21世紀航海図;歴史は何も教えてくれない。ただ学ばない者を罰するだけ。

個人の時代だからこそ、個人を活かす「組織」が栄え、個人を伸ばす「組織」が潤う。人を活かす「組織」の時代。

デフレ・マインドの破壊

2015年08月29日 20時41分05秒 | Weblog
日本経済がデフレから抜け出せずにいる。

経済の構造改革が進まないのが根本的な問題だ。

最低賃金の引き上げは、ほとんど進まず、労働生産性は上がらない。
規制緩和も進まず、新規の創業が増えない。
労働力の流動性も低く、老害がひどい。能力のある人材に、適切な仕事を回せない。
自由貿易圏の拡大計画も交代し、国際市場から取り残されようとしている。 世界では、地産地消+適地適作が進む

日本経済をデフレ・スパイラルから脱却させるためには、構造改革が求められる。
デフレの問題を根本的に解決するためには、構造改革が必要なのである。 安倍首相に「第3の矢」を用意してもらう必要がある。




一方で、デフレ対策には、「対処療法」もある。 経済の構造改革に時間がかかるのであれば、対処療法的にデフレ脱却を進めるのである。 そこで、「デフレ・マインド」に注目する。1996年頃から議論されている手法である。

 デフレには、消費者の「気持ち」の問題もある。デフレ期間が長く続いたことで、インフレを知らない・覚えていない世代が多い。
常に、今日よりも明日、明日よりも明後日のほうが安く製品を手に入れることができた。そのため、不要不急のものを買わない生活が習慣化している。 デフレ・マインドだ。


 この状況(デフレ・マインド)を破壊するためには、消費者に、明日には値上がりしているかもしれない、「明日まで待たずに、今日買ってしまおう」と思わせる必要がある。つまり、「インフレ」が必要だ。 人工的にインフレを起こすことで、デフレ・マインドを破壊する。
 すべての製品の小売価格を、継続的に上げるのである。 

しかし、政府が全ての製品の小売価格を管理するのは現実的ではない。そこで、1996年頃から継続的に議論されているのが「消費税の段階的引き上げ」である。


例えば、毎年4月1日に消費税率を1%上げれば、小売価格は自然と1%前後上昇する。これを5年程度続けると、人工的・継続的に「インフレのような状態」を続けることができる。 デフレ・マインドを破壊できるはずだ。 一方で、政府・小売企業の事務手続きが煩雑になることで、負の影響もある。 税収は確実に増加するため、財政再建の役には立つだろうが、それ以外は「机上の空論」である。  

デフレ・マインドを破壊するために、実際的に効果があるのか? 
物価の上昇で個人消費が減少するのではないか? 
デフレ・マインドから脱却しても、どの程度経済効果があるのか? 
は、試してみないと分からない。



「社会実験」としては、今回の2段階の消費税増税は、絶好の観察機会になるはずだった。
5%→8%の増税
8%→10%の増税
の2段階の増税を計画通り実行することで、「個人消費減退への悪影響」、「デフレ・マインドへの影響」を観察できるはずだった。 しかし、その2段階目の増税延期の影響で、その機会は失われた。

2段階の増税で「物価が継続的に上昇する」はずだったのが、1段目と2段目が長期間空いてしまったために、1段目の増税の後にも「デフレ状態」が発生してしまった。 物価を継続的に上昇させる状況は作り出せなかった。

社会実験に再挑戦するためには、3段目として10%→12%への消費税増税を計画する必要があるが難しいだろう。 何と言っても、素早く進める必要がある。 8%→10%への増税から期間が空いてしまうと意味をなさない。



1996年から議論されている手法で、既に20年が経とうとしている。しかし、現役の政治家には、その重要性を正確に理解されていないようだ。

「対処療法的」にデフレ・マインドを破壊する手段は、安倍首相の増税延期で失われた。
「根本治療的」にデフレ・スパイラルから脱却するために、なんとしても「第三の矢」を進めてもらいたいところである。

リスク資金の流動性問題

2015年08月29日 19時41分05秒 | Weblog
日本銀行がどれだけ市場に資金を供給しても、インフレ率が上がらない。
資金の「供給量」は増えているのに、「流通量」が増えない。

その一つの問題として、「低金利」があるのではないか?

