5月6日(木) 天気=晴れ
07:40三本滝駐車場➝ 09:50位ケ原山荘分岐(雪崩発生地点)➝ 10:57~11:05肩ノ小屋口➝ 11:40肩ノ小屋➝ 11:58~12:01摩利支天岳➝ 12:08~12肩ノ小屋➝ 12:22~28肩ノ小屋口➝ 13:06位ケ原山荘分岐➝14:24三本滝駐車場
乗鞍岳の春山バスが4月29日から標高2350mの位ケ原山荘まで運行を開始したとネットで報じていた。これを利用すれば我々夫婦でも雪の乗鞍岳に登れるかもと思い、乗鞍高原のバスターミナルまでやってきた。
しかしバス乗り場の看板には「今日の午前9時半便まで道路凍結の恐れがある為、運行停止します。」と張り紙が貼られていた。モチベーションの下がった妻は「上高地の散策でもする」何て提案する。
せっかく登山準備をしてきたのに敵前逃亡みたいに逃げるのは悔しい。マイカーが行ける最高地点の三本滝駐車場まで車で行って、そこから登れる所まで登ってみる事にした。
駐車場には既に十数台の車が停まっており、ポツポツと人が乗鞍岳を目指して登り始めていた。その大部分は山スキーやスノーボードを楽しむ人達だが、何人か登山目的の人もいたので少し心強かった。
最初は乗鞍高原スキー場のゲレンデを登って行く。雪が溶けて現れた地面には、食べごろのフキノトウが群落で咲き誇っている。ゲレンデ最上部から、いよいよ春スキーコースに入る。
眼下の三本滝からゲレンデを登って行く(地面にはフキノトウがいっぱい咲いている)
ゲレンデ最上部(中央奥が春スキーコース)
緩やかなコースを進んで行くと急坂になったのでアイゼンを装着する。トレイルが続く雪面は概ね堅いので、夏道を行くよりむしろ楽かもしれない。暖かな陽射しの中で、吹き渡る清涼な風が熱った身体にありがたい。
コース沿いに登って行く
同 上
標高を上げて行くと樹林越しに乗鞍岳の最高峰、剣が峰や高天ケ原のピークが姿を現した。更にツアーコースを進んで行くと、急坂の手前に「位ケ原山荘分岐」と書かれた標識があった。
樹林上に高天ケ原(左)と剣が峰(右)が見えてきた
位ケ原山荘分岐の標識(左が雪崩事故を知らせる立札)
その横にもう一つの標識があり、それにはここが「今年の3月14日に死亡事故を起こした雪崩発生現場である」と書かれていた。雪面が固くなっているので大丈夫とは思うが、雪崩発生現場の通過は少し緊張した。
急坂を登り切るとまだ雪に埋まった乗鞍エコーラインの道路に達し、正面に主峰の剣ケ峰が聳える広々とした雪原が広がった。雪面に刻まれたトレイルに沿って直線状に、剣ケ峰と摩利支天岳の鞍部目指して登って行く。
大雪原の奥に剣ケ峰(左)と摩利支天岳(右)が聳える
雪原の北には圧倒的な存在感で穂高連峰が
やがて小さな小屋が2軒建つ肩ノ小屋口に着いた。ここは乗鞍エコラインのバス停で、夏山では剣ケ峰への登山口になる。肩ノ小屋口を通過し、更に40分ほど登って、剣ケ峰と摩利支天岳の鞍部に建つ肩ノ小屋に着いた。
遠くに肩ノ小屋口の小屋が見えてきた
肩ノ小屋口の建物
肩ノ小屋口を通過
肩ノ小屋はかなり大規模な建物だが、今は無人で固く閉ざされている。三本滝駐車場を出発して此処まで4時間を要したが、剣ケ峰には更に250mほどの標高差がありまだ遠い。
肩ノ小屋から摩利支天岳山頂のコロナ観測施設
「私は疲れたから、此処で引き返すわ」と妻が言ったので、私は妻を小屋で待たせ、単独で近くに聳える摩利支天岳(2873m)を往復した。踏み跡の無い雪面を直上して着いた山頂には、太陽コロナの観測施設が建っているが人の気配が感じられない。山頂からの展望は素晴らしく、南に乗鞍岳最高峰の剣ケ峰、北にはやり穂高連峰が望まれた。
摩利支天岳山頂のコロナ観測施設
山頂から北アルプス槍穂高連峰方面
山頂から最高峰の剣ヶ(眼下に肩ノ小屋)
山頂横の鋭いピーク
サッと写真だけ撮って直ぐに肩ノ小屋へ戻り、妻と二人で下山を開始する。陽光に暖められて柔らかくなった雪面に足を取られ少々苦労したが、降りの道は早く、肩ノ小屋から2時間余で登山口の三本滝駐車場へ戻って来た。
肩ノ小屋口付近の降り
青空にダケカンバの木が映える
雪崩事故現場付近の降り
樹林帯のスキーコースを降る
スキーゲレンデが見えてきた
三本滝駐車場到着
計画ではバスを利用して楽に乗鞍岳登山するつもりだったが、バスに乗れなかった事で思ったよりハードな登山になってしまった。お陰で剣ケ峰は登頂できなかったが、雪山気分を味わうという点では、この方が良かったかもしれない。剣ケ峰には又何時か登れる日が来るでしょう。
サッこの後下山して、山麓の休暇村乗鞍高原に連泊し、明日~明後日は温泉&観光を楽しむ予定です。その内容は後日のブログで発信します。