三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

復活前夜礼拝(イースター・ヴィジル)

2015年04月08日 | 聖公会の礼拝
聖土曜日を迎えた立教大学モリス館
(住所:東京都豊島区西池袋3-34-1)

4月4日(土)、立教大学チャペル(日本聖公会)で復活前夜礼拝(イースター・ヴィジル)に参列した。聖餐式は行われないが、夕の祈りのように聖書のみ言葉を味わいながら、日没という神秘的な雰囲気の中で、「主イエス・キリストの死への勝利に与る主の過越の夜」を祝う。ところで、この日は入学式が行われたらしく、キャンパス内は新入生を歓迎(勧誘)するサークルの看板が乱立。かつて私が入学式を迎えた日は暴風雨であった。聖歌「見よや十字の旗高し」の調べも懐かしく思い出す。

午後5時、ヴィジルは第一部「光の礼拝」で始まった。暗闇の礼拝堂の中央で、新しい火と復活のろうそくの祝別が行われ、会衆が手にするろうそくにも火が灯された。司祭は復活のろうそくを高く掲げ、「キリストの光」を朗唱しながら祭壇に進む。この流れはカトリックの復活徹夜祭に於ける光の祭儀を思わせる。ろうそくが聖卓前に安置されると、司祭と会衆は次のように応唱した。「ハレルヤ、キリストはよみがえられた」「キリストは本当によみがえられた」。ここで「復活の賛美」を力強く歌う。

照明が点灯され、第二部「み言葉の礼拝」となる。旧新約聖書の朗読を通して、神の救いの御業、また御子が救い主として遣わされた神秘を黙想。市原信太郎司祭は「大斎節を経て復活を祝う喜びと過程には、人間の考えと異なる『神の時の流れ』があり、神は人の死の先で救いの歴史を続けておられます。この喜びを、いま私たちは目にしようとしています」と話された。その神の『救いの歴史』を矮小化するのが、「あなたはすでに、救われている」宣言という被造物の不可解なポエムだろう。


復活前宵祭を祝う立教学院諸聖徒礼拝堂
“ 主の全きいけにえ 闇を打ち破り・・・(聖歌171) ”

◆復活前夜礼拝の聖書朗読箇所、及び聖歌:
第一部(光の礼拝):「復活の賛美」、第二部(み言葉の礼拝):第1朗読(創世1・1、26-31a)、第2朗読(創世22・1-2、9-13、15-18)、第3朗読(出エジプト14・15-31)、第4朗読(ローマ6・3-11)、聖歌171「小羊の宴に」、第5朗読(マルコ16・1-8)、第三部(洗礼式):聖歌513「主よ わが身をとらえたまえ」、第四部(夕の礼拝):聖歌172「あの時のように」。(聖歌番号は「日本聖公会聖歌集」による)

◆主な参考文献など:
・「私たちと礼拝」 竹内淑子、竹内謙太郎共著(聖公会出版・2003年)
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「真実を伝え続ける絵画」展 | トップ | カトリック豊四季教会 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。