 金利が下がり、リスク資金が増えることで、本来であれば新規事業、社会変革に資金が回るはずだ。しかし、そうはなっていない。新規起業件数は減少をたどっている。

 金利は下がっているが、現実に、リスク資金は増えていない。低金利の資金は、収益性の低い既存事業=ゾンビ企業に流れ、社会階層の固定化につながっている。廃業するべき企業が生き残り、規制緩和に反対をし、公的補助金を浪費している。市場の流動化が進まないために、新規事業も進まない。
地方経済の収益力・利益率が低下し、労働者の賃金も減り続ける。
 経済の活性化を目的にしていたはずの低金利が、経済成長の足を引っ張っている。

低金利を悪用し、補助金を浪費し、労働者を搾取するゾンビ企業を市場から退出させる必要がある。リスク資金を成長に結びつける必要がある。政官と結びついて事件を起こした東芝の例が示すように、課題は多い。


取り急ぎは、収益性の低い企業+成長の見込めない産業への資金の流れを止める必要がある。 成長産業への資金が流れるようにしなければならない。
*銀行からの貸し出しに「最低金利」を設定し、超低利回りでの貸し出しを抑制する必要があるのではないか?

*銀行に対し、新しく「資産税」を導入するべきだ。銀行の資産規模に応じて、総資産規模の0.5%を課税する。運用資産額が100兆円の金融機関であれば、税額は5000億円(毎年)になる。 つまり、資産の保有コストを0.5%押し上げることで、収益性の高い産業のみに投資が向かうようにする。 必要であれば、1.0%まで税率を引き上げればよい。 保有しているだけでは、毎年1%ずつ資産目減りしていくのであれば、金融機関も運用先の成長性を重視するようになるだろう。

ちなみに、個人・企業の金融資産1千兆円に0.5%の課税ができれば、年間5兆円の増収になる。



いずれにせよ、ゾンビ企業への資金の流れを止め、成長産業にリスク資産を向ける必要がある。
低金利が問題になるのであれば、何らかの柔軟な対応が必要とされる。

日本銀行の金融緩和は、どこまで拡大できるか?

2015年08月29日 19時27分00秒 | Weblog
金融緩和の規模が、300兆円に達したらしい。
国債発行額の25%で、対GDP比で45%

しかし、デフレ・マインドをひっくり返せない。今後も、量的緩和を拡大していく必要がある。
すでに、新規国債発行額が45兆円前後なのに対して、年間80兆円近くも国債を買いこんでいる。 こういった量的緩和は、どこまで拡大可能なのか?

思うに、
*労働者が給与の支払いを日本円で受け取り続ける限り、どこまでも可能
って感じじゃないか?

日本円の価値が暴落しない限りは、量的緩和を続けられる。そして、国内の労働者が日本円で給与を受け取ってくれる限り、日本円の価値は暴落しない。

低インフレ率が実現するまでは、ガンガン量的緩和を進めるべきだと思う。
しかし、量的金融緩和の目的は、「資金の供給」ではない。 目的は「資金の流動化」である。供給した資金が市場で流動するように、一層の工夫が必要だろう。

国債の購入だけでは難しいかもしれない。国内株式ETFの購入割合を増やすなり、海外株式のETFに手を出しても良いかもしれない。

インフレ率が低い原因を「原油価格の下落」とするのであれば、「原油の現物」や「金現物」を購入することで市場に資金を供給することも一つの手段だろう。


結局のところ、
経済とは労働+消費であり、資本とは労働成果の蓄積である。
つまり、労働と結びついている通貨は、力を失わない。

日本銀行が量的金融緩和を拡大しても、労働者からの信頼を失わない限りは、日本円の価値は守られる。

郷に入っては、郷に従え

2015年08月29日 11時00分49秒 | Weblog
コストコが地方での出店を進めている。

でも、開店に合わせてのプレイベントとかってしている気がしない。 俺の地元だと「餅まき」とか?

郷に入っては、郷に従え

開店の際に、地方文化に合わせたイベントをしないと、客を集められないと思う。
特に地元の高齢者は、「餅撒きに呼ばれていない」=「入店拒否される」と思っているかも。

コストコの場合は、会費を払って会員にならないと入店もできない。 入店してみないと、取り扱っている商品が分からないから、会費を払う気になれない。 その上に、餅まきにしていなければ、「試しに行ってみよう」とも思わない。

経営理論によると、まず「顧客とはだれか?」を考える必要があるらしい。

コストコ地方店の潜在顧客は誰なんだろう?

コストコの商品を良く知っている人だけ? 海外企業の地元駐在員だけ? 大都市圏出身者だけ?
地方出店をして、学校や町内会のイベント需要を取り込まないのであれば、機会損失が大きくないか? 利益率が悪くなると思う。

地方ごとの開店イベントが大切だと思うけどなぁ・・・。