私は終戦直後に生まれた所謂団塊世代である。優れた資質がある訳で無く、平々凡々に過ごしてきて自分が恵まれた人生を歩んだとは思わないが、生まれた時代については、本当にラッキーだったと思う。
仮に私が30年早く生まれたとしたら、赤紙で徴兵され一兵卒として戦場に駆られ、屍と化した確率がかなり高い。
又30年遅く生まれたら、就職難の世ノ中で何の取柄も無い私は正社員となるのは困難で、良くて契約社員くらいだろう。そして不況を口実に契約を打ち切られファミレス難民となって路頭を彷徨った確率がかなり高いであろう。
何しろ団塊世代が社会に出る頃の日本は高度成長期で、我々は「金の卵」と呼ばれバカでもチョンでも何がしかの職に就く事が容易であった。だから取柄無しの私でも定年まで職を全う出来、妻にも逃げられず、借金取りにも追われず、贅沢はできなくても平凡でささやかな年金暮らしを維持できている。これ一重に「生まれた時代が良かった。」の一言に尽きる。