monologue
夜明けに向けて
 



わたしの血管は細くて点滴の針を腕の静脈に刺しにくい。血管が逃げるというのだ。以前入った病院でも看護師たちが「心が折れる」といって針刺しのうまい同僚に頼んでいた。今回の入院でも、女性看護師が入れ替わりトライしてうまくゆかないので最後に男性がやってきて一応刺せて終わったのだが翌日、腕が腫れているということでやり直しになった。残念ながら新人看護師には無理で次から次に交代してトライした。それで一番先輩という女性看護師がやってきて腕はあきらめて手の甲の静脈に針を刺した。新人たちは「助かりました」と何度も礼を述べていた。わたしが「看護師さん泣かせですね」というと「わたしは泣かないけれど、あなたが泣くでしょ」と言われた。
それで翌日の担当看護師が一旦針を抜いて普通の腕の内側の静脈に点滴の針を刺そうとトライした。数人が苦戦するうちに逃げる静脈にやっと突き刺せて点滴が落ちだした。めでたしめでたし、とにかくいつもわたしの点滴や採血の時は大変。退院した今も腕の内側に赤黒く針刺し苦戦の跡が残っている。
fumio

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