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夢の羅列<マジロ弾丸レストラン> 20170915

2017-09-17 16:03:25 | Dreams
夢の羅列<マジロ弾丸レストラン> 20170915


夢の中の、
薄暗い街並みの外れに建つ学校の前で、私は二人の男たちと何かをしていた。

そのうちの一人が車から大きな汚いカプセル状の物を降ろし、抱えて持って来た。

黒紫とでもいうのか、
そんな色の恐竜の卵のような物を地面に降ろし、男は卵に小声で喋りかけ始めた。

喋りかけるということは相手がいるということで、相手ということは、
それは生き物であるはずで、となると、あの60センチはあるかという卵から
何か生物が出てくるのは間違いなかった。

私は生き物は決して苦手ではないが、未知の生物は苦手である。
ましてや卵から孵ったばかりの未知の生物と意思の疎通が出来るとも思えなかった。

今にもドロドロベトベトした粘液とともにズルッと産まれ出そうに見えた。
やたらに脚が長くて素早く動き、キーキーとでも鳴かれたら友達にはなれないだろう。
そうはいっても嫌われて襲われたら困るし、しかし好かれて懐かれても困るわけだ。

あのね、オレはベトベトしたのが嫌いなんだよ。
とはいっても、二人の手前、逃げるわけにもいかないしな。逃げたいのだが。

卵に喋りかけていた男は今度は卵の隙間のような箇所に手を差し込んで開き始めた。

おいおい、やめとけって。牡蠣じゃないんだから。
汁でもぴゅーっと出たら、どうすんだよ。

最近、また映画エイリアン・シリーズをCS放送で繰り返しやっていて、
以前、全部を通して観た結果、観なくてもよかったと後悔したというのに、
また飛ばし飛ばし観てしまったばかりで、生物に対して少し敏感になっている。

……などと考えている間に目の前の男は作業行程の最終段階に入ったらしく、
「ほら出て来い、ほら」と大きな声を上げた。すると、

卵というかカプセルというか、とにかくデカい黒紫の何かが
「パッカーンっ」と二つに割れて、中から明らかに四つ足動物系の生物が出てきた。

アルマジロであった。

攻撃を受けるとボール状に丸くなるアレである。

見たところ、すでに成獣なのか四つ足でふんばって立ち、フーフーと息が荒い。

なぜかやる気まんまんである。
覚醒剤でも一発打って、怖いものナシという面構えである。
イヤな予感がしてきた。

パッカーンと割れたのは要するに殻だったのか、たとえば
眠る時にはあの殻に入って寝るとか、そういうものか。
夢の中なので論理性などはご容赦願いたい。

飼い主というか、つまりこいつを持ってきた男はアルマジロの背中をさすりながら、
「よーしよし、よーしよし」などと甘くソフトで気持ち悪い声を出している。

もう一人の男はずっと何も言わない。

私はこの変な間に耐えられず、
「これは日本アルマジロだな」
とテキトーなことを言ってしまった。その途端、

アルマジロと飼い主の目が同時に「キッ」と私を見据えた。
そして飼い主が、
「マジロ、行けっ」と獣の背中をパシッと叩いた。

マジロと呼ばれたアルマジロの目がくわっと見開いたかと思ったら、
四つ足が地面を蹴った。そして飛んだ。飛んだように見えた。

もう弾丸である。

私は「キャッ」と女子のような声を上げて逃げ、
木か何か、上に見えたものに手をかけてぶら下がった。

マジロは私という目標を失ったが、そのまま一直線に学校の門を突抜け、
少しだけ開いた扉から建物の中へと飛び込んでしまった。
頭はあまり良くないようだった。

ぶら下がったままよく見ると、学校だと思っていたのは営業前のレストランで、
あの弾丸のように走り回るマジロが、テーブルや皿やボトルやグラスなどがデリケートに並ぶ店内で、
どのような行儀作法を見せるのかと思ったら、さぶイボが出た。

振り向いて飼い主を見ると、ゲラゲラ笑っていた。ワイルドだ。

私はというと、テキトーなことを言うのは少し控えようと思った。ぶら下がったままで。

おわり。
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