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オペラ、バレエ、歌舞伎、文楽などの鑑賞日記です

オペラ「ショパン」

2022-12-18 09:58:28 | オペラ
12月17日(土)の昼に、東京文化会館小ホールで、オペラ「ショパン」を見る。こんなオペラがあることは全く知らなかったが、珍しい演目なので、とりあえず見ようと思った。たった1回の公演なので、小ホールは満席だった。

ジャコモ・オレーフィチェというピアノのうまかったイタリア人の作品で、生涯に11作品のオペラを書いたが、その中では一番有名らしい。ショパンのいろいろな作品の旋律を使っており、これは聞いた記憶があるという旋律が出てくる。話の内容は、ショパンの生涯を描くものだが、中身は全くの創作のようだ。4幕構成で、1幕はポーランドがロシアに攻め込まれて脱出するまで。第2幕は亡命先のパリで人妻フローラと親密な関係になるまで。第3幕は体調を崩してマヨルカ島で療養するが、フローラの娘グラツィアが事故で亡くなる。第四幕はパリへ戻るが、病気が悪化して若くして亡くなる。

4幕もあるが、1~2幕を連続して上演し1時間、20分の休憩を挟み、後半は3~4幕で40分、という構成だった。ショパン役はテノールの山本康寛、守護天使的なステッラはソプラノで佐藤美枝子、恋人フローラ役がソプラノで迫田美帆、友人エリオ役はバリトンで寺田功治、修道士役がバスの田中大揮、だった。小ホールなのでみな声は良く響いて十分だった。歌も良かったが、テノールは弱い。日本には本当に良いテノールがいないと感じた。

伴奏はピアノとチェロとヴァイオリンで、指揮は園田隆一郎。ショパンのピアノ曲を聴かせる場面もあり、ピアノの松本和将が見事な演奏を聞かせた。もともと小ホールで十分な設備がない中、岩田達宗の演出もうまくやっていたが、何しろ台本が退屈なので、音楽を楽しむことに集中した。それでも全体の音楽的な水準は高く、オフ・ブロードウェイで新作のミュージカルを見ているような気分になった。
 
夜に雨が降るとの予報だったので、家にまっすぐ帰り、作り置いたカレーを食べる。サラミ、サラダ、ナスのカレーなど。飲み物は泡。

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