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三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

カトリック田園調布教会

2011年09月21日 | 東京のカトリック教会
カトリック田園調布教会(教会堂名:アシジの聖フランシスコ)
創立:1932年 ◇ 住所:東京都大田区田園調布3-43-1

東急東横線の多摩川駅で降りる。私が日吉へ通学していた頃、ここの駅名は「多摩川園」だった。田園調布とは思えないローカルな雰囲気さえ漂っていた。当時、私は講義を終えると、独りで神保町の古書店街へ繰り出していた。その途中、東横線が多摩川を越えると、いつも丘の上に聳える高い鐘楼が目に飛び込んできた。私は「神学校か何かの施設なのだろう」と考え、その厳かな佇まいに圧倒されていた。それが、これから訪ねる田園調布教会だった。

1930年、フランシスコ会の東京進出に当たっては、戸塚文卿神父の大きな援助があった(戸塚師については、小金井教会の記事を参照)。当時、宣教師として来日したジャン・ジョゼフ・デキール神父の日記によれば、「フランシスコ会が田園調布の修道院を創設するに当たり、戸塚神父の尽くされた業績は大きく、決して忘れることのできない恩人」と記されている。田園調布の小高い丘が選ばれたのは、「聖フランシスコが天の啓示を受けた山に似ていたから」という。

1932年10月4日、アシジの聖フランシスコの記念日に田園調布教会は創立された。初期の聖堂は畳敷きであったという。教会堂名のフランシスコについて、私の乏しい知識を総動員しての説明は不要と思う。信仰の有無を問わず、多くの人々から「清貧の聖人」として尊敬されている。奇しくも、フランシスコの記念日は、カトリック信徒だった私の祖父が帰天した日でもある。いつの日か、田園調布のラ・ヴェルナ山(注)に聳える大聖堂のミサに与りたいと考えている。


現聖堂献堂:1955年


聖堂正面

(注):ラ・ヴェルナ山(La Verna)はイタリア中部にある。1224年、瞑想中のフランシスコが聖痕(イエスの五つの御傷)を受けた場所。

◆主な参考文献など:
・「戸塚神父伝 神に聴診器をあてた人」 小田部胤明著(中央出版社・1989年)
・「宣教師たちの遺産・フランシスコ会カナダ管区」 平秀應編(フランシスコ会アントニオ神学院・1988年)
・「アッシジのフランチェスコ」 川下勝著(清水書院・2004年)
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