12月25日(日)
この映画はアニメにしては珍しく戦争の悲惨な状況を描いた物語です。主人公のすずは心根の優しい10代の乙女、彼女はお見合い結婚で、夫周造の住む広島県呉市に移り住む。
夫の家族達とも慣れ親しみ慎ましくも幸せな日々を過ごしていたすずであったが、戦況の悪化とともに軍港呉市は度々激しい空襲を受け、次々と身近な人を喪う。彼女自身も右手を失い、広島への原爆投下では彼女の両親も亡くなってしまう。
そんな過酷な戦禍を生き抜いて戦後の焼け野原から、すずは優しい夫と共に力強く立ち上がろうとする。悲惨な暗闇から僅かな明るい未来を予感させて映画は終わった。
感動的な良い映画だった。すずを演じたのんさんの声が、素直で可愛くて見事に主人公とマッチしている。悲惨な戦争を描いた映画なのに、アニメの絵柄が優しく愛らしくて、ホノボノとした温かい気持ちにさせてくれる。これはアニメ映画不朽の名作と言って過言でない。五つ星のお勧めです。観なきゃ後悔します。是非観てください皆の衆。