机の上

我、机の上に散らかった日々雑多な趣味(イラスト・劇画・CG・模型・HP・生活)の更新記録です。

映画の味方

1972-01-29 03:27:00 | 楽描き
この日の二十年前に札幌で生まれました。

時間は不明です。今度母に訪ねてみようと思います。

生前、父は憶えていないと言っていました。

生まれて一年もしないうちに札幌から士別へ引っ越します。

後年、お世話になった画家の上野憲男先生はおっしゃていました。

「そうか その年に生まれたのか」

「俺はその年に志を抱いて東京に出た」

「十九才の時だった」

「前のめりで札幌の街を歩いていたら街頭スピーカーから流れていたな」

「江利チエミのテネシーワルツが」

「忘れられないなぁ」

先生は南高の出身であの映画「阿寒に立つ」のヒロインとその原作者である渡辺淳一氏と机を並べていたそうです。

とりまきの芸術家の卵らしき若者達が口々に言ってました。

先生に問いただすと、否定も肯定もせずに只笑っておられました。

先生は渡辺淳一作品の新潮文庫ニ作品に表紙絵を描かれておられます。

札幌が舞台ですから、もうおわかりでしょう。

四月に道立近代美術館で行われた「北海道の作家展」で久し振りに先生の作品にお会いする事ができました。


映画「白痴」を観るとその頃の札幌の停車場が見れます。

父はこの映画のロケ時の見物人の整理係をしたそうです。

当時、父は有楽館の映画の看板の仕事をしたいましたから、その縁故で頼まれたのでしょう。

中島公園でのスケートのカーニバルシーンでもエキストラで出たと言っていましたが、父の姿は確認出来ません。

生前に仮装の格好も教えてもらいましたが忘れました。

父なら解るのでしょうが、残念乍らこの映画を観る事が出来たのは父の死後です。

今でもこの映画を古いアルバムでも見るように時々観ます。

難しい映画ですが、戦中戦後と父が原節子に憧れる気持ちがわかります。

2013・8・16 記