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夢の羅列<坂と中学生>

2015-12-25 18:58:52 | Dreams
夢の羅列<坂と中学生>

おっと、上り坂だ。

駅までの道なのだろう。
これぞ日本の出勤風景といった感じで、
背を丸めた数人が私と同じ方向へ歩いている。

毎日毎日この坂を上っていくのだろうなあ。
上って降りて、上って降りて40年か。
そんなことを考えさせるほど目前に見える坂は長かった。

私の歩く道もそろそろ傾斜が強くなり、本格的に坂が始まった。
しかし長えなあ。
頂きで右の方へ曲がってゆくのが遠くに見える。

私は、独りの時は歩くのが速い。
だから前を歩く数人の会社員風の男たちを
すぐに抜いてしまうだろうと私は思っていた。ところが、
これが全然進まないのだ。
足がまったく前に出ない。
「もがく」というのはこのことか。
というくらいに、まったく進まない。
まるで100歳の老人になってしまったかのようだった。

夢の中で歩く、走る、自転車を漕ぐ。
これがとても大変であることはよく云われているし、
私も以前に書いた憶えがある。

それにしても足が上がらないよ。
重い。
後から来た人たちがどんどん私の右側を通りすぎてゆく。
これはまいったな。

そんな途方に暮れていた時、
私の左腕が何かに引っ掛けられた。
引っ掛けられてそのまますーっと身体が引っ張られてゆく。
おっとっとっとっと。

左を見ると、
3人連れの中学生の一人が
私の左腕に傘の柄を引っ掛けて歩いているではないか。

しかし、そんなに彼はがんばっている風にも見えない。
普通に、他の二人と何かふざけ合いながら、笑いながら、
私の左側を歩いているのだ。
ただ私を傘の柄で引っ張りながら。

私にとくに注意してるようにも見えなかった。
ことさらに親切心を出しているふうでもない。
この坂では日常のことなのか。

老人が上れずに止まっていたら、
傘があれば引っ掛けて上る。
なければ素通りする。

いや、それにしても全然楽だな。
先ほどまでがうそのようにトコトコ進むのだ。

さあ頂上だ。

おや、下りには乗り物があるのか。

つづく。
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