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秘密の結婚/セルセ

2024-03-18 13:28:30 | オペラ
3月17日(日)の昼と夜に、昭和音楽大学のスタジオ・リリエで、チマローザの「秘密の結婚」とヘンデルの「セルセ」を見る。日本オペラ振興会オペラ歌手育成の43期生の公演。両方ともあまり上演されない演目なので、遠いが頑張って見に行った。「秘密の結婚」は1時開演で、15分間の休憩を挟み、終演は3時35分頃。「セルセ」は17時30分に始まり、15分間の休憩を挟んで、終演は20時5分頃だった。観客は若い人から年配までいて、9割程度の入り。両方ともピアノとチェンバロ(電子)による伴奏。

新百合ヶ丘という、都心からは結構離れた場所にあるが、駅のすぐ前に校舎があるので、まあ便利。昼夜と続けてみると、途中で食事でもしたくなるが、チェーン店ばかりで魅力的な飲食店がないので、カフェで済ませた。スタジオ・リリエは、それなりに設備があり、照明もきちんとできる。座席もキチンと勾配があり見やすい。唯一のそして大きな欠点はエアコンが効かないことだ。人がたくさん入って照明がともると、それだけでどんどんと暑くなり、まるでサウナに入ってみるような気分だった。恐らくはスタジオとして独立のエアコンがなく、全館のシステムに合わせているのだろうが、まだ寒い時期に3時間も暑いスタジオで見るのは拷問に近い気がした。

秘密の結婚には昼の部の研修生7人が出ていたが、女性が6人なので、同じ役を3人で交代に演じるという形になっていた。セルセの方は夜の部の研修生らしく4人がそれぞれの役を演じる形。どちらの作品も、権力者が無理な結婚を望むが失敗するという話になっている。

秘密の結婚はオーソドックスな演出で、喜劇的な話だから、見ていて楽しかった。レチタティーヴォ部分が多いが、ディクションもあまり気にならずに見ることができた。重唱部分は良いのだが、単独でアジリタの入る歌唱は気になるが、研修生にとっては良い経験ではなかろうか。

セルセの方は、現代に読み替えた演出で、衣装もぶっ飛んでいた。照明も奇をてらったもので、人物の背面から客席側へ光をあてていた。一瞬ならばよいが、多用するので見にくいことおびただしい。いろいろとコミカルな動きも入れて、観客が退屈しないようしたのだろうが、退屈せずにうんざりした。歌唱は全体として研修生のレベルだが、ロミルダ役を歌った松原奈美は、完成した歌唱を聴かせていた。有名な「オンブラ・マイ・フ」は、1幕の冒頭で歌われたので、その後はどんな感じかと思ったが、結構よい歌がたくさん入っていて面白かった。

熱中症で倒れるかもと思いながら最後まで見て、ふらつきながら帰宅。食欲が出ずに、冷たいビールを飲みながら、簡単なものをつまみ、すぐ寝た。


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