信号待ち。
右方から、老婆が杖をつきながら。
カツン、カツン。
金属音のするその杖の音。
歩みは遅い。
一歩、20cm程だろうか。
仕方ない。
信号の間隔は?
間に合うのか?
まあ、
間に合わなくとも、渡り切るまで待たねばならんだろう。
カツン、カツン。
ようやく、ようやく私の前まで来た。
さあ、
もう一息だ!
と、
立ち止まった。
ゆっくりと、こちらを見ている。
いや、
こっち見なくていいから、渡り切って!
ゆっくりと、
私の乗る軽トラを見回している。
ゆっくりと。
ああ、信号が変わる!
ゆっくりと、進みだす。
が、
ほぼ渡りきった、歩道の直前、
歩道との段差(1~2cmだろうか、)の前で、また止まってしまった。
じっと、下を見ている。
動かん。
信号は変わっている。
彼女を大きく回避し、クルマを出す。
走ってるクルマ(高齢者ドライバー)以外にも、
気をつけなければならない。
観光通りなんか、
横断歩道でも何でもない処で横断をする人(年配の方ね)が多い。
歩行者向けの交通安全の指導も必要なんだな。