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ムーティの「アイーダ」

2024-04-18 14:28:22 | オペラ
4月17日(水)の昼に東京文化会館で、リッカルド・ムーティ指揮によるヴェルディの「アイーダ」を見る。演奏会形式で、2時に開演、20分の休憩が2回あり、終演は5時35分頃。珍しく東京文化会館の大ホールが満員。若い人から年寄りまで多くの観客で埋まった。

東京春音楽祭の一環で、オーケストラは寄せ集めだが若手の腕のある人が揃っていた。コンマスはN響の郷古廉。各パートも有名オケの首席クラスだった。弦は50人だが、管が多いので、100人近い大編成。それに、100人を超える大編成のコーラスが付いた。主要歌手5人は来日組で、それ以外の3人は日本人歌手だった。

ムーティの指揮は冴えた感じで、ピアニッシモは本当に小さな音で、フォルテは強い大きな音という大原則が守られ、素晴らしいテンポのコントロールで聴きごたえがあった。2幕の凱旋の場面などは、演出付きの舞台だと、舞台に気をとられてオーケストラの音はあまり耳に入らないが、演奏会形式だと、ヴェルディの書いた音楽がよく分かり面白かった。

歌手は一流劇場に出演する人を集めたようで、皆立派な歌唱だったが、アムネリス王女役を歌ったユリア・マトーチュキナが力強い歌唱で、一番良いと思った。男性では神官役のバス歌手ヴィットリオ・カンポがうっとりするような良い声で聞きほれた。日本人歌手では巫女役で歌ったソプラノの中畑有美子が美しい声を聴かせて印象に残った。

一番良かったのは男声合唱で、55人ぐらいの大編成なので、すごい迫力。男性コーラスが50人を超えることなどめったにないので、この迫力だけでも聴いた甲斐があると思った。

演奏会形式は、これまで足が向きにくかったが、変な読み替え演出が付くぐらいならば、演奏会形式の方がまだましだと思うようになった。ただしコンサートホールでやると残響が長すぎるので、オペラハウスや東京文化会館のような中程度の残響の会場で上演して欲しい気がする。

やっぱりムーティはいいなあと、すっかり良い気分になって帰宅。家で夕食を食べた。具だくさんのサラダ、ロースト・ポーク、ジャーマンポテトなど。飲み物はスペイン産のカヴァ。

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