~感動の射撃祭--Schützenfest/シュッツェンフェスト-- と Farewell Party、訪れた観光地を少しご紹介~
◆まずは、射撃祭。この地域の射撃祭は聖霊降臨祭の3連休におこなわれた。近くの公園に仮設遊園地が設けられ、道路沿いは地域の射撃団の旗がたなびき、夜には花火があがった。近隣の家族や若者が出かける姿も多く見受けられて、町に祭りの雰囲気が溢れた。
居並ぶ地元の名士たち↑
←今年の射撃女王
♪~感涙~♪ 恥ずかしながら、ステイ中、一度だけ涙ぐんだことがある。射撃祭※というお祭りがあるというので、みんなで参加したときのことだ。大きなテントの中に地元の人たち500人くらいが集まっていた。地元の名士たちの挨拶の後、若い女性が登壇し、驚いたことに上手な日本語で、この席に日本人が来ていることを紹介し、みんなで歓迎したいとスピーチした。それまでは、周りから、どこの異邦人か、という好奇の目で見られていた気がしていたが、このスピーチを機に「こんなところまでよく来たねえ」といった視線に変わったように思えた。それだけで私はすでにかなり感激していた。
ブラスバンドの演奏が雰囲気を盛り上げていたが、終わりころ、テンポのいい曲を演奏しだすと、参加者が肩を組んで歌を歌い始めた。ホストたちも相手かまわず肩を組み、体をゆすり始めた。会場は大合唱となり、みんなが肩を組み合って、笑顔で体をゆすった。私たちも体をゆすった。思いっきりゆすった。日本人もドイツ人もみんな笑顔。大きな歌声、曲に合わせた人波。私もその渦の中にいた。私は思わず涙ぐんでしまった。「世界はひとつなんだ」という言葉が、熱くなった胸の中をぐるぐる回っていた。ハンカチで目をぬぐう私を見て、向かいの妻が苦笑いした。ホストのマリアンヌはにこにこしながらその様子を見て何度もうなずいていた。もう一方のホストのギュンターさんに、50年前大学で習った、うろ覚えのドイツ語で「Die Welt ist einns(=世界は一つだね)」と言ってみたが、ついに通じなかった。悲しいかな言葉の壁は厳然としてあった。 (吉川 利文)
※射撃祭=ドイツは中世、都市が発達。住民たちは射撃隊を組織して自らその都市を防衛した。近代になって、射撃隊はすたれたが、その歴史や伝統を伝えるため、各地で射撃祭や射撃大会が催されている。
※テーブルに置かれていた Ehrengäste とは、honors guest=名誉ゲスト、という意味。20名の日本人が訪れたことは、この地域で初めてだと聞きましたが、このように歓迎してもらえ、幸せでした。彼らが最後に歌っていたのは、ニーダーザクセン州の州歌だそう。
日本語で私たちを歓迎してくれた女性。福岡に一年住んだ経験があるという。Danke!
射撃祭の代表者に、参加のお礼に代えて奈良クラブのバッジを渡す。
◆そして、Farewell Party~楽しかった滞在も終わります。 挨拶をする会長・EDのハインツ
着物姿は人気がありました!
1936年から続く地元の伝統舞踊の一団を呼んでくれていました。
圧巻でした!
Takakoさんの日舞。とてもインパクトがあって、素敵でした。
♪~音楽は世界共通の言葉~♪ ウェルナーの「野ばら」を選んだ。ただ単に所属しているコーラスグループで歌い慣れているという理由で。ところが、思わぬ反響があった。プロのピアニスト伴奏(彼も会員!)だったこともあるが、私が歌いたいようにあわせてくれた。歌っている時から、ホストの人たちの聴きかたに真剣さを感じた。歌い終わると、大きな拍手、アンコールの声。独唱してアンコールを受けたことのない私は、棒立ちになり舞い上がってしまった。「おてもやん」他、何曲かは用意していたが、やめて皆と「野ばら」を歌ってお茶を濁した。なんと、ピアニストが言うには、ウェルナーは、ブラウンシュバイク生まれだったのだ。私の歌が、うまいのではなく選曲にたいするアンコールであった。(内田 勝治)
※アンコールは、Katsuのドイツ語での歌声に対する評価です。ホスト達の心からの喜びよう、そして、奈良クラブのメンバーにとっても彼を誇りに思った時間でした(サリー)。
◆ニーダーザクセン州の一部、訪れたブラウンシュバイクやパイネ、近辺を少しですが、ご紹介します。
3枚ともブラウンシュバイクの町の様子。
モダンな建物はアメリカ人アーティストJames Rizziの作 'Happy Rizzi House'。
石畳が続く街。
← パイネ駅前の商店街、趣があります。撮影したのは夜の10時前で、ようやく暗くなってきます。
州都ハノーバーにあるヘレンハウゼン王宮庭園(The Royal Garden of Herrenhausen)を訪問。私達の姿が遠くに見えます。
New Town hallの屋上からのハノーバー市内の眺め。森が多い。
ザルツギッターにあるサルダー城 "Castle Salder" へ(1608年に建設され、現在はザルツギッター市の歴史博物館になっている)
歴史的なゴスラーGOSLARの街をガイドと巡る。
☆EDとしての学びのみならず~ブラウンシュバイク/パイネクラブのホスト達は、受入に際して、たびたび集まって話し合っており、また、普段からも互いに行き来し、仲が良い友達同士であることが滞在中にわかった。このことがどれほどうまく機能したことか。アンバサダーから相談された時は、ホストの状況を先ずハインツに確認してから、そのホストに伝えることもできた。私達はすこぶる快適に過ごせた。私とハインツの一日の始まりは、その日の段取りを伝え合って、互いに確認することであり、夜には明日の予定を確認してから休むことが、一日の終わりであった。EDとしての役割を学ぶのみならず、私は、彼らの生き方、暮らしのありようとこころの豊かさを、ホストの皆さんから学ぶことが多かった。
私は、EDを務めるのならば存分にやり遂げたいと心から願い、そして、何よりも皆と一緒に楽しもうと思った。Heinz&Helen Seelisは得難い友となり、人生は出会いで彩られているのだと改めて感じ入っている。また、奈良クラブのメンバーはいつも明るく、笑顔でよくしゃべり、飲んで食べて!健康に留意してくれ、私の「はい、集合!」にも耳を傾けてくれた!ありがとう、Danke !(Sally/サリー)