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三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

聖マルコ教会(日本聖公会)

2011年10月21日 | 聖公会の教会
日本聖公会 聖マルコ教会
(住所:東京都府中市美好町3-8-2)

地元の図書館などで、多摩のカトリック史を調べていると、必ず沼謙吉氏の著作・論文にたどり着く。元高校教諭の沼氏は、明治期の多摩に於けるキリスト教史をご専門にされている。沼氏の研究成果から、私は多くの示唆を受けた。砂川村(立川市)にカトリックを伝えた元仙台藩士・竹内寿貞のこと、テストヴィド神父と共に多摩最古のカトリック泉町教会を献堂した山上卓樹のこと、八王子に東方正教会の会堂があったことなど、枚挙にいとまがない。

沼氏の著作を読み進むうちに、京王沿線に日本聖公会の古い教会があることを知った。それが、これから訪ねる府中の聖マルコ教会である。カトリック教会の巡礼中に、他教派の教会を採り上げるのは気が引けるけれども、この聖マルコ教会と、奥多摩にある日本基督教団の青梅教会とは、多摩のキリスト教史の舞台として、どうしても訪ねたいと考えていた。後者は、1888年に創立された「青梅福音教会」を前身とし、文豪・中里介山ゆかりの教会でもあるから。


京王線の分倍河原駅で降りる。旧甲州街道を西へ歩くと、聖マルコ教会の正門が見えてきた。立教大学などのチャペルを除けば、私が聖公会の教会を訪ねるは、今回が初めてだ。聖マルコ教会の歴史は古く、米国聖公会が府中に宣教師を派遣した1885年に遡る。創立時は北多摩教会と称し、ここより西方にあったという。1904年、現在地への移転を機に、聖マルコ教会と改められた。古い木造の聖堂は、明治から連綿と続く信仰の歴史が窺えるようだ。


聖堂内観(1959年竣工)

◆主な参考文献など:
・「明治期 多摩のキリスト教」 沼謙吉著(法政大学多摩地域社会研究センター・2000年)
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