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VYOのチャイコフスキー・コンサート

2019-12-28 10:37:33 | 音楽
12月27日(金)の夕方から、杉並公会堂でヴィルトゥオーゾ・ユース・オーケストラ(VYO)のコンサートを聴く。VYOは音楽大学の学生たちが集まるオケで、芸大、東京音楽大学、桐朋などの学生が集まっている。午後4時から始まり、第一部は6時まで、第二部は7時から9時という、普通のコンサート二回分の欲張ったコンサートだ。

今回の目玉は、今年6月にチャイコフスキー・コンサートで2位となった藤田真央の共演で、オール・チャイコフスキー・プログラムだった。第一部は交響曲5番とピアノ協奏曲2番、第二部はピアノ協奏曲1番と交響曲6番「悲愴」。

杉並公会堂は初めて行ったのだが、1000席ちょっとの本格的なコンサートホールで、音響もとても良い。素晴らしいホールだが、ロビーと出入り口がちょっと狭いのが難点だ。

学生たちのオケなのでどんな音かと思ったが、商業的なオケに負けない立派な演奏だった。指揮も若手の大森大輝だが、彼のコントロールが良く効いている。若いだけあって元気溢れる演奏で退屈することがなかった。ピアノ協奏曲でチェロとヴァイオリン音のソロが掛け合いで演奏するところなどは音色に聞き惚れた。

藤田真央は童顔なので、まるで中学生のように見えるが、実年齢は20歳ぐらいだろう。若いが経験を積んでいるし、同世代の仲間たちとのコンサートということもあり、リラックスした様子で演奏していた。藤田真央の演奏は表現力豊かで、表情に富み、時には力強かったリ、あるいはソフトだったりして、若いのに凄いピアニストだなあと感心した。

4時から9時までと、歌舞伎でも観るような長いコンサートだが、アンコールではラフマニノフのピアノ協奏曲3番の3楽章を演奏したのには驚いた。これも素晴らしい演奏で、場内からは声援が挙がっていた。

帰りは、杉並公会堂のそばの小さなワイン食堂で食事。田舎風のパテや、鴨のローストを食べる。カウンター中心の小さな店だが、本格的な料理を出すので驚いた。店主に聞いたら、今年の4月に開業したそうだ。フランス料理店で16年間修業したというので、料理も本格的なわけだ。ただ、メニューはたくさん並んでいるが規模が小さいので、食材が切れているものが多い。お任せで頼めということだろう。ただ、カウンター中心の店なのにフランス料理を本格的に作ると時間がかかるので、沢山客が来たら廻らないだろうという印象。ワインはグラス中心だが、定番のものではなく変わった品ぞろえで、ちょっと高め。気軽に食べたい客にはちょっと敷居が高いかも知れないという印象だった。


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