monologue
夜明けに向けて
 



***

 月の娘は、皿を割った
 木星王は嘆いた
 赤い目をした大地の子供は笑った

 夢魔は去った
 だが夢も去った

 鎖で繋がれた巨人は
 大地の重みに堪えかねて
 自らの踵を噛んだ
 
  灰色の陰は大鷲の老いを示す
  飛び石の向こうには、
  約束された緑の大地は無い
 
  私は言葉を切り揃えはしない。
  私は音を大事にする。
  私は木の葉擦れの間で息をしよう。

  人よ、人であれ。
  他人の水晶を覗いて、
  嘆くのは止めよ。

「SOUNDとこの部屋の仲間へ」より


***********************************


「飛び石の向こうには、
 約束された緑の大地は無い」
米国イリノイ州シカゴからカリフォルニア州ロサンジェルスへとつながる国道ルート66を2000マイル以上ひたすら走るとサンタモニカ海岸に出る。そしてそのまま太平洋の海底を走れば日本はルート66の最終到達地になる。大地のもつ数は六。さすればそのルートは666なのである。

   
 紀元の始まり頃、わたしたちの祖先は中央アジア、パミール高原に天降(あも)りした。その「天・海」(あま)族は二手に分かれて東方の約束の地を目指した。イザナギ、イザナミを長とする一隊は陸づたいに日本に達して九州日向地方に居住した。かれらは日向族と呼ばれて象徴となる数は三で、トーテムは八芒星であった。 一方、別の一隊は海洋を旅して出雲地方に上陸した。こちらは八の数で表され、トーテムは三日月である。かれらの到達した約束の地、日本から太平洋を臨めば飛び石とみえる島が多いが その向こうにあるアメリカ大陸には「約束された緑の大地は無い」という。この地、日本(ひのもと)そのものが「約束された緑の大地」なのだから。
fumio


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )