monologue
夜明けに向けて
 




それはいつともしれぬある午後のこと、白黒映画のような世界にわたしは立っていた。まだ小学校に入ったばかりのような少年が近寄ってきてこみあげる笑いをこらえながら「ねえ、おじさん、おもしろい話をしてあげる」という。「あのね、あるところに白い犬がいたの。顔が白くておなかも白くて足も白くてしっぽも白かったの。ねえ、ねえ、尾もしろかったでしょ、おじさんもお話してよ」「おじさんは面白い話は知らないからおもしろくない話をしてあげる。あのね、あるところに白い犬がいたんだ。顔が白くておなかも白くて足も白くてしっぽだけは黒かったんだ。尾もしろくなかったでしょ」「うん、おもしろくなかった」そういって少年は白黒映画の世界からどこともなくかけぬけていった。今度はどこかのだれかにおもしろくない話をしているのだろうか。
fumio

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 95/04/13 開かずの扉、残るは3つ。萬灯を掲げて百鬼夜行の列は進む‥
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このメッセージのように萬灯を掲げて百鬼夜行の列は進むとばかりに人類は進んできたが
最後の開かずの扉の三つのうちの一つが開いてきたらしい。
「叩けよさらば開かれん」とその扉を叩いた京都大学の山中伸弥教授のような人々。
一度の失敗で神経が切れても初期化して正しいDNA情報によって生成してゆけば元に戻る。
開かずの扉は、残るは2つとなってもだれかがその扉を叩きすべての扉が開く時が来るのだろう。
fumio

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