元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

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休日・休暇・休業・休職・療養の用語の意味・区別/使い分けは?

2016-02-05 18:34:29 | 社会保険労務士
 休職は公務員法で使われている用語ですが、一般の労働法では規定がなくモデル就業規則で定着したものでは?!

 休日、休暇、休業、休職、どれも仕事上休むことですが、なんか区別・使い分け(どういう意味)があるのでしょうか?休日は労働基準法で基本は1週間に1回は休日を設けるというアレです。休暇は、同じく労働基準法で年次有給休暇として出てきますし、休業は労働基準法では産前産後休業の他休業手当として出てきますが、よく聞かれるのは育児休業、介護休業として育児介護休業法で使われていますね。この休業という言葉は、私は初めて見たときは、店の休業をイメージして、労働者の休業としては、ピンときませんでした。労働者の休業(休み)なんですよね。休職はいわゆる労働法では使われていません。しかし、よく就業規則で使われていますので、休職は現在では当たり前のように使われていることばです。
 
 「休日」というのは、労働契約において労働義務がない日のことです。
 
 ・「休暇」というのは、労働契約において労働義務がある日(労働日)について、会社が個々に労働義務を免除した日のことです。有給休暇もこの休暇の一種です。
 
 ・「休業」というのは、労働者が労働契約に従って労働の用意をし、しかも労働の意思を持っているにもかかわらず、会社にその提供を拒否されたり、何らかの理由でその提供が不可能となった場合の事で、労働契約は存続しているものの、労働者の労働義務は消滅するため、「休暇」の一種とされています。
  ⇒「休暇」と「休業」を厳密に区別する基準はないようですが、休暇のうち、一定期間の間に連続して時期を指定して取得するものを休業と呼ぶのが一般的です。<先に挙げた>例えば、産前産後休業、育児休業、介護休業がありますよね。
 
 ・「休職」は、法律上<厳密には労働法>の制度ではないのですが、一般的には、労働者を労務に従事させることが不能または不適当な事由が生じた場合に、会社が労働契約関係を維持しながら労務への従事を免除したり、禁止したりすることをいいます。
  ⇒会社が一方的に命令することにより休職になるのが通常ですが、会社と社員が休職について合意することもあります。どのような場合に休職になるかは、会社の定める就業規則等によって異なります。具体的にどのようなことが理由で休職になるのかによって、休職の目的も変わってきます。例えば、私傷病休職は、私傷病によって欠勤し労働契約で定められているとおりに仕事ができなくても、ただちに解雇することはせず、一定期間その回復を待ち解雇を猶予するために設けられているのが通常です。

 [・ちなみに「療養」というのは、負傷したり疾病にかかったりした場合の治療のことをいいますので、必ずしも休業したり休職を伴うわけではない。]
 (以上、太字部分は、社員のメンタルヘルス問題(メンタルヘルス研究会)中央経済社P123~124からそのまま引用、ただし<>部分は筆者が文脈の前後関係から分かりやすく挿入したところ)
 
 休職は<厳密には労働法>の制度にはないといいましたが、さらに正しくは一般的な労働法の分野にはないといった方が正確で、実は公務員法(国家公務員法、地方公務員法の両方合わせて、ここでは「公務員法」と呼ばせていただきます。)には休職として記載されているのです。公務員法では、先に挙げた私傷病休職に該当するような場合や刑事事件に関し起訴された場合に、意思に反して休職することができるとされています。公務員法は公務員の採用から退職までを規定し、勤務条件についても規定するものですし、公務員に関する規定ですので、公務員もれっきとした労働者であることから、公務員法が規定するところは労働法ともいえますが、公法の取り扱いのため特殊な労働法の分野とみられています。そこで、労働法ではないといえば、一般的な労働法からは除外されているところです。

 公務員法は、先ほど申し上げましたが、公務員の採用から退職までを規定した上、勤務条件についても述べたものですし、民間の就業規則に値するものです。公務員は公けなものであるから法律に規定されていますが、その規定する公務員法は、民間のものとしては就業規則に相当するものでしょう。この公務員法の休職の規定を就業規則においても同様の規定をおいたものともいえると思われます。
 
 休日・休暇・休業・休職・療養の用語は、法律の用語として使われている場合は、先ほどの使い分けを意識して読まれると、理解しやすいかと思われます。しかしながら、それぞれの会社の就業規則において、先ほど述べた「休日、休暇、休業、休職」の用語の区別が出来ているかというとそうではありません。しかし、大体においては、その区分で読んでいのですが、その会社、会社で必ずしもそういった区別があるとも限りませんので、どの制度にどういった意味でその用語が使われているか留意してから読まれることに注意が必要ということだと思います。

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