monologue
夜明けに向けて
 



幼い頃から何度も読んだが、人生の終わりに近づいた自分が今現在どのような感想を持つのかと思って、青空文庫で芥川龍之介の「杜子春」を読んでみた。「杜子春」は宋の『太平広記』巻十六、唐の李復言『続玄怪録』唐代伝奇「杜子春伝」を芥川龍之介が翻案した小説であるという。ウエブに日本と中国、二つの「杜子春」というサイトがあったので原典との比較を見てみた。さすがは芥川と感心した。原典ではピンと来なかったりしても芥川の翻案の腕前によってわたしたち読者は子供から老人までそれぞれがそれぞれにこの物語に感動して人生について深く考えたり意味を悟ったりするのである。やはり芥川龍之介の「杜子春」は今読んでも幼い頃読んだ感動を蘇らせてくれる傑作だった。
fumio

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