風竿の「人生の達人」烈伝

愛すべき友、仕事・趣味の磯釣り・ゴルフ・音楽、少しの読書などにまつわるあくまで「ヒト」に重点をおいたブログです

ただの季節の変わり目の頃

2012年03月12日 22時48分13秒 | 風竿の音楽夜話

かけがえの無い友人が大好きだった歌がある。

私も、呑んで一曲という場面で、何度も挑戦したのだが、

どうしても唄えなかった。

この世に居なくなった彼を思い出すための、ビデオのスイッチを入れるようなもので、途中で涙が溢れてくるからなのだ。

でも、今夜は撮りたてのしだれ梅の写真をアップしていたら

またしてもその、「問題作の歌」を想い出してしまったんである。

その方程式はこうだ。

荒木一郎という往年のシンガーソングライターが居た。

加山雄三と双璧をなす位に人気者だった。

昭和41年だから私はまだ中学生だった。

彼はラジオで「星に唄おう」という番組を持っていて、そこで自作の歌を発表したことから、じわりじわりと世間が認めるところとなった。

そんな彼の歌に「梅の実」という佳曲があったのだ。

それで「梅の実」 ⇒ 荒木一郎 ⇒ 「空に星があるように」

に行き着いた次第。元来単純なのだ私は。



友人は、酔うといつもこの歌が十八番(おはこ)であった。

少し照れながら、この歌を噛みしめるように唄った。

それは彼のスルメのような人柄を表すような誠実な唄い方であった。

サビの部分になると音程がもたつくのを何度もなおしてあげてたら、いつのまにか、随分と上手く唄えるようになっていたものだ。

彼は、今思えば白梅のような男だった。

そう思えて仕方がない・・・・、

 

春に小雨が降るように

秋に枯葉が散るように

それは誰にもあるような

ただの季節の変わり目の頃     である。