Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

ひるがの高原サービスエリアで迷子になった男の子

2015年05月05日 | 旅行

 5月5日(火)

 先日北陸旅行中の出来事だが、初夏のような日差しの中、長良川源流の大日ヶ岳登山を終えた我々夫婦は、麓の「湯ノ平温泉」にドップリ浸って山の疲れを癒し、東海北陸道の「ひるがの高原サービスエリア」に移動した。

 明日は高山観光の予定なので、今宵はここで車中泊とする。地名のとおりここは高台に在り大変眺めが良い。それをサカナにビールを飲もうと思ってたのに、サービスエリアに到着する直前頃からザンザ降りの雨になってしまった。

 それでも湯上りのビールは堪えられない。車内で飲んでいると、妻が「あの子ちょっと変だよ。」と言う。雨の中、不安げな顔でアチコチ動き廻る男の子がいる様子だ。妻は「私ちょっと見てくる。」と言って車外に出た。

 私は「又いらぬお節介を」と思いつつ、しばらく飲んでいたけれど、中々戻って来ない。気になって様子を見に行ったら、公衆電話の所に小学生位の男の子と妻がいた。

 話しを聞くと、男の子が外に出ているうちに、彼の両親と兄弟が乗った車が彼を置去りにして出発してしまったようなのである。一瞬この子遺棄されたのではと思ったが、それにしては男の子の服装は身綺麗でしっかりしているし、不安だろうに彼の表情も気丈で賢そうな子だ。

 妻の話では、「両親の携帯の番号は判らないけど実家の電話番号は知っており、先程お婆ちゃんに連絡して母親へ連絡中」なのだと言う。私の携帯で再度実家に電話すると「母親へ連絡がつき、今ひるがの高原に向かっている。」との事。

 男の子は外で待つと言うが、彼の服は雨に濡れ風邪をひく恐れもある。無理やりサービスエリア内のレストランへ連れて行き、「車は右の方から来るから、ここで待って居て自分ちの車が来たらパッと走って行きな。」と言って彼を入口近い場所に座らせた。

 もう親が来るのは間違いないから、あまり出しゃばるのもと我々は離れて見守った。妻が事情を話したとみえ食堂や売店のお兄さんお姉さんも気を遣い、男の子に甘いゼンザイを出してあげたり話し相手になってあげていた。

 30分位経っただろうか。彼の両親が慌ただしくやってきた。まだ若い親御さんだ。母親に抱かれた男の子は不安の糸が切れたのだろうか大粒の涙を流して泣いていた。それを遠くから見ていたら、こっちもグッときた。

 そのうち男の子と彼の両親が居なくなったので、一緒に出発したんだろうと安心し、さあビールでも飲んで晩飯だと思っていたら、ショッピング中の妻が戻って来た。既に出発したと思われた男の子とご家族は、妻を捜していたのだと言う。「お礼を言われたわ。」と話す妻も嬉しそうだった。

 こんな出来事があったからいう訳じゃないが、妻はけっこう感の鋭いところがある。これが他人に向けられている時は何の問題も無いのだが、私に向けられると甚だ迷惑な事が多々生じてくる。感の鋭い妻の存在は、夫にとって決して喜ばしい事では無いのだ。

 ひるがの高原サービスエリア(奥に大日ケ岳が見える。)

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