カトリック木更津教会(教会堂名:聖コールマン)
創立:1952年 ◇ 住所:千葉県木更津市富士見3-1-13
創立:1952年 ◇ 住所:千葉県木更津市富士見3-1-13
JR内房線の木更津(きさらづ)駅で降りる。ここは東京湾に面した古い港町だが、駅前の商店街は少しさびれている印象。このローカルな「木更津」の名を全国的にしたのは、2002年放映のテレビドラマ「木更津キャッツアイ」(TBS系)かもしれない。だが、戦前の木更津は「軍隊の町」であり、旧海軍航空隊の基地があった。敗戦直後の1945年8月19日、マニラで米国との降伏受理協議に臨む日本代表団を乗せた飛行機(特殊な塗装を施した「緑十字機」)は、ここから南方へ飛び立った。
カトリック木更津教会の沿革をおさらい。「その歴史は1884年頃のパリ外国宣教会の房総伝道に遡る。第二次大戦後は進駐軍の蒲鉾兵舎が聖堂の時期もあった。1951年、木更津海岸の埋立地に仮の教会が建てられた。これが木更津教会の始まりである。1955年 、司祭・信者の信仰と努力、及びアイルランドからの暖かい寄付によって現聖堂が献堂。近隣には新日本製鉄(現・新日鐵住金)君津製鉄所等があり、九州から転勤してきた方も多くおられる」(東京大司教区サイトから要約)。
木更津港を右に眺めながら、カトリック木更津教会に到着。木造平屋の聖堂は質実剛健の造りだが、祈りの家に相応しい雰囲気がある。木更津教会も聖コロンバン会(The Missionary Society of St.Columban)の「房総伝道」によって建てられた教会の一つである。聖コルンバヌスの名を戴くこの宣教会は、1916年にアイルランドで創立された(日本管区は東京)。戦後、聖コロンバン会が房総、及び湘南地域のカトリック教会を次々に設立・司牧(注)した働きは、もっと注目されてもよいと思う。
現聖堂献堂:1955年
聖堂内の聖母子像
(注):鴨川教会、木更津教会、五井教会、佐原教会、館山教会、千葉寺教会、銚子教会、東金教会、茂原教会。東京・神奈川では豊島教会、藤沢教会、平塚教会、大磯教会、二宮教会、国府津教会など。
◆主な参考文献など:
・「千葉県の戦争遺跡をあるく」 千葉県歴史教育者協議会編(国書刊行会・2004年)
・「横浜教区設立50周年記念誌」 教区設立50周年記念誌編集委員会編(カトリック横浜司教区・1988年)