三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

カトリック木更津教会

2015年03月06日 | 千葉のカトリック教会
カトリック木更津教会(教会堂名:聖コールマン)
創立:1952年 ◇ 住所:千葉県木更津市富士見3-1-13

JR内房線の木更津(きさらづ)駅で降りる。ここは東京湾に面した古い港町だが、駅前の商店街は少しさびれている印象。このローカルな「木更津」の名を全国的にしたのは、2002年放映のテレビドラマ「木更津キャッツアイ」(TBS系)かもしれない。だが、戦前の木更津は「軍隊の町」であり、旧海軍航空隊の基地があった。敗戦直後の1945年8月19日、マニラで米国との降伏受理協議に臨む日本代表団を乗せた飛行機(特殊な塗装を施した「緑十字機」)は、ここから南方へ飛び立った。

カトリック木更津教会の沿革をおさらい。「その歴史は1884年頃のパリ外国宣教会の房総伝道に遡る。第二次大戦後は進駐軍の蒲鉾兵舎が聖堂の時期もあった。1951年、木更津海岸の埋立地に仮の教会が建てられた。これが木更津教会の始まりである。1955年 、司祭・信者の信仰と努力、及びアイルランドからの暖かい寄付によって現聖堂が献堂。近隣には新日本製鉄(現・新日鐵住金)君津製鉄所等があり、九州から転勤してきた方も多くおられる」(東京大司教区サイトから要約)。

木更津港を右に眺めながら、カトリック木更津教会に到着。木造平屋の聖堂は質実剛健の造りだが、祈りの家に相応しい雰囲気がある。木更津教会も聖コロンバン会(The Missionary Society of St.Columban)の「房総伝道」によって建てられた教会の一つである。聖コルンバヌスの名を戴くこの宣教会は、1916年にアイルランドで創立された(日本管区は東京)。戦後、聖コロンバン会が房総、及び湘南地域のカトリック教会を次々に設立・司牧(注)した働きは、もっと注目されてもよいと思う。


現聖堂献堂:1955年


聖堂内の聖母子像

(注):鴨川教会、木更津教会、五井教会、佐原教会、館山教会、千葉寺教会銚子教会東金教会、茂原教会。東京・神奈川では豊島教会藤沢教会平塚教会大磯教会二宮教会国府津教会など。

◆主な参考文献など:
・「千葉県の戦争遺跡をあるく」 千葉県歴史教育者協議会編(国書刊行会・2004年)
・「横浜教区設立50周年記念誌」 教区設立50周年記念誌編集委員会編(カトリック横浜司教区・1988年)
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