机の上

我、机の上に散らかった日々雑多な趣味(イラスト・劇画・CG・模型・HP・生活)の更新記録です。

斜陽

2017-05-25 06:18:00 | 本の読味
 太宰治の「斜陽」を読んでいる途中である。
若い頃に二十代の初め頃だろうか、太宰の生家である津軽の斜陽館をおとずれている。
記念にと通りすがりの小学生だか中学生だかの男の子にカメラのシャッターをお願いした。
門前をバックに写してもらったのだが、現像してみると写ってはいなかった。
わざと押すふりをしてシャッターを切らなかったのか、あるいは悪意はなくシャッターが浅かったのか、今も疑問である。
なんだかその時の男の子のそぶりが不審な気がしたので、押さえで門前を写しておいた。
残念ながら自分無しの写真が一枚手元にあるのは悔いが残る。
男の子の具体的な顔は忘れてしまったが、愛想のないあの虚ろな目の感じだけは今も憶えている。
「あいつ押さなかった」
胸に相当焼き付いているらしく、時々憶い出す心の一枚である。


HらSつ子という役

2017-05-23 14:15:00 | 映画の味方
 女優「HらSつ子」を演じてきた方です。



 日本の古典的な女性を演じてこられましたが、それらの役柄が気に入らなかったようです。
窮屈な映画人生だったと後述しています。

 戦争にいってきた父の話です。「当時の兵隊さんの胸のポケットには必ずといっていいほど、この人の写真が入っていた」
 
そういうわけで子供の頃から馴染みであった女優さんではありますが、出演作を観るようになったのは、この五年六年でしょうか。
きっかけはH田先生の御宅へお邪魔したとき、先生がしみじみと「東京物語」はいい映画だなあとおっしゃたのです。
正直、子供の頃からTVなどで小津作品は何本かは観てきましたが、「東京物語」がどういう映画だったか憶い出せずフリーズしてしまいました。