブランカ」は両氏の熱意が見え隠れするのだ。
疾走する犬の躍動感あふれる描写は石川球太氏譲り、細かく精緻な背景描写は宮谷一彦氏の影響と考えれば合点がいく。
マンガでも漫画でも萬画でもコマ画でも劇画でも、呼び方はどうでも、
谷口ジロー氏の作品はそれらすべてを背負って立っている。
70年代に登場して80年代で「ブランカ」で疾走して、
90年代に「犬を飼う」
そして今「歩く人」等。
谷口ジロー氏と共に年齢を重ねてこれた事を幸せに思う。
(写真はブランカ1巻 帯に、これが劇画の到達点だ!と、書かれている。)
谷口ジロー著
スペイン語で白いという意味らしい。
(いつもながら手元に資料も無く記憶で書いているので間違っているかもしれない、その辺のところ御容赦願いたい。)
ブランカは英語のブランク(空白)に通ずるから、凄い白に違いない。
そう思わせるほど本編に登場する白い犬は凄いシロ、ブランカなのである。
先に谷口ジロー氏は上村一夫氏のアシスタントをしていたと記したが、実は石川球太氏のアシスタントもしていたと著書の略歴にあった。
石川球太氏は古くは創刊当時の少年サンデーに「少年ケニヤ」を連載されていた方だ。
今も印象に残っているのは少年マガジン(多分)に連載されていた「犬丸」である。
多数の犬を操る、忍者マンガと記憶している。
石川球太氏はその世界では四つ足、とくに犬が素晴らしいと評判の方だ。
宮谷一彦氏という漫画家がいる。
この方の作品に「東京屠民エレジー」というシリーズがある。1970年代半ば頃と記憶する。
このどれかの短篇に二コマにわたって野犬が登場する。
これを見た時、実に石川球太氏の絵に似ているなと感じた。
それは当たっていて実際に石川球太氏が書いていたと後から分かった。
石川球太氏と宮谷一彦氏と知り合いになり意気投合して将来、合作して戦闘犬の話しを書こうと意気込んでいる様を雑誌で読んだ記憶がある。
1970年代も終盤頃に宮谷一彦氏の作品の後書か、なにかに記されていたと思う。
宮谷一彦氏の事は後述するとして。
ともかく居酒屋かあるいは両氏のいずれかのお住まいか定かではないが話しはかなり具体的だった、と記憶する。
月日は流れども両氏共々あるいは別々でもその後そういう作品を見る事は無かった。
それどころか両氏はそれ以後雑誌にあまり登場しなくなった。
石川球太氏は御高齢と察すれど宮谷一彦氏は油ののりきっていた時期だった。
ともあれ第三の劇画家、谷口ジロー氏は登場した。
そして両氏の語らいから10年の後に「ブランカ」は世に出た。
谷口ジロー氏は両氏が話していた傍らに居たのだろうか?
勝手な推論だが、そう思えてしまうほどこの作品「ブランカ」は両氏の熱意が見え隠れするのだ。
疾走する犬の躍動感あふれる描写は石川球太氏譲り、細かく精緻な背景描写は宮谷一彦氏の影響と考えれば合点がいく。
マンガでも漫画でも萬画でもコマ画でも劇画でも、呼び方はどうでも、
谷口ジロー氏の作品はそれらすべてを背負って立っている。
70年代に登場して80年代で「ブランカ」で疾走して、
90年代に「犬を飼う」
そして今「歩く人」等。
谷口ジロー氏と共に年齢を重ねてこれた事を幸せに思う。
(写真はブランカ1巻 帯に、これが劇画の到達点だ!と、書かれている。)