北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
「人生の救い~車谷長吉の人生相談(車谷長吉著・朝日文庫2012刊/初出2009.4~2012.3朝日新聞悩みのるつぼ)」を読んだ。車谷長吉(くるまたにちょうきつ1945~2015)は、慶応大学(文学部/独文科)卒。広告代理店/総会屋下働き/下足番/料理人を経て、作家となる。1993“塩壺の匙”で芸術選奨文部大臣新人賞/三島由紀夫賞/1997“漂流物”で平林たいこ文学賞/1998“赤目四十八瀧心中未遂”で直木賞/2001“武蔵丸”で川端康成文学賞を受賞。著書に“灘の男/物狂ほしけれ/四国八十八ヶ所感情巡礼/阿呆者/妖談/人生の四苦八苦”など多数。----------
この本「人生の救い」の目次は次の通り。“運不運で人生が決まるの/車谷先生でも夫婦仲がいいのに/教え子の女生徒が恋しいんです/心配に取り付かれています/ケチでみみっちい夫に幻滅/人の不幸を望んでしまいます/義父母の同じ自慢話にうんざり/40年連れ添った妻の浮気で/憎しみを癒したいのです/健康な人に嫉妬してしまいます/妻が新興宗教に凝ってます/結婚に性交渉は必須ですか/義理の親を看取る理由は/お金に執着してしまう/死ぬのが怖いから生きてるの/刺身のツマまで残さない私/好きという感情が分からない/80近い夫がまた悪い癖を/愛猫を引き殺された恨みを/同僚女性がむかつきます/万引きしたくなります/小説が書きたいです/口汚い妻にうんざりです/酒の適量が分かりません/一心に人を愛したいと思い/72歳の祖父に困っています/意味のないことはやりたくない/人生の目標の立て方は/老いる素晴らしさはある/同期に昔のいじめっ子が/努力する意味が見つかりません/中学受験の失敗が尾を引いて/自分を好きになりたい/道外れた弟が心配/身体的特徴を言われるのが嫌/だらしない母を変えたい/父が女性の下着を持っています”、“解説(万城目学)”------------
この本「人生の救い」の裏表紙の抜き刷り文は次の通り。最後の文士にして/“反時代的毒虫”。老若男女からの投稿による身の上相談に答える。切実な問いに著者が突き付ける回答とは。----------
車谷長吉氏は、この本「人生の救い」発刊の3年後に他界されており/ファンは必読の一冊となってしまっている。