monologue
夜明けに向けて
 



わたしの帯状疱疹の症状は右目まわりから右頬、上唇、口中の上顎の疱疹だった。ヘルペスウイルスに対する抗ウイルス剤アシクロビル点滴治療を始めてすぐ口中の疱疹は退いた。右顔半面に仮面をかぶっているような感覚は退院した今も続いている。とにかく1週間24時間ひたすら点滴を受け続けなければいけなかった。ベッド上で点滴の管や心電図モニターのワイヤーにつながれて動けないまま毎日を過ごした。角度を自動的に変えられるベッドを起こして食事をしても運動ができないので便意が起こらなかった。まわりの患者さんたちも便が何日も滞って看護師さんに摘便してもらったり薬を使用していた。ベッド上の排便はむづかしい。家で毎日好きなときに排便できることの幸せにこんな時に気付く。それは当たり前のようで実は幸せなのだった。
fumio

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