カトリック箱根教会(教会堂名:洗礼者聖ヨハネ)
創立:1951年 ◇ 住所:神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300-5
創立:1951年 ◇ 住所:神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300-5
箱根登山鉄道の強羅(ごうら)駅で降りる。「箱根の山は天下の嶮」という。こんな険しい山を、まるで江ノ電のような古い車両(下写真参照)が、ガタゴトと健気(けなげ)に登ってきたのだ。「箱根登山鉄道は、1919年に開通したわが国唯一の本格的山岳鉄道。(中略)急勾配を車輪の力だけで登るのは、日本では箱根の登山電車だけです」(箱根登山鉄道サイトより)。そして、「山の傾面を登るためスイッチバック方式をとり入れてジグザグに登ります」(同)。
スイッチバックとは、険しい斜面を登るために、電車が方向転換すること。終点の強羅駅まで、箱根登山鉄道はスイッチバックを3回繰り返し、進行が逆向きとなる度に、運転士と車掌が入れ替わる。そんな険しい山の上に、なぜカトリック教会があるのだろう。第二次大戦後、「強羅には戦時中疎開し、そのまま残留したシャルトル聖パウロ修道女会の函嶺白百合学園、また養護施設と、マリア会修道院が存在していた」(「横浜教区設立50周年記念誌」より)。
突然、硫黄の香りが漂う山上に「カトリック村」が出現したため、教会が必要とされたらしい。周辺には、今も修道院や函嶺白百合学園(小・中・高)、強羅暁の星園(社会福祉施設)がある。駅から徒歩数分で箱根教会に到着。現在、ここは小田原教会の巡回教会となっているが、横浜でも滅多にお目にかかれない立派な聖堂に驚いた。さて、私は再び強羅駅に戻り、箱根登山鉄道で下山。かくして、「小田急小田原沿線のカトリック教会巡り」の旅を終えた。
現聖堂献堂:1951年
箱根登山鉄道モハ2形。箱根湯本駅にて。
(車両製造:1955年)
◆主な参考文献など:
・「横浜教区設立50周年記念誌」 横浜教区設立50周年記念誌編集委員会編(カトリック横浜司教区・1988年)