monologue
夜明けに向けて
 



    1997年4月15日、朝四時過ぎに家の前で鶏が鳴いた。
なにかと思って見に出ると普通の雄鶏がいた。どこから逃げてきたのかわからない。近所の人も首を傾げる。何度か鳴いてしばらくウロウロしていたが姿が見えなくなったのでどうしたかと思っていると翌朝も朝を告げる声がした。その後、姿を見ることはない。
あの日、わたしの家の前にやって来て夜明けをどうしても告げたかったらしい。もうあれから13年経過した。はたして今現在、夜はどのくらい明けたのだろうか。
fumio


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